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    mogichan_4mogi

    気まぐれな二次創作メインの物書き。今は主にディミレス。

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    mogichan_4mogi

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    ペパアオ姫初め、鋭意執筆中!!

    #ペパアオ

    休み気分もほどほどに「じゃあ、また休み明けにね!」
    「じゃ、うちも行くね。(……行くの面倒だけど)」
    「うん! ネモもボタンも、道中気をつけて!」
     冬のスクールホリデーの季節。実家に帰省したり、他の地方への短期休暇へ出かける生徒も多い中、アオイの親友も例外ではなかった。ネモはこの時期は必ず姉と両親と過ごすらしい。ボタンはガラル地方の実家に帰省するそうで、父親が面倒くさくて足が重いらしい。
     アカデミーを出る2人の背中を見送ったアオイは、コサジタウンの実家に帰るわけでもなく、早足で寮の自室へと歩き出す。
     母からは『編入して1年目なんだし、アカデミーライフを楽しんでね!』とスマホロトム越しに連絡を取り合った。いつでも帰れる距離にあるため、アオイも母の言葉に甘えたのだ。
     それに、帰省しない理由はもう1つある。
    「…ペパー、気に入ってくれるかな?」
     宝探しで出会った、大好きな恋人。パルデアの大穴から帰ってきてすぐ、先輩から恋人へと進化した関係は、若さも手伝ってあっという間にどんな理性の壁を超えていった。
     ペパーには家族がいない。唯一の家族だった博士はとうに亡くなっていたことがわかり、天涯孤独の身になってしまった。
     そんなペパーの家族になりたいと、アオイは思っている。彼の傍にいたくて、彼を1人にしたくなくて、今年の帰省は見送ったのだ。
     そしてホリデー期間に入る前にアオイは、ペパーに何かしたいことはないかと聞いていて、彼は照れながら言っていた。
    【そ、その、オマエが、制服以外のもの着てるのが、見たい……】
     あまりにも顔を赤く染めていたから、それが伝染ってアオイまで照れてしまったのを覚えている。思い出すだけでアオイは1人自室で熱くなる顔を押さえた。
    「似合う、かな…」
     ベイクタウンのジムリーダー・リップさんに誂えてもらった、白地にピンクの小花柄の長袖ワンピース。手首のあたりにはフリルがついており、腰回りにはピンクのリボンがついていた。
    【女のコはこういうのを一着は持っておくべきよ。私がプレゼントしてあげる】
     チャンピオンランク到達のお祝いだと渡されたそれに袖を通せば、特注品らしくアオイの体にピッタリ合った。
    「っ…!」
     腰回りのリボンを蝶結びにして、リップさんに教えてもらったメイクをすれば、洗面所の鏡にはいつもと違う自分が映っている。普段はパンツスタイルばっかりのアオイは、ふんわりとしたシルエットを纏う自分が別人に見えた。
    「これが、私……」
     鏡に手を伸ばすと同じように鏡に映る自分が動き、別人ではないとアオイは理解する。まあ、ここで勝手に鏡の自分が動き出したら、それはそれで怖いのだが。
    (ペパー、喜んでくれるかな……?)
     おしゃれをするだけでこんなにも気分が変わるものなのか、とドキドキしながら、アオイはスマホロトムを起動して恋人にメッセージを送る。
    《準備、できたよ。》


    「…よし、」
     ペパーはアオイから届いたメッセージを見てすぐ、自室を飛び出した。寮に残っている生徒もちらほらいるが、ほとんどがホリデーで旅行や帰省している。寮の廊下には人はおらず、逸る気持ちを抑えてアオイの部屋まで歩いた。
    (どんな服、着てんだろうな…)
     年が明けるのを一緒に過ごし、アオイに『私服が見たい』と言ったのが数時間前。何かしたいかと聞かれたからそう答えたが、他にも色々したいことがあるのはあえて言わなかった。しかしもちろん、ゴムは持ってきた。
    (意外とクール系か、それとも王道のかわいいちゃん系?)
     もっと恥ずかしいことはしているのに『恥ずかしいから自室に戻っていて』と追い出された数時間の間に、ペパーは色々と妄想していた。
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