life「……あ」
それは、秋の夜の肌寒さに負けるように入ってしまったコンビニでのことだ。
―わり、ゼミが長引いてるから先帰っててくれ―
そんなメッセージが届いたのはつい先ほどのこと。そもそも取っている授業が違うのだから、一緒に帰る必要もないのだ。どうせ帰る場所は同じだし、今日は行きつけのスーパーが安い日なわけでもない。相変わらず律儀だな、と思いながら雨竜は「了解」と簡単に返事をして携帯をしまった。
ひとりで帰るのは久々で、まっすぐ帰るつもりだったのにアパートの近くにあるコンビニに、習慣のように入ってしまった。一護はいつも、このコンビニであれやこれやとお菓子を買うのだ。
雨竜にお菓子を買うつもりはなく、ただ入ってすぐに出るのもおかしな気がしたのでぐるりと回って見る。店内はすっかり秋限定の商品が並んでいる。
2147