Recent Search
    Sign in to register your favorite tags
    Sign Up, Sign In

    nameko135

    @nameko135

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 79

    nameko135

    ☆quiet follow

    毎日納占11日目。ご飯を食べる話。

    #納占
    nana

    ごはんを食べよう11 イソップの言葉に、イライが笑う。
    「じゃあ、私のと交換しようよ。……ああでも、少し溶けちゃってるから……」
    「交換しましょう」
     食い気味に口にした言葉に、自分で驚く。
     イライの方も、目をぱちぱちと瞬いている。
    「イソップくん、変わったね」
    「変わりましたか?」
    「うん。イソップくん、人の手のついたもの苦手だと思ってた。忘れてたくらい、馴染んでたけど」
    「それは……」
     イソップは少し考えて言った。
    「それはきっと、相手があなただから、だと思う」
    「私?」
    「はい」
     イソップは頷いた。
     箸で海老天をイライの鍋に移動させる。イライは少しのうどんと出汁を小鉢に入れて、その上に海老天を乗せてよこした。
     箸の使い方にも、ずいぶん慣れた。それだけの時間、ここで過ごしている。
    「僕は……イライのものだから、平気なんだと思う」
     人が苦手で、社交が怖くて、そんな自分に手を差し伸べてくれたイライを好きだと思った。
     イソップはイライに恋をしていて、だからその全てを許容できるのだと思う。
    「そっか……照れちゃうね」
     言って、イライが交換した海老天に口をつけたのを見て、イソップももらったうどんを箸でつまむ。
     出汁の味がふわりと広がって、少し甘いような気がした。
     衣がとろとろになった海老天が出汁と相まって美味しい。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works

    recommended works