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    eikokurobin

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    レニ/右爆/轟爆
    眠れぬ夜の小さな図書館

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    轟爆/プロヒ/女装

    #轟爆
    bombardment

    バッティング『潜入捜査だァ?』

     何だよ、スーツにサスペンダーなんてしてかっこいいじゃねーか、と思ったけれど口にするのは恥ずかしいからそれ以上は突っ込まないで、横目でチラリと眺める程度にしておく。だって俺が轟にときめいているのがバレたら速攻ベッドに連れ込まれること確定、すると明日には吸ったり噛んだりした痕だらけになっちまうから。

    (明日は俺だって囮捜査があるんだ、それまでは身体を綺麗に保っておかないと)

     何しろ俺の役割は金持ちに買われる男娼、身体が商品になるわけだからここは清らかな身体でいなければならない。案の定その夜も抱きたそうにしている轟を何とか寝かしつけて、その翌朝。今時の人身売買のオークションは普通にスーツでいいと聞いていたのに、ターゲットの好みがチャイナと聞いて俺の服装はチャイナ服。

    『ってか、これ、女物じゃね?』

     女装した男が好きとか、一体どんな変態に俺は買われるんだ?!そもそも何でいつもこういう際どい役ばっかり俺に回ってくるんだとぼやいては、現状うちの事務所では俺が一番下っぱだし、不本意ながら女装に向いている体型とやらも俺しかいねぇし、と自分に無理やり納得させて女装する。

    『髪はウィッグにしてツインテールにシニヨンを付けて』

     何だ、寮にいた時エリによくやってやったやつか、

    『花飾りはこれを』

     君は本当に何でも一人で出来てしまうのだね、と褒められてまた不本意だと思うがもう口答えする気力もない。最後にルージュを引かれ、出来栄えを鏡で確認すると、ぱっと見は自分でも自分だと判らないくらいの変装ぶり。まあ、普段マスクをしているとはいえ、大・爆・殺・神ダイナマイトの顔も多少は知れてきているからこれくらいの変装はしておいた方がいいか、

     そう思いながらオークション会場の裏方部屋に連れられ、早速デケェ鳥籠に入れられて拘束され、頭と身体の動きが緩くなるガスを吸わされ、弛緩する身体をこれまたデケェクッションの上に沈めていると、誰かが入ってくる音がする。スーツ姿の男が二人、拳銃のようなものを持っているが持ち方がなってねぇ、ということはあの拳銃自体はオモチャで、個性を持っていることを隠すちょっとした演出といったところか。つまりは奴らはヒーローで、この怪しげなオークション会場を潜入操作しにきたってわけか。

    ン?

    待てよ、潜入捜査って言えば轟も今日は潜入捜査しているハズ。スーツ姿にサスペンダー、あのサスペンダーはもしかしたら拳銃を収めるホルスターを引っ掛けるためのもの…?

    (そこにいるのは轟だったり)

     自慢じゃないが俺の予想はよく当たる、案の定そこにいるのはウィッグで髪の色を隠した轟で、こんな姿を見られたらとてもじゃないが大変なことになっちまうから俺はなるべく顔が見えないようにクッションに沈み、できれば人形とでも見間違えてくれたらと願うのに、

    『あんた、大丈夫か?』

    大丈夫だわ、っていうかテメェに見つかった時点で大丈夫じゃなくなるわっ!と叫びたいけれどここは声をだしたら負けなやつ、俺はじっと眠ったふりをしているってのに、轟のやつときたら素手で鳥籠をひん曲げて入ってきて、それからしばしの沈黙の後、

    『爆豪?』

    何で俺だって特定できんだよ、ちょ、

    『触るなって、俺は商品なんだぞっ、完璧に仕上げたのを乱すなっ』

    って、あーあ、喋っちまった、テメェのせいで囮捜査が台無しになるだろうがっと睨みつけては見たものの、俺の何倍も怒った顔した轟を前にして思わず背筋が凍ってしまう。更には、

    『今日はたまたま仕事の現場が重なったからこうして発見できたが、もしかして今までもこんな仕事をしていたのか?こんな綺麗な姿で、こんなエロい顔して』

     轟の怒りを抑えきれない語りが追い討ちをかけ、俺は思わず後ずさるが所詮は鳥籠の中、出口は轟に塞がれて逃げ場はない。こんなの囮捜査よりもずっとヤベェ、おまけに俺はさっき怪しげなガスを吸わされて殆ど抵抗できないってのに、

    『らいじょうぶらって、後はじーにすとがぜんぶ立ち回ってくれっから』

    『じゃあ商品がひとつくらい無くなっても平気だな、それに俺の仕事はオークションに出された盗品を出品される前に奪い返すことだから理に適っているだろう?』

     こうして俺は抵抗できないまま轟に抱き上げられて保護という名のお仕置きタイムに突入。普段はとろくさいのにこういう時だけは素早くジーニストと交渉したらしい、事務所に戻ることなくそのまま家にお持ち帰りされてしまった俺はこのあとどうなってしまうのか。

    『乱されたくねぇんだったな、なるべくその姿のままで良くしてやるから安心しろ』

    っていい面でにっこり笑うのやめろって、余計に身体が反応してしまうだろーがっ!



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