魔界旅路思慕 封印されたギュータの地下深くにマトリフとポップはいた。かつては逢魔窟と呼ばれたそこは禍々しい魔力が澱んでおり、それらが見せる幻影に打ち勝って辿り着いた最深部に、魔界へと繋がる裂け目があった。
「大丈夫かよ、師匠」
ポップは気遣わしげに師を見る。攻撃してくる幻影への反撃に、マトリフはかなり苦戦していた。以前はマァムの父であるロカに担がれて通ったのだと聞いたが、ポップがマトリフを担いでいくには無理があり、二人で背を守りながら裂け目まで来た。しかし体力が限界まできているようで、マトリフは肩で息をしていた。
「……いらねえ心配すんじゃねえ。ここで開けられなきゃ来た意味がねえんだ」
マトリフは裂け目を睨め付ける。二人がここへ来たのは魔界へ行き、ダイを探すためである。マトリフはそのためにギュータの封印を解き、ポップをここまでへ連れてきた。
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