【遊修】好きです……「ぼく、空閑のことが好きだ……」
こめかみには冷や汗、真剣な眼差し、嘘のない言葉。
三雲修が本気で言っている事はわかった。だからタチが悪い。自分の事を理解っているくせに、本気で告白してきている。
瞳を揺らしても視線は真っ直ぐ遊真を射抜く。そんな修に遊真はため息をひとつ。
「オサム、おれの……」
「聞かない! それは理由にならない。空閑の今の気持ちが知りたい。どっちなんだ!」
「……おれはオサムの気持ちには答えられない」
「そうか……」
「友達で相棒でそれでいいだろ。オサム」
「わかった」
「すまんな。オサム」
あぁ、おれは修に嘘をついた。つまらない嘘だ。修より生きる時間の短い自分が彼の告白を受けていいはずなどない。修を傷つけたくないのだ。
「空閑、つまんない嘘を撤回したくなったら言ってくれ。ずっと待つし、ぼくはお前の命を諦めない」
修はいつだって真っ直ぐで諦めないことを忘れていた。
「……空閑、りょーかい」
そんな風に誤魔化して、遊真は笑った。