重複してもいいじゃない「二周年祝いにまさかの主から菓子をもらってしまったわけだが……」
「あの面倒くさがり主がよくやってくれたよね」
「こら清麿!」
事実じゃない、と笑いながら、歪な形のチョコチップクッキーを齧る親友に水心子は返す言葉がない。彼のいう通りであったからだ。自分達の主は、料理は外食、テイクアウトが基本。菓子は買うもの、というスタンスであり、本丸で刀剣男士たちが作るご飯に常に涙しながら食べるような人間である。
曲がった線の三角形のクッキーを一枚手に、水心子は恐る恐る口をつけた。ざく、と砕けパラパラと粉が落ちるのにあーーと遠い目をする。あとでコロコロをかけなければ。あれはいい、スイッチもなく、電池もいらず、一目で使い方がわかる。
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