Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    rikuo_kmt

    @rikuo_kmt

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 24

    rikuo_kmt

    ☆quiet follow

    激甘両思い鬼舞炭。転生現パロ。襲い受け。表に出すには少しセンシティブかなぁ程度で、一応こちらに引っ込めました。

     ふわ、と冷たい空気が肌を撫で、無惨は薄らと覚醒した。何か、いつもと違う空気を感じる。
     薄暗いベッドルームで寝ぼけまなこを開けば、すぐ目前にはふわふわとした赤毛があった。これはまさかと視線を更にずらせば、つるんとした額に特徴的な痣が確認できる。
     この痣、間違えようもない。炭治郎だ。
     無惨の腕の上に頭を乗せ、身を寄せるようにぐっすりと寝ている。そしてどうやら目元が赤く腫れている。鼻頭も。泣いた痕跡。
     炭治郎は目を閉じたまま、きゅっと体を縮ませ身じろいだ。寒いのだろう。気付けば布団は腰の辺りまで寄ってしまっている。
     腰。素肌が見える。恐る恐ると布団を捲れば、シーツ以外肌色一色だった。予感の通りにスッポンポン。炭治郎も、自分もだ。
     そうだ、ついに抱いてしまったのだった。
     無惨は昨夜の出来事を思い出した。


    「無惨……」
     熱に浮かされた顔の炭治郎が、腰の上に跨がる形で無惨を見下ろしている。ベッドの傍には脱ぎ捨てられた炭治郎の衣服。唯一残ったシャツのボタンをプチプチと外していく様を見て、押し倒されたままの無惨は低く唸った。
    「止めろ。服を着直せ」
     炭治郎は迷う様に一瞬手を止めたが、じわりと涙を浮かべると、シャツの合わせを引き千切る勢いで開いた。服がずり落ち半裸となるも、無惨が難しい顔をしたままなのを見てぽたりと涙を落とす。
    「俺、そんなに魅力がないのか? 無惨は俺の事、好きなんだろ。大事だって言ったよな? なのに一度だって手を出してこない」
     ベッドに投げ出された無惨の手が拾われて、炭治郎の胸の中心へと導かれた。
     興奮して熱を帯びた体温。
     ドクドクと、皮下で脈打つ命の音。
     押し付けられた素肌を通して無惨の掌に伝わってくる。
    「俺はこんなだよ。お前が欲しくて、ドキドキして、身体が熱いんだ。男の体が気持ち悪いなら目を瞑っててくれて良い。ちゃんと準備だってしてきたし、手間は掛けさせないから……だから……」
     ヒクヒクと鼻を震わせながら、言葉を絞り出している。
     炭治郎がこんなに思い詰めているとは思っていなかった。無惨は目前の出来事に、たった一つの脳で処理を追いつかせるので手一杯だった。

     無惨にとって、竈門炭治郎とは聖域のようなものだった。
     前世に求めた唯一無二。夢の具現。のみならず、今世においては過去をも飲み込み己の側に居てくれると言う。ただの日常が尊いものだと感じさせてくれた。心の在り方で無惨を照らす、太陽の如き存在。それが炭治郎。大事でないはずがない。
     大事、過ぎたのだろうか。体を繋げる所まで考えが及ばなかったわけではない。けれど劣情とは得てして醜い感情の発露でしかないと無惨は思っていた。これまでの経験が、そうだったのだ。そんなものを炭治郎に向けるなど。澄んだ湖面に汚泥を垂らす様な事をして、光が陰ったらどうしてくれる。そう思ってからは、無意識に欲に蓋をするようになっていた。そばにいる事が幸せだ。己に笑顔を向けてくれる事に、満足を得ていた。
     だが炭治郎はそうではなかったようだ。醜いと思っていた劣情を露わに、無惨の上でボロボロとみっともなく泣き顔を晒している。どうしてか炭治郎にもこんな欲があると思っていなかった。
     これは自分のせいなのか。無惨は眩暈を覚え、眼をパチリと瞬いた。
     手に触れた肌の感触、自分を求める涙声。準備の証を見せようと片脚を持ち上げて秘部を広げようとしたところで、理性は吹き飛んだ。か弱きものだった。感覚機能を直に刺激されたのだ仕方があるまい。むしろ今までどうして知らぬふりが出来たのだろう。
     紳士であった部分が吹っ飛んでから先、優しく、など到底無理だった。抑え込んでいた欲が覚醒し暴発し、激しく打ち付けてしまった。行為を望んでいたと言う炭治郎は、そんな無惨の求めに歓喜した。受ける側の痛みもあるだろうに、無惨の頭を掻き抱いて、それはもう淫靡に乱れてみせたのだ。腕の中の小さな身体に全身を包まれているような感覚。肉欲も心の交わりの延長なのだと、無惨はこの時初めて気が付いた。

