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    みおたす&毒澪

    過去に書いたやつ、新しく書いたやつをぽいぽいしていきます。
    好き盤中心ですが、たまに2次元絵も投げます。

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    みおたす&毒澪

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    うちのモ擬(メルゼナ♂)×モ擬(ゴアマガラ♂)のお話。
    モ擬のお話は初書きですす。

    #M+のモ擬モ擬腐るぅつ

    月夜の逢瀬は突然に。城塞高地にある廃墟群を抜けてさらに奥へ奥へと進むと、人間が立ち入る事がもう無いであろう古ぼけた教会が姿を現す。

    所々劣化し割れてはいるが、
    鮮やかなステンドグラスの窓からは優しい月明かりが差し込み穏やかな光を中へと届けている。

    その教会に、両膝を付いて手を組み
    祈りを捧げている者がいた。

    薄紫色のヴェールを被り、漆黒を纏いしは
    名をゴーシュ、と言う。

    気の遠くなるような年月を経て膨大な知識を得ると一部のモンスターは人に化けることが可能となると
    言い伝えがあるが、それは本当の事らしい。

    ゴーシュもまた、ゴアマガラというモンスターだ。

    遥か遠い異国より兄のシャガルマガラと共にこの地に降り立ち、住み始めた。
    モンスターとはいえ、元より優しい心根の持ち主だったゴーシュは他者の平穏と幸せを祈りながら、日々を過ごしている。


    するとゴーシュがふと顔を上げて振り向く。
    上げた顔にするりと手が伸びてきてヴェールをゆっくりと捲られ、そのまま唇に何かが触れた。

    ちゅ、ちゅ、と繰り返されるそれはどうやら口付けのようで。。


    「ふふ、御機嫌よう、ゴーシュくん」

    「ゼノンさ…ぁ…、」

    「祈りを捧げている君の美しさに見蕩れていたのだが…、やはり愛しいものには触れたくなってしまうのだね」

    そう言うとまた、ちゅ、ちゅう、と唇に口付けられるが、ゴーシュは嫌がることも無くされるがままになっている。

    ゴーシュに口付けを落とす彼もまたモンスター。
    城塞高地の王域三公に名を連ねるはメルゼナ。
    メルゼナのゼノン、と言えばモンスター界隈だと
    その名を知らない者は無いほどだ。

    彼は人間でいうとお貴族様なのだが
    それは言動や振る舞いのみでありどちらかと言うと研究者に近い。
    知識を得る事を何よりの悦びとする変わり者。

    そして、今の状況から察して頂けると思うが
    ゼノンはゴーシュに恋をしている。
    それも熱烈に。

    だがそんなゼノンから繰り返し与えられる口付けに
    光の届かない真っ黒な瞳はゆるく瞬きするのみ。

    ゴーシュは生まれつき目が見えないのだ。
    それはゼノンも知っている。

    だが、そんな漆黒色をした瞳に魅入られたかのようにゼノンは何度も何度も口付けをする。

    そのうちに唇は離れ、ゼノンはかぱ、と口を開けてゴーシュの首筋へと顔を近づけていく。


    「…ゼノンさん、痛いのは嫌です」

    「!…おっと、つい我を忘れていたようだ。怖がらせてしまったかな…すまないね」

    「怖くは、無いですけど」

    ゴーシュは、目が見えないからこそなのか、
    相手の位置を把握したり、何をしようとしているのかを勘づく能力に長けている。

    先程、ゼノンに振り向いたのも、
    今、首元を両手で抑えてゼノンを止めたのも、
    その能力のおかげだ

    ゼノンはこほん、と小さく咳払いをするとまたゴーシュの頬に愛おしそうに触れる


    「…では口付けなら、よろしいかな?」

    「……あ…はい、どうぞ」

    「では…少し、…深く頂くよ♡」

    「!…んぇ、…っ!」


    そして彼はメルゼナ。
    つまりは、他者モンスターの血を啜る…筈なのだが
    ゼノンは血だけではなく、体液ならなんでもいいらしく…それは唾液も同じこと。。

    先程のような触れ合うだけの口付けではなく、
    にゅるり、と舌を絡める深い口付けにゴーシュは思わず戸惑った声をあげる。

    (…これ、苦手なんだけどな…。)

    にゅるにゅるとゼノンの長い舌が咥内を
    掻き混ぜ、舌同士が絡みあい、
    上顎部分を、歯列を、つぅ、と舌でなぞられる。
    その度に、ぞくっ、ぞくっ、と身体に何か不思議な感覚が起こるのだ。

    「…っんぅ…ッ、ふ…っ、ぷはっ、ぁ、ぜの、さ…ッ…あ、んんッ!」

    「ン…♡」

    一瞬、口が離れるも、またぬるりと舌を絡められてゴーシュは思わずぎゅう、と
    ゼノンの肩に置いた手に力を込めた

    その手に気づいて、ゼノンは口付けを続けたまま、ゴーシュの手を自分の首元へと回させ、
    自分はゴーシュの背中側に手をやり、
    腰あたりに片手を添え、ゆるく撫でさする。

    腰を撫でられてさらにゾクゾクが強くなった頃に
    ちゅぱ、と唇が離された。

    ゴーシュはぺたん、と女の子座りで床に手をついて荒くなった息を整えた。


    ゼノンはとても満足そうな、恍惚とした表情で
    舌なめずりをすると最後にもう一度、ゴーシュの唇に軽く吸い付く。

    「…ゴーシュくん…名残惜しいがそろそろお暇しなくては……また君を堪能しに来るよ♡」

    「…っ、ん、…」

    目元を両手で覆われて、チリ、とした痛みが首筋に走り、眉を顰めた後にはゼノンの気配が消えていた

    いつの間にか、月明かりは朝焼けの光に代わっている。。


    神出鬼没、とは彼の為にある言葉ではなかろうか。

    1人残されたゴーシュは口付けの余韻に口元を抑えつつも立ち上がり、ヴェールを被りなおす。

    ヴェールの隙間から覗いた耳が赤らんでいたのは
    口付けによる酸欠からなのか
    はたまた違う理由なのかは、まだわからない。。



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