キスの日(5/23)①
部屋の電気を消した部屋。真っ暗でなにも何も見えない。
だから、余計に『夢』の内容が胸に答えた。未練がましく頭に残る明るく愉快で緩く、どこかほっとするあの声。あの声で私の名前を予備他愛のない話をして、最後に、触れるだけのキスを落とす。
「ホントはもっとしたいけど、見てるやつがいるからね……」
残しておいたオヤツをダ・ヴィンチちゃんに食べられた様な、子供のようにひねた顔をして
笑った。記憶に残るあの笑顔に胸が苦しくなる。
「……また、会える?」
「立香ちゃんの希望は叶えたいけど、あとはあいつしだいかな?」
首を方向けて苦笑いをした。
「会えるの楽しみにしてる。」
たとてえ、この夢が「誰かの」まやかしだろうとも。本物じゃなくても。
お互いにっこりと笑い会う。ロマニのまわりはだけ、いや、ロマニを囲むように花びらは待って………。
目が覚めた。
②あまりにも突然、連絡もないその夢に私は枕に顔を埋めて声を抑えて叫ぶ。
幸せで残酷な夢。あなたに会えたのは幸せ。でも貴方はもういないーーーー。データの中の貴方しか居ない。
「…………主。」
さすがアサシンというべきか。音を立てることなく、聞き慣れた赤髪の少年のか細い声が聞こえる。
深呼吸して。呼吸を整えて、起き上がるのにも思いの外だるく、枕から顔を話て声の主を見る。
「ーーーこたろう。」
思っていた以上の情けない声が出た。それに胸が更に締め付けられる。
小太郎の手元には、いつの時代?っていう木の桶と、何か香りのいいものがした。
「少し寝汗をかかれたようです。体を拭くのをおすすめします。こちらは匂い袋で『かもみぃぃる』と言うのを薬草を乾燥させたのを、小袋に入れたものです。」
一通り説明するとサイドテーブルに置く。コップまで置かれている。
「ありがとう…。」
「御用のさいは、またお声掛けください。」
暗がりで顔はよく見えない。その姿が『誰か』と被る。背丈も違うはずなのに。立香は小さく「っあ」と声を出す。流石は忍者「どうかしましたか?」と立ち止まり、こちらを振り向く。
立香はゆっくりと起き上がり、顔を横にふり「なんでもない。ありがとう、小太郎」なんとか笑顔をつくる。
③
「自分は貴方の家臣です。気にせず頼りにしてください。それに僕が好きでやってることですので」
一瞬だった。小太郎は立香のベットのそばにより、布団から出されてる手をすくい上げて、唇を寄せる。
「こたろう!?」
「変わりになるとはいえません。ですが、私達は主を支えるのも一つの役割。気にせず、甘えて下さい。僕でもいい、燕青殿や柳生殿、水着マルタ殿や水着のジャンヌ様。ここには頼りになる人達ばかりですので」
俯き呟く小太郎に、立香は目を丸くして時間を開けて「そうだね」っと。
「それとも、主が寝るまでここにいましょうか?」
ふわりとわらう小太郎に立香は横に大きく振り「だ、大丈夫!何かあったら声をかけるから!!」と声を上げる。
「では、御用のさいはお呼び下さい。」
夜闇に慣れた目には、もう小太郎の姿は無かった。
④
「照れるなら、やらなきゃいいじゃねーか?」
立香の屋根裏で、同じアサシン仲間でここのカルデラでは古株の燕青が、顔を真っ赤にして戻ってきた小太郎に言う。
「くっ、まだまだ修行が足りない!!」
「そういうもんじゃないと思うけどなぁー。まぁ、俺がいくよりはいいと思うがな」
ケラケラと小さい声で笑う燕青に、じろっと座った目で小太郎はみる。
「ま、明日も元気なかったらマシュの嬢ちゃんでも誘ってシュミレーションで、たまにはのんびりしますか。」
脳天気な言葉に今は同意出来なかった。
↔↔↔↔↔↔↔↔↔↔↔
キスの日の小話。
画力が間に合わないので、文章を。いつか画力で(泣)
誤字脱字はご愛嬌です。
LBの間のお話。
ロマニは当然いません。
小太郎からは手が精一杯かなぁっと。燕青は髪、おでこ、手まではしそうだけど、それ以上は立香の気持ちがこちらに向かないとしないと思いたい。
うちのカルデラは初期に燕青が来たので、わりと燕青の主入れが強いです。
キスの位置については異論は認めます。