     無惨の腕枕で眠る炭治郎を見て、今ハッキリと、そんな一部始終を思い出した。思い出してしまえば、再び身に熱が溜まるのを感じる。何せとても良かった。今までが我が人生においての絶頂と思っていたが、もう一段階上がってしまった。性行為って素晴らしいじゃないか。千年+アルファの時を経て、ようやっとその自覚に至った。
     名残収まらずギンギンにおったてている無惨のことなどつゆ知らず、炭治郎はすうすうと寝息を立てたまま、猫のように体を丸めて身を寄せてくる。素肌が空気に触れて寒いのだろう。絡んだ脚がぎゅうと締まって、無惨の股座に触れた。これはいけない。
    「……炭治郎、起きろ」
     ふにふにとした頬を指で遊び、低い声で呼びかけた。だが眠りが深いのか、くすぐったそうにムフフと口を歪めるだけで起きる気配はないようだ。脚は益々と絡みついてくる。
    「起きなければ……襲ってしまうぞ」
     炭治郎の睫毛が震えた。ように見えたが、やはり寝息を立てている。あれから結構な無茶を強いてしまったから、寝かせてやるべきか。だがやる気に満ちてしまったコレはどうするのだ。絡みつく肢体のせいで治まるものも治まらない。そもそもこの欲を自覚させたのは炭治郎なのだし、ここで襲い返しても許されるのではないだろうか。
     腰に乗せられた片膝を、ぐいと持ち上げてみた。むっちりとした腿の間に小さな窄みが現れる。昨夜は炭治郎が先に気を失ってから風呂で身を清めてやった。色事など無関係そうなそこに指先をつぷと差し込んでみると、ふわふわとした触感。昨夜の交わりから時間にすればまだ半日も経っていないのだから、柔らかいのも当然だった。緩々と浅いところを愛撫すると、規則正しかった寝息に乱れが混じる。
    「……、………ンぅ……」
     ゆるゆるとした刺激を続けると、眉間に力がこもり眉根が寄った。顔を無惨の腕に擦り付けるものだから、半分下を向いて隠れてしまった。寝ながら感じる顔というのも今しか見れないだろうに。見せて欲しい。体勢が変わるのを期待して、もっと奥へと指を進めようとした。肉の壁を押し退け、前立腺近くを刺激しようとして、ピタリと止める。
     ぴくん、と宙に浮く足先が動いた。

    「炭治郎、────起きているだろう」
     
     数秒の無言。炭治郎の瞳がゆっくりと開いた。少し濡れた眼差しが無惨の姿を捉えると、血色の良い頬を更に赤く染めた。
    「おはよう、むざん。へへ、すぐバレちゃったな」
     普段と比べればまだ随分と蕩けた様な声。胸に抱えた陽だまりが、幸せそうに目を細めて笑いかけてくる。その様子に無惨も顔が弛んだ。なんだこの戯れ方は。愛おしい。一方で、心臓がこれでもかと騒ぎ出した。あまり速く打つんじゃない。早死にするではないか。アアでも。これを前にして平常を保っていられるほど、自分は、幸せ慣れをしていないのだ。
     コメカミに力が入って相貌が崩れそうになるのを堪えた。込み上がる感情に表情筋が追いつかない。やめろ、ニヤけるな。好いた者の前で格好良くありたいと思う、ごく一般的な見栄。歪む口元を取り繕おうと、言葉を投げかけた。
    「お前、この状況で寝たふりとは。私を試したのか? それとも、あのまま襲われたかったか?」
     冗談混じりで問うてみた。そんなわけないだろ、なんて可愛らしくも生意気な口が返ってくるものと思っていたのだが。

    「……うん。無惨から来てくれたら良いなって、思っ」

     全てを言い切る前に、炭治郎の言葉は途切れた。
     これ以上心臓の鼓動を早められては、本当に死んでしまいそうだ。おかげで体温は上がりきってしまった。お前のせいだと分からせてやろうと、熱を乗せた舌を絡ませた。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    👏😭😍🙏👏💖🍼🍼🍼💒😭🙏🙏😭🙏🙏😭💘💘💘🌋💘💘🙏😭☺😭☺💖💖💖💖💖💖🙏😭🙏🙏🙏🙏💴💴💴💴💴💖💖💖👏💯💯☺💖💯💯💯💯🙏🙏
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works