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    d_scapula

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    十二月 留紺が孕む可惜夜


    2021/6に発行した『二五粍の硝子玉』より

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    AmeHitori_

    CAN’T MAKEシクトリ年賀2021ゆく年くる年

     全然面白くない。クリスマスが過ぎてしまえば改まって新年を祝う気にはならなかった。
     一年で最も日本人が羽目を外すイベントでこそ警察関係者の彼は仕事が立て込む。こういうのも年末進行というのだろうか。例年どおりならば、そう簡単に納まるような仕事ではない。だが今年は上司が気を利かせて三が日を非番にしてくれたらしい。
     毎年家族持ちの同僚に休みを譲っていた独り身にだって春はやってくる。二人が「そういうこと」になって初めての年越しに、赤井は多少なりとも浮かれていたのだ。新年を迎えることに何の感慨も湧かなくとも、とにかく二人きりで過ごす時間は貴重だ。まず一緒に買い物へ出掛けて、酒やら食料やらを買いに行こう。一日中ベッドから離れず済むようにゴムの補充も怠ってはいけない。しかし彼にその気があるのなら今日ぐらいはナマでも……まぁ、吝かではなかった。
     それが降谷からメアリー、秀吉、真純が滞在するホテルへ赴くと聞いた途端、気分が急降下したのを感じた。この落下速度から算出するに、相当高みにまで浮上していたのだろう。地面に叩きつけられた期待は四肢粉砕してグロテスクなアート作品に昇華されている 2682