「ウィリアムズ、荷物届いてるぞ!」
外回りを終えて署へ戻ると、同僚から声がかかる。
「ありがとう」
いったいなんだろう、と思う時期は過ぎている。おそらく、彼からの荷物だ。
自分のデスクへ向かう。そこに置いてあった荷物には果たして流麗な筆致でサインされていた。
自宅ではなく職場へと自分宛の荷物が送られてくることに、最初の内は当惑していたものの、最近は慣れてしまった。実際、自宅に戻らないことも度々あるから、受け取りの手間を考えたら効率の良さは段違いだ。
同僚や後輩から不思議そうな眼を向けられたのははじめのうちだけで、月に一度か二度送られてくる荷物に対して誰も何も言わなくなった。中身が食材と手紙だと説明してから、色気がない話だと興味を持たれていない。
2575