ルールが上書きされました。 世界は、決まった方向にしか、変化していかない。
他の可能性があったとしても、それらは記録に残ることなく、バグとして扱われ、あるべき姿へと修正されるのだ。
この法則は、パルデア地方を生きる人達にも、適用されている。みんなの意図など関係なく、規則正しくあれと強いられる。
それは『わたし』だって例外じゃない。
美味しいものがあったら、美味しいと思う感覚はあるし、すごいものを見ると、すごいと感動に震える心もあるとしても、だ。
ただ例外があるとすれば、『わたし』には、『わたし』の体を突き動かす、別のなにかが存在しているらしいということ。具体的にはわからない。在るらしい、ということ以外にはっきりしたものはない。気づけば、めちゃくちゃな動きをさせられたり、派手な姿をさせられても、わたしの好みではないと、これを拒絶する権利は無いようだった。
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