はちみつ0802の日「あ?何だそれ?ばっかじゃねーの?」
じゃじゃーん!とお披露目した瞬間、容赦無い罵倒がふってきた。
「ひっでー!折角タカちゃんの為にわざわざ買ったのにー!」
「いや、頼んでねぇし…」
数日前ネットショッピングしていたら偶然見つけビビビッ!ときたので即ポチしてしまったコイツは所謂バニースーツと言われる物だ
と言っても俺が今掲げているのは黒のサテンがテラテラしているハイレグきつめのレオタード?だ
「いいのかなぁ?そんな事言って!タカちゃんコイツをよーく見てろよ」
はぁ?わけわかんねぇって表情のタカちゃんの前にズイッとコイツを差し出す。
と、一転タカちゃんが食い入る様にコイツを見つめる。
不機嫌そうな半目が見開かれ興味津々とした顔になった。
あーキラキラした目のタカちゃんもカッケーなぁと思わず頬が緩んじまう。
無論、この目はハイレグのエロさに目覚めた訳では無く
「なんだこれ?中にワイヤー入ってるのか?あーコルセットみたくなってるのか!このサイドのリボンも飾りじゃねぇのか?アジャスター?これどんだけ縫い合わせてるんだ?」等とめんどそうなコイツの作りにくいついたわけだ。
顎に手を当て繁々と眺めながら何かわかんねぇ事を呟いている。
「ど?タカちゃん、コイツなかなか良くね?」
「…まぁ、悪くはねぇよ。そもそも服に罪はねぇし…ただ、何?これどーすんの?」
見せる為だけに買った訳じゃねぇーんだろ?と怪訝?な顔をするタカちゃん。
俺って信用ねぇのかね?愛する兄貴分の為に服のプレゼントとは思わねぇの?ってまぁ、この服じゃ思わないわな。流石、タカちゃん!
それに勿論バッチリ下心は有る。
「コイツね、実はバニーなんだぜ!お耳に蝶ネクタイ、カフス、網タイツ!そして何とボタンで付けるしっぽもあるんだぜぇ!」
「で?」
「可愛くね?」
コテンと首を傾げてニッコリする俺を冷めた目で見つめるタカちゃん。クールな顔もカッケェな!
「可愛いかどうかはしんねぇーけど何だよ?俺に着ろってんじゃねぇよな?」
「え?着てくれるの?」
「いや、着ねぇよ!何でそうなんだよ…頭沸いてんのか?」
イライラしてきたのか額に血管が浮いている。
ゔぅ…怖ぇーけどカッケェな!
「ちぇー残念!まぁ、コイツはただのプレゼントです!意外とこう言うのって凝ってて作るの難しいんだろ?何か参考になるかなーって」
「はぁ?…まぁ、参考にはなるかもしんねぇけれど何でこれなわけ?わけわかんねー…」
何だかんだディスカウントショップにあるようなコスプレ用のペラペラのヤツで無くややこしそうな作りのコイツには興味有るみたいでもったいねぇしと渋々受け取ってくれた。
「別に着てくれても良いんだぜ?」
「馬鹿野郎!着れるわけねぇだろ!いろいろはみ出すわ!」
「ぶっ!」
いろいろはみ出すのを赤面して隠すタカちゃんを想像してしまって思わず赤面しちまった。
やべぇ…そんな気無かったのに着て欲しくなってきた…って、今回の目的はコイツじゃねぇーんだな。
「ソイツさ、結構高かったんだよねー」
「だろうな、俺はいいから返品しろ」
「残念!ネット通販なんだなーもう開けちまったから無理でーす!」
とまぁ返品しようと思えば出来るんだけど機械に弱いタカちゃんならどうせわかんねぇだろうと適当こく。
「なので、俺のお願い聞いてくんね?」
「はぁ?何で頼んでもねぇのにお願い聞かなきゃ何ねぇの?」
「えーいいじゃん!コイツ着てくれってわけじゃねぇーし」
タカちゃんの腕にすがってねぇねぇとおねだり。
じーっと見つめれば、はぁーっと深いため息をついて聞くだけ聞いてやると言ってくれた。
これはイケる。
「じゃじゃーん!これはいてみっせてー」
とバニースーツと一緒に買った黒のショートパンツを差し出した。
「ショーパン?意味わかんねぇ…これ履けば満足するの?」
「うん!」
「野郎のショーパン見て何が楽しいやら…まぁ、わーった。それで満足すんなら履いてやるわ…」
「流石、タカちゃん!」
「いや、意味わかんねぇよ…」
はぁーとため息を吐きながら俺から渋々ショーパンを受け取る。
このままストリップ開始か?!と期待したら向こう行けとカーテンを閉められてしまった。
残念…
待つ事数秒ジャーとカーテンが開く。
そこにはちょっと赤面したショーパン姿のタカちゃんが立っていた。
「これ、短過ぎね?」
恥ずかしいのかやや内股で股間前に手をモジモジさせていて滅茶苦茶可愛い。
残念ながら上は今日着ていたシャツのままだけれどその下から覗くショーパンはギリギリケツを隠せる程度に短い。
そこから同じ男なのにそんなに体毛が濃く無いタカちゃんの細くしなやかな脚が伸びている。
片手で余裕で掴めそうな小ぶりなケツを包む黒いショーパン。
うん、いいぞ。これは想像以上に良い!
小学生の時は見る事がまぁまぁ有ったけれど中学あがってからはめっきり見る事が減ったタカちゃんの生脚!
水着や下着よりも短いそれには十分な破壊力で正直下半身に血が集まりそうだ。
しげしげと舐め回す様に見ていた俺はある事に気付いた。
「た、タカちゃん…ショーパン短けぇのにパンツ見えてねぇーんだけれど…」
「あ?だから短過ぎるってんだろうが!そのまま履いたらパンツ見えるから脱いだに決まってんだろ!」
お、漢前!!
って事はこのショーパンの下は…と想像したら下半身に集中しかけていた血が一気に頭に上ってきた。
あ、やべぇ…
俺は無様にもたりっと鼻血を垂らしてしまった。
「お前、本当意味わかんねぇ…」
心底呆れましたと言う顔のすっかり元通りに着替えたタカちゃんから濡らしたタオルを受け取る。
鼻にティッシュを詰めながら冷えたタオルで顔と服を拭う。
「ほら、シミになっちまうから服脱げー洗ってやる」
こんな情け無い俺にも優しいタカちゃん…
やっぱり好きだ。
「タカちゃん…好きぃ…」
「はいはい、いいから早く脱いでよこせ」
冷たく言い放つタカちゃんはほんのり耳を赤くしていて可愛いかった。
思わぬ鼻血トラブルでタカちゃんのショーパン姿は早々に終わってしまったがまぁ、良い。
今回の作戦は成功だ。
本来拝める筈のないタカちゃんのショーパン姿を見る事が出来たのだから。
これはドアインザフェイスなんちゃらと言う無理なお願いを聞いてもらうテクニックなんだそうだ。
バニーは無理でもショーパンなら履いてくれる。
バニー姿のタカちゃんもそりゃあ見てみたかったけれど俺は見事に作戦を成功させ目的のタカちゃんの生脚どころか思わぬサービスノーパンショーパン姿を目に焼きつけることが出来たのである。
俺って実は天才なのでは?
このテクで今度はバニー姿も拝んでやる!と密かに決意をした。