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    るい(と)とうふ

    @rui_and_tofu

    rui(字)ととうふ(絵)の合同らくがき置場。二次のみ。ジャンル雑多。

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    るい(と)とうふ

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    ギャング・オブ・ロンドン。S1後、兄ショーンの死の報せを受けた弟ビリー。

    ##GoL

    空港 美しい死に顔だったにちがいない。
     まっさきに思ったのはそれだった。
     兄の硝子の目は、生きている頃から時おり別の場所を見ているみたいに虚ろな色を映した。父も、母も、おれも、この世には誰も存在していないみたいな、夢見るような目つきを。その目を見るたび、おれは彼を殴りつけたいような、泣き出したいような衝動に駆られてはそっぽを向いた。唇を噛んで、喉奥から迫り上がる感情に耐えた。
    「エリオットを殺す」
     スマートフォンのマイクに向けて、おれの口は勝手に動いた。動いていた。もつれる舌と掠れた声がそう言うのを、おれは他人事みたいに聞いていた。
    「見つけ出せ。生かしたままで。必ず」
     おれの手で終わらせる。そう続けたつもりだった。
     だが、言葉はそこで途切れた。
     電話の向こうで、指示の続きを待つような沈黙が流れる。急に恐ろしくなったおれは、怯えたように通話を切った。身体中に違和感があった。吐き気がこみ上げ、場違いな欲望が臍下あたりに渦巻いていた。全身が痙攣するのを感じた。周囲から音が消滅している。おれは昏倒した。遙かに高い空港の天井。その規則的に並んだ白と灰色のストライプが妙に近い。
     意識が消える直前、恐怖に引き攣った姉の顔がカットインしてきたのは覚えている。スローモーションで口が縦に大きく開かれ、聞こえない悲鳴が迸る様を、おれはただ呆然と眺めていた。
     空港の床は汚れていた。冷たかった。
     死んだ兄の肌に触れたいと、その時、強く願った。


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    るい(と)とうふ

    TRAININGひとごろしと、月島。と、ちょっとだけ尾形【即興二次(21/06/16分)/お題:汚れたクリスマス/執筆制限時間:30分】(※色々と捏造含みます)
     人は罪深く、けれど神はすべてを赦したもう。と、目の前に転がる男は言った。清廉な瞳をした、ハキハキと歯切れよく喋る、気持ちの良い青年だった。
     裏表なく人に優しい。義に篤い。教養も深い。それでいて、文化的知識人インテリゲンチヤにありがちな偉ぶったところがひとつもない。知らぬ者には惜しみなく知識を与え、侮ることもなかった。
     トルストイという露西亜の大作家が戦争に向かう祖国を批判し、暴力断固反対の声明を発したという話は、彼から教えられた。
     元々は神戸で貿易業を営む裕福な商家に生まれた長男だったらしい。偶然おとずれた函館で宣教師と出会い、強く感銘をうけた。自身もまた神に仕えたいと言い出した彼に、当然ながら両親は激怒した。溝は埋まることなく、ほどなく彼は勘当された。しかし彼の真摯な信仰は誰の目にも明らかで、遊びや気の迷いと一蹴されるようなものではなかった。結局、折れたのは両親だった。そして両親もまた、いつしか神の御前に帰依するようになったのだと彼は語った。
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