彦星アルバーンは頭を上げ、空に浮かぶ夏の大三角を眺めた。
「ねぇ、サニー。」
「うーん?どうした?」
「彦星について、どう思ってる?」
アルバーンはふいに思いついた質問をサニーに投げかけてきたので、サニーは立ち止まって夜空を見上げた。
「星座?」
それを聞いたアルバーンは笑って、軽く首を横に振った。
「ううん、織姫と彦星のこと。
七夕伝説のそれだよ」
一般的に知られている七夕の物語というと、天帝の娘ー織女と牛飼いの牽牛は、一生懸命働いていた。しかし、結婚してから二人は毎日遊んで暮らしていて、仕事を怠るようになった。怒った天帝は、織女を牽牛から引き離し、銀河の彼方に追放していまったのだ。
悲しみにくれた織女を見かねた天帝が7月7日にだけ逢う事を許した。
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