ジェルベーラとクローバー「後ろががら空きですよ。ジェルベーラさん」
クローバーはジェルベーラの後頭部に銃を突きつける。
ジェルベーラは片膝をつき、かつ直ぐには動けない姿勢をしている。
「私の勝利ですね?」
そう言って引き金を引く──
が、当たったのはジェルベーラの頭部ではなく、頭に乗っていた植木鉢。
「えっ──」
戸惑うクローバーの顔に大量の水がぶっかけられる。
「お喋りは禁物だよ?クローバーチャン!」
自由落下した植木鉢を片手で受け止めながら、ジェルベーラは笑顔でそう語る。
撃たれかけたあの瞬間、ジェルベーラは瞬時に身体を突っ伏し、身体を捻って下からクローバーの顔面向けて水を発射させたのだ。
「私はまだまだ前線で動けるヨ!」
「流石ジェルベーラさん……!速すぎて見えなかったです!」
尊敬の眼差しを向けるクローバーにジェルベーラが優しくタオルを手渡す。
「風邪ひいちゃうからネ。ちゃんと拭かないと……」
「わっ、わっ、ジェルベーラさん……ありがとうございます!」
タオルを受け取り、濡れた顔をゴシゴシと拭く。
顔を拭き終えたクローバーは
「あ、あの……もう1戦やって……貰えますか?
さっきのジェルベーラさん、すっごくかっこよかったので……」
その言葉を聞いたジェルベーラは、ぱあっと笑みを浮かべる。
「ホントォ?!そんなに?かっこよかった?私??
も〜照れちゃうよォ!そんなこと言われたらァ」
ジェルベーラは照れ照れとしながら、水の補充が出来た水鉄砲をクローバーに1丁渡す。
「次はもう少し本気出すからネ。クローバーチャンも本気でおいで?」
「……はいっ!」
クローバーは水鉄砲を受け取り、キリッとした顔で返事をした。