「アイツに告白された……」
「……うん」
「……ていうかさ」
「ん？」
「君たち付き合ってなかったんだ？」
「え！？」
「てっきり恋人同士なんだとばかり」
「……チガイマス」
「あれ、じゃあ君はアイツに恋愛感情ないってこと？」
「……ワカリマセン」
「あー、そうきたか……」
「……大切なのは、間違いないんだけど……恋とか無縁すぎて……」
「別に無縁じゃないでしょ」
「へ？」
「だって前にトヨに告白されてたでしょ」
「え、いやでもそれは」
「その時はきっぱり断ってたじゃない」
「だって仲間以上にはどうしても思えなくて」
「アイツのこともそう思えないなら断ればいいじゃない」
「え……」
「前はできたんなら、今回もできるでしょ」
「……それは」
「出来ないんなら、少なくともトヨの時とは違うって、わかってるんじゃないの」
「……」
「ま、僕的には所詮他人事だからどうでもいいけど」
「ですよね……」
「なんなら今拘束されてるのは面倒くさいとさえ思ってるけど」
「デスヨネ……」
「わからないならわからないって言ってみたらいいんじゃない」
「へ」
「考えさせてほしいってさ。アイツはそのくらい待ってくれる男だよ」
「……困らせないかな」
「告白された君が今困ってるんだからお互い様でしょ。それに」
「それに？」
「君の鈍感さにかまけてここまで告白してこなかった男が今更待てないはずがないから」
「へ……？」
「教えておいてあげるけど、アイツの方は昨日今日自覚したわけじゃないよ。多分君が思うよりずっと前から君にぞっこんだから」
「ぞっ……！？」
「そ、だからさ、考える時間が欲しいって君の口から聞けるだけ安心できると思うよ」
「……そうかな？」
「トヨみたいに即振られないだけ見込みあるーって」
「う……」
「トヨにアタックされてる君見てる時のアイツ、すごーく愉快だったからなあ」
「愉快……」
「そ、だから安心して待たせちゃいなよ。アイツはいい男で、君にぞっこんで、君の幸せを一番に願ってくれる男だから」