半同棲寛七(書きかけ) ─今夜準備して待っていますので、
年下の恋人からのメッセージはいつも簡素であった。しかしこれほどまでに衝撃を与えてくれるものもない。
─酷くしてほしいです。
たった一文が日車の頸部から後頭部までぞくりとさせる。真昼だというのに心は既に夜へ飛んでいく。明日は日車と七海の休暇が二週間ぶりに重なる日だった。
東京からは少し離れていたが、既に任務は終えている。駅で土産を購入、新幹線の中で報告書をまとめつつ移動、高専で報告書を完成させ口頭での報告とともに提出……書類の不備や追加の事務処理があったとしても夕方より前に帰宅できる完璧なシミュレーション。日車は乱れてもいない髪を上から覆うように掌で押さえて整えた。ハラリと小さな雪が甲に落ちては溶けていった。
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