鶴の一声鶴の一声。
【注意】創作審神者がでます。やや刀さに(カラさに)要素があります。苦手な人はバックを。
とある初老の独身男性審神者とそこに預けられた見習い女子高生審神者の日々の話。
男性審神者の初期刀と近侍は歌仙。見習いは何かと伊達と仲がいい。
「鶴丸国永ぁぁぁぁー!!!!」
玄関から遠征組が帰還からの挨拶の声がする中、普段は聞くことない怒声が響く。その本丸の近似と厨房業務を兼任する歌仙兼定は「な、なにがあったんだい?」と慌てて玄関にと向かう。途中、本丸の主でもある初老の独身男性審神者が「すごい大声が聞こえたけど、あれはもしかしてカラちゃん?」と出会い頭で話す。
「声はそうだが、彼があんな大声上げることはそうそうないが。」
「だよね。鶴丸くんは何を一体したのか…。」
お互い顔をしかめながら玄関に向かう。
「鶴丸国永出てこい!首を差し出せ!!おまえだろ!そんなこと教えたの!?」
本日の遠征部隊は次郎太刀、祢々切丸、山伏国広、大般若長光(極)が、それは恐ろしい顔の大倶利伽羅を抑えている。そのそばで「冗談、冗談だから!!カラちゃん、ステイ」と自分もパニックしながら大倶利伽羅の止めにはいる少女が一人。
この本丸に時の政府から預けられた紅一点、見習いの女子高生審神者。
「…いや、言っていい冗談と悪い冗談があるよ、お嬢。」
「悪い冗談だ!!軽々とそんな言葉を人に、男性に言うな!!」
太鼓鐘の言葉に、さらに機嫌が酷くなる大倶利伽羅。見習い審神者は、荒れ狂う大倶利伽羅に「言わない!絶対に他の人に言わない!!」と半べそで答えている。
「なんだい、これは?」
「そーだねー、鶴丸くんが彼女に変なことを教えてカラちゃんは言った。でも内容が内容だからカラちゃんがブチギレした。ってところじゃないかな?」
歌仙の問に主の審神者が答える。
自分の保護者代理でもある男性審神者の声に、見習い審神者は慌てて保護者の後ろに隠れる。肩を息をしながら「鶴丸を、鶴丸を、鶴丸を差し出せ・・・。」大倶利伽羅はほの暗い目でブツブツを言う。それに男性審神者と歌仙は、見慣れない姿にぎょっとする。男性審神者は自分の弟子を引き寄せて肩に手を置き「とりあえず、玄関から離れよう」かと、困惑する弟子を自分の所作に連れて行く。
事の発端は些細な事だった。
場所を男性審神者の書斎に。保護者の審神者と見習い、近侍の歌仙と現場の証人として太鼓鐘と集まる。あの大倶利伽羅がキレた原因を話そうとするも見習いの少女は顔を赤くさせ、言いにくそうに口ごもる。隣にいる太鼓鐘がため息をついて「鶴さんがどこで覚えたのか、疲れた相手に『大丈夫?おっぱい揉む?』っていう冗談を言うのが流行ってるのを何処からか仕入れて、お嬢に聞いたんだって。」ほんのり頬を赤くさせて答えた。保護者達はすぐに答えにたどり着く。
「万死に値るする。」するりと般若よろしくの顔で言う歌仙に「歌仙、気持ちは十分わかるけどステイ。」と男性は止める。慌ててそれに見習いが続いて「私が自分から言ったの!だから、鶴さんはそこまで悪くない」と庇うも「・・・多分、うん。悪くないっと思う」と言葉がどんどんとにごる。「鶴さんが、今回の遠征でカラちゃんが疲れてるから、言ったら元気出るじゃないのかー?って。カラちゃんには何かとお世話になってるし、迷惑掛けてるから。」見習いの言葉に、歌仙の般若の顔がさらに酷くなる。最終的に「ヒィ!」と見習いが悲鳴を上げて口を閉じる。
男性の本丸では暗黙の了解になっているが、いつからかは不明だが、大倶利伽羅が見習いに審神者として守る対象以上、過保護すぎる重い感情を無自覚で抱えているのは皆知っていた。当の見習いは鈍いのか全く気付いてない。そんな刀にそんな言葉をかけたら、そりゃキレるだろうなぁっと皆で納得する。
「とりあえず、その言葉は不用意に言っちゃいけないよ。同性の友達とかならいいけど、異性は良くない。特にうちの刀剣男士たちは言っちゃは行けないよ。」
男性の言葉に見習いは、ぶんぶんと音がなるぐらい首を縦に振り「言わない。絶対に言わない!」と。
保護者と保護者の近侍に念を押しをされて、しゅんと気持ちを落としながら太鼓鐘と見習いは書斎から出る。
「ダメなのはわかるけど、カラちゃんにはいつもお世話になってるから、何かしらお礼したかったんだけどなぁ。」
「にしても、お嬢、あれはダメだ。今度、みっちゃんと一緒に考えよう。」
書斎を出て廊下を歩く中の会話。
「そうだね!さだちゃんとみっちゃんなら、今回みたいなことにならないしね!」
「お嬢は、変な所で素直だからなぁ。鶴さんに唆されちゃダメだ。鶴さんが変な事言ったら、俺らに相談して。」
「そうする。後でカラちゃんに謝らないとね」
苦笑する見習いに太鼓鐘は「俺も一緒に行く。」と。
太鼓鐘の独り言。
普段無愛想なカラちゃんがの驚愕した顔は見ものだったな。その後、すぐにキレて鶴さんの名前を呼んでたなぁ。これでお互い気付いてないとか、もどかしい事、この上ないなぁ。にしてもカラちゃん、ちょっと嬉しそうな気がしなくもないと思ったんだけどなぁ。でもそれを言ったらまたカラちゃんキレそうなだぁ。複雑。
続かない。鶴さんのその後はカラちゃんと馬当番か畑当番でこき使われてるんじゃないですかね。
クールで無愛想な男が、明るく鈍感な少女に振り回されるのが性癖です。
元々お題からですが、カラちゃんに鶴さんの名前を叫んで欲しかっただけです。
読み直したら2人とも絡んでないねw期待した人、ごめんなさいw