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    レニ/右爆/轟爆
    眠れぬ夜の小さな図書館

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    轟爆/雄英生

    #轟爆
    bombardment

    自白剤 インターンから戻ってみるとハイツアライアンスのリビングが騒然としている。何かあったのだろうか、皆の視線を集めているソファーの一角を覗き込むとそこには馴染みのあるフサフサした金色の髪と白い肌、その白い肌がややピンク強めに見えるのは照明のせいだろうか?それにしても、

    (爆豪にしては珍しいな?)

    こんな風に大勢がいる所で横になるなんて、警戒心が強い爆豪がするとは思えない。それに照明のせいかと思ったピンクは近付いてみると上気しているよう、特に頬と鼻の頭が紅くなっている。風邪でも引いたのかと思ったその時、

    『かっちゃんは潜入捜査中、自白剤を飲まされたんだ。その成分はアルコールに近くて、つまりかっちゃんは今酔っ払ったと同じ状態なんだって』

    『うっかり嘔吐して窒息したら大変だからな、こうしてリビングで様子を見ているんだ』

    なるほど、ことの次第は何となく解った。それなら爆豪が全体的にピンクに染まっていることも、その表情に常日頃あるはずの眉間の皺がなく、結果ぐんと幼く見えるのも合点がいく。

    『何か爆豪可愛いな』

    だよねーっと声を揃えるのは女子達、だが酔っ払っているというのはどういう状態なのか、実は苦しかったりするのかを確かめるため顔を覗き込みながら声を掛けると色素の薄い睫毛がゆらりと持ち上がり、濡れて蕩けた紅い瞳と目が合う。それは見たこともないくらいの蕩け具合、あまりに美味しそうなソレを前に俺は思わず生唾を飲み込んだ。

    その柔らかそうなピンク色の唇が小さく開き、

    『しょうと』

    紡がれた言葉は今まで一度も聞いたことがない俺の名前。呼ばれて初めて解ったけど名前を呼ばれるのはすげぇ嬉しい、コレからは焦凍って呼んでもらおう、じゃなくて、

    (爆豪は今正気じゃねぇんだ、自白剤の影響は精神にも作用していてるはず…!)

    お前大丈夫なのかと言おうとしたその言葉は、爆豪の視線によって遮られる。紅い瞳を猫みたいに大きくして繁々と見つめられ、どうしたものかと思っていたら頬に手を当てられ、次に投げかけられた言葉は、

    『ツラがいいにも程があるだろ』

    そう言って頬をますます赤らめる。待ってくれ、それも今まで一度も言ってもらったことない、でも、

    『そうか、そう思っていてくれたのなら嬉しい』

    可愛過ぎる恋人を力一杯抱き締めてキスをしてから、クラスの奴らが見ていることに気が付いた。

    +++

    『痛ってェ…』

    頭が痛くて目が回る。確か自白剤を飲まされたんだ、無理やり口に含まされ、それから拷問されそうになった所で潜入捜査は失敗と判断し、個性を使って脱出して、それから、それから…

    (ここはハイツアライアンスか)

    そこは轟の部屋で、俺は布団の上に寝かされている。そしてその轟はというと俺の身体に覆い被さり何やら神妙な顔をしている。どォした?とは訊かない方がいい顔だ。それにまだ頭が痛い、ここは寝たフリをするか、

    ふと轟の手が俺の身体の一定の場所を撫でていることに気が付く、そこはヒリヒリするけれど轟の手で冷やされると気持ちイイ。

    (そっか、ソコは拷問の道具を取り付けられた場所だっけ)

    暴れた時に痕がついたのだろう。ということは、この神妙な顔は心配のあまりってことか。俺なら大丈夫だってのに、心配するなっていつも言っているのに舐めてンのか?って、何で際どいところまで触っとンだ。あァ、そういやズボン脱がされたっけ…何されたか覚えていないけど、そんな所に触れるとしたらヤられるシチュしか考えられねェ、現に俺が誰かに喰われてないかを確かめようと轟の指が俺の尻の間に滑り込んでくる。

    (何もされてねェ…って言い切れるのか?いやそれよりもう寝たフリなんてしてる場合じゃねェんじゃ)

    ムカつくけれど轟の馬鹿力には勝てない、コイツに火が付いたらどうなるかはイヤと言うほど解っている。俺は覆い被さる轟の身体に手を伸ばし、まずは風呂に入りたいとお強請りする。公共の場所に移動すれば轟も一旦は落ち着くはずだ、そう思ったのに、

    『何で堂々と廊下歩いとるンだ?!』

    いわゆるお姫様抱っこをされたままクラスの奴らの視線をものともせず歩き、あれよあれよと脱がされ風呂場に連れ込まれてしまったの、一体どうなっとンだ、俺達が付き合ってることは内緒にしとくんじゃなかったのかよ?!

    『ああ、それならもうバレた』

    バレたって何時だよ俺は知らねーぞ、

    『爆豪が皆んなの前で恋人自慢なんてするからついキスしちまった』

    恋人自慢って、俺がそんなことするわきゃねェだろ!

    『爆豪、俺の顔好きなんだってな』

    好きじゃねェわ、って、アッ指入れンな、

    『傷は付いてないみたいだ、爆豪、いや、勝己のここは狭いから無理に何かされたら裂けちまうもんな』

    その狭い所に毎度容赦なくぶっといのブチ込んでくるのは誰だよ、

    『本当だ、視線合わせながらだと締まるのな、俺も勝己の可愛い顔見てると膨れちまうの、おあいこだな』

    『何がおあいこだ俺ばっか苦しいヤツじゃねーか、それよりこんな所でデカくするなやするなら部屋にしとけ!』

    なんて言ったばかりに部屋に連れ込まれてめちゃ抱き潰されてしまったし、気が付いたら焦凍呼びさせられてたの、何でだ?


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    DONE轟爆ワンドロのお題「触れる」でハロパロ轟爆おにしょた。【熱に触れる】



    ふっ、と右腕に何かが触れた。

    途端、男の集中力が途切れる。文字を追っていた意識を膝上の紙面から引き剥がして、焦凍は軽く瞬いた。
    秀麗な面差しを彩る長い睫毛が、読書に没頭していた余韻を払拭するように、一度、二度、空気を奮わせる。次いで、読書を中断させた要因を探すべく、紅白に分かれた髪の合間から、オッドアイの視線を動かした。
    目線を流した先、ぱたん、ぱたん、と金糸雀色の尻尾を揺らしながら、画集に夢中になっている幼子の姿が目に入る。
    豪奢なソファの上。男の右側から拳ひとつ分の距離を開けた座面に深く腰かけながら、半年程前に拾い上げた人狼の子供が、一心不乱に色鮮やかな挿絵を眺めていた。
    紅玉の瞳が、画集の中で展開される見知らぬ光景を前に、キラキラと鉱石のように輝いている。滴る血潮よりも尚、吸血の渇きを誘発するその瞳に、すうっとオッドアイを眇めながら、だが焦凍は手を伸ばすことなく、静かに幼子の姿を見守るに留めた。
    ツンツンと跳ねる尾と同様の髪色の合間からは、黒褐色の獣耳が覗き、書物への好奇心を示すように、元気よくピンと前向きに立っている。尻尾は、恐らく内心の興奮が無意識に発 2521