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    フスキ

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    フスキ

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    さに乱(男審神者×乱)。ワードパレット26番、健全な反応・しかたない・ぜんぶ君のせい、です。乱ちゃんにぶんぶん振り回されてる男審神者がすきです(性癖)

    #さに乱
    bribery

    (ワードパレット・さに乱)もうそうしてちょうだい「あるじさんのしてほしいこと、してあげる」
     なんでそんなこと言うの?
    「あとでお部屋行くね♡」
     なんでそんなこと言うんだよ!

     乱藤四郎。俺の恋人で守り刀のそいつは、見た目小柄で幼さの残る美少女(美少年だが)だというのに、中身は俺という童貞を振り回すえっちなおねえさんだ。
     思わせぶりな態度を取っては引きつけてかわすのがあいつの常なので、今回だって絶対に何もないのは分かりきっているってのに。なのに心は妙な期待に駆られどきどき高鳴る、これだって健全な反応なのだけれど無様だ。また乱の手の上だ。
    「どーして、あいつってああなんだろうな」
     一人の自室で呟く。乱には兄弟がたくさんいるが、あいつのようなタイプはいないように思う。長兄たる一期なんて未だによそよそしい態度を向けてくるし。それはまあ、俺が乱の彼氏だからだろうけど、それにしたって似てはいない。
     行動が大胆という点なら薬研も近いだろうが、あいつの場合は計算ではない。天然でもない気もするが打算的なものでもないし、やっぱり乱とは違う。乱藤四郎は乱藤四郎だから乱なのか。……何言ってんだか分かんなくなってきた。
     考えたってしかたない。もうすぐ乱が来るだろう時間だ。果たしてどう弄ばれるのやら。
     ――まあ、どう弄ばれようが、好きに変わりはねえんだけど。
    「あーるじさん、あそびましょー」
     とんとん、と障子がノックされる。飛び上がって振り向けば、許可も出してないのに乱が戸を開いた。
    「おま、勝手に入ってくんなよ」
    「なぁに思春期の息子みたいなこと言ってるの?」
     それとも見せられないようなことしてたの、と笑われて、そんなわけあるかとそっぽを向く。そうだやっぱりこいつは誰にも似ていない。粟田口の誰も別にこんなふうにからかってきたりしない。こいつだけだ。
    「ねーあるじさん、マッサージしてあげる! どこ揉んでほしい?」
    「どこも揉まれたくない」
    「えー、どうして? してほしいことしてあげるって言ったじゃない。マッサージしてほしかったでしょ?」
     そう言われて、もしやと思いつく。乱の眷属である鳴狐と話していた時だ。俺はあいつにマッサージされているお供の狐を見て、確かに口にした。『俺も揉まれてえ』と。
     思い当たることといえばそれくらいしかないが、あれを聞いて気にしていたのか。顔を見ると、乱はしょんぼりとしていた。どうやら今回は真っ当な善意からだったらしい。
     オオカミ少年がよぎる。――お前、いつもそうならこっちだって邪推なんてしねえんだけどな。
    「……わかったよ。マッサージしてくれ」
    「ほんと!」
    「うん。肩甲骨痛くてさあ」
    「わかった、任せてよねボクうまいんだよ~!」
     指をわきわきと動かす様子にはいはいと笑って背を向ける。言ったとおりに肩甲骨に意識を寄せていたら、ふいに、がばっと背後から抱きつかれた。
    「おい!」
    「えへへ~、隙ありっ♡」
    「主の隙を狙うな守り刀……!」
     前言撤回だ。やっぱりこいつはえっちなおねえさんだ。少年とか少女とか関係なくやらしいおねえさんだ! 手のひらの上だった!
    「むかつく~……」
    「あっははは、うそうそちゃんと揉んだげる! 機嫌直してよ~」
     そうしてその手はやっと肩甲骨周りの筋肉を揉み解し始めるけれど、その触れる小さな手に反応してしまうのだってどうしたって避けられなくて。またむかつくの呻きを零した。
     この心の動き方は、ぜんぶ君のせい。
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    フスキ

    DONEまろくんが天使だったパロの水麿、すいくん風邪っぴき編です。
    ひとは弱くそして強い(水麿天使パロ) 僕の天使。嘘でも誇張でもない、僕のために人間になった、僕だけの天使。
     水心子は、ほとんど使っていなかった二階の部屋に籠もり、布団をかぶって丸まっている。鼻の詰まった呼吸音がピスー、ピスーと響くことが、いやに間抜けで、布団を喉元まで引き上げた。
    「……水心子」
     僕だけの天使、が、ドアの向こうから悲しげに呼びかける。
    「入らせて。ね、顔が見たいよ」
     清麿は、心細くて堪らないような声でそう言った。ぐっと息を詰める。顔が見たい、のは、こちらだってそうだ。心細くて堪らないのだって。けれど、ドアを開けるわけにはいかない。
     水心子は風邪を引いてしまった。もとより人である水心子は、きちんと病院に行き診察を受け、薬を飲んで今ここで寝ていられる。けれど、一緒に暮らす清麿は、元が天使だ。医療を受ける枠組みの中にいない。もし彼に移してしまって、悪化してしまっても、水心子には術がない。天使だったのが人になった身なのだ。病院で診られて、もしどこかに普通の人とは違う部分があって、それが発端となり彼を失うことにでもなったら。
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