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    ダッツを買いに走る/风无

    「相手のために、深夜のコンビニへハーゲンダッツを買いに走る方が攻」みたいな受攻判定?をツイッターで見掛けて、判定はともかく风息にも走ってもらおうと思ったやつ。
    ※同居時空风无

    ***


    「アイスが食べたい」
     そう无限が言い出したのは、まだ汗も引かない寝台の上でのことだった。夜更けの色をした髪を乱したまま、顔にかかるそれをいささか乱暴に搔き上げて息をついた无限は、その色めいた動作とは裏腹に実に子供っぽい顔で风息に甘味の買い出しを強請りだした。
    「ええ……今からか?」
     まだ服も着ていないぞと難色を示す风息は、しかし常日頃は无限から甘えられることが少ないため、つい元来の世話好きな性質を発揮してしまうのであった。
    「ハー○ンダッツのバニラがいい」
    「じゃあ俺はチョコだな……じゃなくて。買いに行くのは構わないが、お前、それまで起きていられるのか」
    「問題ない」
     キリと顔を上げた无限だったが、いつもなら情事の後は早々に寝入ってしまうものだから、风息は胡乱な表情になる。今はこんなことを言っているけれども、帰宅したら寝顔での出迎えになる可能性が高いだろう。
    「……まあいいさ、分かった。すぐに戻るから待ってろ」
    「うん」
     素直な応えも、こっくりと頷く様子も常にない幼さを纏っており、风息は无限の頭をくしゃりとかき混ぜて部屋を出た。
     終夜営業の店までは徒歩十数分、この時間帯なら出歩く人間もほとんどいないだろうから、多少派手に移動しても大丈夫だろう。


    「……やっぱりな」
     可能な限り急いで用事を済ませて帰宅した风息は、寝室へ顔を突っ込んで苦笑した。
     一応、起きて待っている努力はしたのだろう。无限は上体を起こしてベッドボードに寄りかかり、船を漕いでいた。
    (まあ想定内だ)
     冷凍庫にアイスを放り込んで寝室へ戻った风息は、无限の身体を横にしてやり自分もその傍らへ滑り込んだ。気配を感じたのか、うっすらと目を開けた无限の頬に口付け、ただいまと囁く。
    「ちゃんと買ってきたから、起きたら食べよう」
     今から食ったら腹を冷やすし。そう言い聞かせれば、无限はまたもや幼子のように頷いて风息の肩先にもぞもぞと頭を寄せた。
    「すまない。ありがとう……」
     律儀に詫びと礼を述べるあたりが无限だなと思いつつ、风息はくるりとその頭を撫でてやった。
     眠いのだろう、重たげに持ち上げられた无限の手のひらが、お返しとばかりに风息の頬を包んだ。
     外気に触れて少し冷えていた皮膚に、眠気を纏った高い体温がじわりと染み込む。
     风息は无限の温かな身体を抱き寄せた。
    「晩安、无限」
     起きたら、朝食には最近覚えたホットケーキとやらを焼くことにしよう。アイスを添えると旨いらしい。
     散漫な思考は、やがてゆっくりと眠気の淵へと溶けていった。
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    DOODLE続きはあとで/风无

    元宵節の例のイラストで気が狂って書いた风无でした。当時はまだ藍渓鎮で老君と无限が邂逅したところまで読めておらず、2人の関係を師弟だと勘違いしていたので、少しだけ手直ししました。
    帰宅後のお話を書きたくて書きかけて、もう数か月寝かせているのでいつかそのうち……。
    ***


     くん、とごく小さな力で頭を左斜め後ろへ引かれた。
     ちょうど湯呑みに唇をつけようとしていたところだったので、狙いの外れた飲み口から茶がこぼれそうになる。いや、なみなみと注がれていた中身は慌てて起こした湯呑みの動きについてこられず、少しばかりこぼれた。
     宙でふわりと球状にまとまった茶をさりげなく吸い込み、湯呑みを持ち直しながら无限は視線をちらと左肩の方へ流した。予想どおり、結んで後ろに垂らした自身の長い髪の、その先端を摘まむ指が目に入り、見ているうちにも二度、三度と房を引っ張られる。
     悪戯な指の持ち主を无限は無言で軽く睨んだ。风息、やめなさい。
     少し前までビールを水のように飲んでいたから、多少酔いが回っているのだろう。上体をゆるりと起こした风息は頬をほんのりと上気させていた。
     彼の右隣、つまり无限の左隣では、これまた機嫌良く酒を呷っていた玄离が、今は頭を垂れてうとうとしている。その背中越し、床に投げ出すように伸ばした右手で无限の毛先を弄びながら、唇の動きだけで「やだね」と応えるのが小憎らしいことこの上ない。

     頭を軽く左右に振るが、その程度では风息の手から逃れるこ 2504

    Lno_221b_ss

    DOODLEダッツを買いに走る/风无

    「相手のために、深夜のコンビニへハーゲンダッツを買いに走る方が攻」みたいな受攻判定?をツイッターで見掛けて、判定はともかく风息にも走ってもらおうと思ったやつ。
    ※同居時空风无
    ***


    「アイスが食べたい」
     そう无限が言い出したのは、まだ汗も引かない寝台の上でのことだった。夜更けの色をした髪を乱したまま、顔にかかるそれをいささか乱暴に搔き上げて息をついた无限は、その色めいた動作とは裏腹に実に子供っぽい顔で风息に甘味の買い出しを強請りだした。
    「ええ……今からか?」
     まだ服も着ていないぞと難色を示す风息は、しかし常日頃は无限から甘えられることが少ないため、つい元来の世話好きな性質を発揮してしまうのであった。
    「ハー○ンダッツのバニラがいい」
    「じゃあ俺はチョコだな……じゃなくて。買いに行くのは構わないが、お前、それまで起きていられるのか」
    「問題ない」
     キリと顔を上げた无限だったが、いつもなら情事の後は早々に寝入ってしまうものだから、风息は胡乱な表情になる。今はこんなことを言っているけれども、帰宅したら寝顔での出迎えになる可能性が高いだろう。
    「……まあいいさ、分かった。すぐに戻るから待ってろ」
    「うん」
     素直な応えも、こっくりと頷く様子も常にない幼さを纏っており、风息は无限の頭をくしゃりとかき混ぜて部屋を出た。
     終夜営業の店までは徒歩十数分、この 1077

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