出会い共に愛を知る高銀離れたくないのに銀時を生かすため手放さなければならない高杉×高杉のために身の危険を顧みない銀時
高杉→(仮)国の王。賢君とも呼ばれる程の民に愛される王。民を慈しみ貴族らを統率するため日々励む。銀時と出会うことで、王としてではなく、男としての意志が生まれる。
銀時→民の一人。見目の麗しさから高杉への献上品に仕立てあげられる。民にはたいそう愛されていたが貴族らには命を狙われる。高杉と出会うことで、女としての自覚が生まれる。命を狙われる理由は、人並外れた美貌を持ち、更には博識な頭脳と才能に恵まれた国の根幹を揺るがす要注意危険人物と認識されてしまったから。貴族らにとって銀時は命の危険を脅かす邪魔な存在。毒殺や刺客による暗殺事件によって身体が弱っていくが巧妙に隠し通し、最期は長生きも出来ず流行病によって息を引き取る。
ー出会いー
「売られたか…悪いな、こんな目に合わせちまってよォ」
「…いえ、いくら王様が賢君と呼ばれる技量をお持ちでも、全てを完全に制することは難しいこと…これも私の運命の一つ、恨んでなどおりません」
「…そうかァ……お前、名はなんだ」
「…銀時、でございます」
「銀時、か。気に入った。まァ、よろしく頼まァ」
「はい」
ーきっかけー
「銀時」
「松陽っ!!」
「あれは……」
ーーー
「銀時ィ」
「はい、なんで御座いましょう」
「松陽先生とはどういう関係だ?」
「は、っ、それはどういう意味でしょうか」
「昼間にお前が松陽先生といるのを見てなァ、お前、あんな風に話すんだなァ」
「っ…」
「別に咎めちゃいねえよ。ただ、俺にもその硬っ苦しいやつじゃなくてあっちで話しちゃくれねえか」
「え、なにを」
「王として振る舞うのも疲れらァ。王じゃなく、一人の人間としてお前とは接したいんだがァ…駄目か?」
「……いいや、悪かねえさ。この口調に引かなかっただけでも見込みがあるな。んで?一人の人間であるあんたを、俺はどう呼べばいい?」
「晋助と」
「おーけー。改めてよろしく頼むわ、晋助」
「あァ」
ー別離ー
「銀時、俺ァ…」
「言うな」
「…銀時」
「言うんじゃねえ」
「…」
「晋助、お前は王だろ?俺なんかの事に現抜かしてんじゃねえ。俺なんかの事で動揺してんじゃねえ。てめえのするべき事を、見誤るんじゃねえ」
「…確かに俺は王だ…だが銀時、てめえはどうなる」
「…」
「俺にてめえを、見捨てろというのか」
「…晋助」
「愛した人間一人護ることも、許さねえっていうのか」
「晋助」
「俺にてめえを、殺せと、そう言うのかっ!!」
「しん」
「ふざけんじゃねえ!!てめえを失うくらいなら王の座なんざ捨ててやらァ!!」
「っ、」
「銀時、俺と来い。俺と逃げろ」
「っ、しんす」
「何もかも捨てて、俺の傍にいてくれ。てめえがいねえと、俺は息もろくに出来ねえ男だ。俺を思うなら、離れないでくれっ…」
「…晋助、違うだろ?」
「ぎんっ」
「お前は俺がいなくたって生きていける。俺が、愛した男は、そんな奴じゃねえだろ?」
「っ!!」
「愛してるよ晋助。誰よりも、何よりも」
「銀時っ!」
「じゃあな」