恋の卵 朝起きたら歯を磨いて顔を洗って、それから2人分のお弁当作り開始。これは中学生に上がってから出来た習慣、キッカケは焦凍が俺が作った遠足のお弁当を美味しいって言ってくれたから。
(そうでなくても作っていた)
俺達が幼稚園に通っていた頃までは元気だった焦凍のお母さんは数年前に病気で入院し、以来焦凍にはお弁当を作ってくれる人がいない。お母さんのことは何も言わないけれど、きっと焦凍は寂しいだろう、だから少しでも焦凍が喜ぶようなメニューを考えるのが俺の日課だ。
(季節はイースター、男子中学生が喜ぶ卵料理といえばスコッチエッグ、これでお弁当の主役はキマリだ)
我ながら手際よく仕上げまで漕ぎ着けられ、あとは詰められるようになるまで冷やすだけ…って、焦凍からのLINEだ。何だろ、
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