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    Haruto9000

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    2017年から書いていた「クー・フーリンが女性だったら」妄想をこっちにも載せます。いずれオル槍に至る予定。
    ※FGO第1部のみの情報で書いていたので、設定ズレなどはご容赦ください。

    【あらすじ】
    マスター(ぐだ子)は、ランサークラスの英霊召喚を試みる。
    現れたのは、ケルトの英雄クー・フーリン。
    ところが、カルデアにいるクー・フーリンたちと違い、新たにやってきた英雄は"女性"で…!?

    #オル槍
    spearWithCurvedCross-blades
    #女体化
    feminization

    ミラーリング #1(カルデア編) じゃら、とマスターの手に抱えられた聖晶石が音を立てる。
    「じゃあ、いくよ、マシュ」
    「はい、先輩!」
     そばでは、祈るように両手を組んだマシュが固唾を飲んで見守っている。
    「今度こそ……今度こそ麻婆豆腐以外のものを召喚するからね」
    「はい、先輩!」
    「毎日毎日フリクエを回って……長かった……ようやくここまで……」
    「はい、先輩! 今度こそ、きっと大丈夫です! 英霊のどなたかが、先輩の呼びかけに応えてくれますよ!」
    「やっと集めたこの血と汗と涙の結晶……頼むよ! おりゃ!」
     マスターは、虹色にきらめく石を召喚サークルに投げ入れた。

     くあ、とオルタナティブのクー・フーリンはあくびをした。
     血走った目で「石を集める」と言ったマスターに付き添い、数時間前までレイシフト先でひたすら獲物を狩っていたのだ。帰ってきてからはずっと寝ていたのだが、まだ眠い。
     廊下をだらだらと歩いていると、向こうからスカサハとプロトタイプのクー・フーリンが一緒に歩いてくるのが見えた。
    「あっ、オルタのオレ!」
     プロトが手を振る。適当に「おう」と返事をすると、スカサハが顔を覗き込んできた。
    「ふむ、随分と気が抜けた顔をしているな」
    「さっきまで寝てたからな」
     ふあ、と再びあくびをする。目に滲んだ涙を雑にぬぐう。
    「ケルトの戦士たるものが、たるんどるぞ。どれ、今からこちらのセタンタに修行をつける予定だが、おまえも一緒に鍛えてやろう」
    「いや、俺はいい」
    「えーなんでだよ! 一緒に手合わせしようぜ!」
    「キャスに呼ばれてる」
    「へ、年食ったオレ? なんで?」
    「知らねえ。なんか気になることがあるとかなんとか──」

    「どええええええええええええええええ!!!???」
     
     響き渡った大声に、三騎の顔つきが一瞬で変わる。
    「今のは……」
    「マスターの声だ」
     スカサハがいち早く廊下を蹴った。その後について、プロトとオルタも走り出す。
    「敵襲か?」
    「それにしちゃ警報は鳴らなかったけど」
    「マスターは召喚室にいたはずだが……ランサークラスの英霊を呼び出したい、などと言って──」
     目にも止まらぬ速さで三騎は召喚室にたどり着いた。空気にたゆたう魔力の濃度に、サーヴァントが召喚されたことを察する。
    「マスター! 何があった!」
     煌々と光が漏れる部屋にスカサハが乗り込む。
    「師匠! おまえらも」
    「キャスターのセタンタ……? どうしておまえがここに。マスターは?」
    「オレもあんたらと同じ理由。異変を感じて、それで──」
     オルタのクー・フーリンは、ぐいと首を伸ばして部屋の中を覗き込んだ。
     召喚サークルの前にマスターとマシュが立ち尽くしている。どうやら、マスターたちは無事だったらしい。では、いったい何が?
     召喚サークルから光が漏れ出している。サークルの中央に人影が立っていた。間違いない。英霊だ。
    「よう!」
     ドン! と何かが床に打ち付けられ、オルタは目を細めた。棒のようなものだ。いや、あれは……槍?
    「サーヴァント、ランサー! 召喚に応じ参上した!」
     威勢のいい声とともに、人影は召喚サークルから足を踏み出した。光が薄れていき、姿がはっきりと見えてくる。
    「嘘だろ」
     隣でキャスターがつぶやいた。オルタも自分の目を疑う。
     英霊は、目を丸くしたまま動けないでいるマスターを見下ろすと、目線を合わせるように体を折り曲げてニカッと笑った。
    「ま、気楽にやろうや、マスター!」
     硬直したマスターが、ちらりと目線を下方に向け、そして目の前の顔に戻す。
     あまりにも見覚えのある赤色の瞳。さらりとした青い髪。どこかで見たことがあるような霊装。
    「あなた、クー・フーリン?」
    「なっ、オレまだ真名は名乗ってねえぞ!? え、なんでわかったんだよ。だって今までの聖杯戦争じゃ、そんなすぐには──」
     言いかけて、ランサーのクー・フーリンはキャスターに気づいた。あれ? という顔になる。その隣のオルタに視線が移る。そして、その隣のプロトにも。
     オルタは言葉もなくその姿を見つめた。
     色こそ同じだが、自分たちよりも長いまつ毛。赤い唇。そして何より、存在するはずのない、胸元の膨らみ。
     マスターがポツリとつぶやく。
    「……女?」

     カルデアに召喚されたランサークラスのクー・フーリンは、女性だったのである。
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