Recent Search
    Sign in to register your favorite tags
    Sign Up, Sign In

    狭山くん

    @sunny_sayama

    腐海出身一次創作国雑食県現代日常郡死ネタ村カタルシス地区在住で年下攻の星に生まれたタイプの人間。だいたい何でも美味しく食べる文字書きです。

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💕 🙏 👍 🍻
    POIPOI 139

    狭山くん

    ☆quiet follow

    2022-07-17/空閑汐♂夏祭り17日目〜!!今日も可愛い空閑汐♂です!ヤッターーー!!!

    ##空閑汐BL
    ##静かな海
    ##デイリー
    #文披31題
    wenPhi31Questions
    #BL

    文披31題・夏の空閑汐♂祭:Day17 ずっしりと重いボールペンで、白い紙に黒い軌跡を残す。あまり上手くはない字が並ぶ紙を見て、空閑は満足気な笑みを浮かべていた。
    「何やってんだ」
    「改めて漢字で名前書いてみたんだけどさ、俺らの名前って海と空が入ってるんだなぁって思って」
     汐見天音、空閑宙海と縦に並べて書かれた名前に書き足すように傘を付けた空閑に汐見は「何やってんだか」と呆れたように笑う。しかしその笑みは呆れの色が混じりながらも満更でもなさそうで。
    「良いじゃん、相合傘。一度やってみたいな」
    「デカい男二人でやったらお互いにはみ出るだろ、合羽でも着てやるつもりか?」
    「それいいね!」
     皮肉るような汐見の言葉に大きく頷いた空閑に「もう何でもいい」と汐見は投げやりな言葉を放つ。この反応は悪くない、と空閑は口元に弧を描いた。
    「それはまた雨降ったら考えるとして、アマネの名前って見た目からして綺麗だよねぇ。夕暮れの海を見てたら天からの音が降ってくるって感じ?」
    「あまり気にした事ないな。縦書きにするとバランスは良いと思ったことはあるけど」
     空閑の手にしていたボールペンをそっと抜き出して、同じように――しかし空閑の書いたものよりも綺麗な字で余白に互いの名を書き連ねた汐見は「ヒロミの名前もバランス良いよな、縦書きだとほぼ左右対称で。海のアンバランスがアクセントになってる」と自身が書いた文字を真っ直ぐ見つめていた。
    「でも、ちょっと寂しい感じがするんだよね。字面かな?」
     弟は大地って言うんだけど、俺のは何か茫洋としているっていうか。そう重ねた空閑に、汐見は余白に今度は空閑大地と書き付ける。ふむ、と小さく唸った汐見は「大地、だと果てが見えるからじゃないか?」と首を傾げる。
    「宙海だと海と空が交わって果てが見えないように感じるだろ。だから茫洋としてるなんて思うんじゃないか?」
     重ねられた汐見の言葉に、空閑は成程と頷いて。晴れた日の青空と水平線なんて薄い青と濃い碧という色の違いでしかない。大地のように地平線と空がはっきりと分かれていたり稜線という区切りが海と空の間には存在していないのだ。
    「まぁ、俺はお前の名前のが綺麗だと思うけどな。果てのない空と海とその向こう、全部持ってるみたいで」
     俺は好きだぞ、お前の名前。上機嫌で口元に弧を描いた汐見の言葉に、空閑は自身の頬が熱くなっていくのを感じていた。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    💜💗💗
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works

    狭山くん

    TRAINING2022-07-01/文披31題夏の空閑汐♂祭始まるよ!!!!!そう言えば学祭の話って書いてなかったな〜って思ったので初夏は学祭の季節だろ!?と空閑汐♂には踊って頂きました。学祭で踊るタイプの男性アイドルユニット、うっかり某SとAを思い浮かべてしまった。地元じゃ負け知らずだぜ、アミーゴ。
    文披31題・夏の空閑汐♂祭:Day01 太陽は山の奥へと隠れ、空は紺青と朱による美しいグラデーションを見せていた。校舎の屋上から遠くに揺れる海原を見つめていた汐見は、屋上に巡らされた柵に凭れて大きなため息を一つ吐き出す。
    「おつかれ」
    「お前もな」
     からからと笑いながら疲れを滲ませた息を吐き出す汐見へと労いの言葉を掛けた空閑に、汐見は小さく笑い言葉を返す。卒業証書を受け取ってから数ヶ月、季節は夏へと差し掛かる頃で。互いに高校指定のジャージを纏う彼らは、次の進学先への渡航までの間をこの場所で過ごす事を決めていた。
     実家に帰るよりも、渡航までの約半年をこの場所で知識を深めた方が有意義だという結論に達したのは何も彼らだけではない。彼らよりも前に卒業していった先達であったり、同学年で本校への進学を決めている者の一部も同じような選択をしており――学校もまた、それを受け入れる体制が整えられていた。
    1208

    recommended works