Recent Search
    Create an account to secretly follow the author.
    Sign Up, Sign In

    shimanyan112

    @shimanyan112

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 55

    shimanyan112

    ☆quiet follow

    明マ 現パロ 一日遅くなりましたがバレンタインなので、チョコレートのお話。
    大体イチャイチャしてるww

    甘い誘惑「よしっ」

    エプロンのリボンを背中でキュッと結べば、気合も入ってくるもので。
    目の前に置かれた道具や材料に間違いがないか、動画を見返す。
    まずは、チョコレートを刻むところから。

    普段はあまり料理をしないが、これくらいなら出来る。
    一人暮らしの時はサラダくらいなら作ったが、主食はもっぱら買ってばかりで。
    彼と暮らし始めて少しはやるかとは思っていたのだが、料理上手な彼に甘えっぱなしなのが現実である。
    これでも少しは出来るところを見せようと、初めての手作りに挑戦しているのだが、結構細かくするのが大変で。
    手順が簡単なものにしたので、彼が帰ってくるまでには間に合うはず。
    今日は彼は仕事だから、きちんと確認もしたし帰宅の夕食前に出来れば問題ないだろう。

    刻んだチョコレートを湯煎にかける。
    すると粒状だったチョコレートは、とろりと形を失った。
    そうしたら生クリームを加えて混ぜ合わせる。
    ふと、アレンジの解説を聞いていたら、思いついたことがあった。
    あっ、これこれ。
    少し甘めのウイスキー。
    お酒が好きな人だから、この香りはきっと気に入ってくれるはず。
    入れすぎないように小さなコップに移してから、少しだけ。
    とろりとした琥珀色の液体は、チョコレートに一層艶を出した気がした。
    後は、少し冷やしてから丸めて飾りつけるだけ。
    これなら、後1時間もあれば……

    「何をしているのかな?マックスウェル」

    背後からの声。
    ビクッと身体を震わせると、大きな手が腰に巻きついて来た。

    「あ……おかえりなさい明智さん。早くないですか?」
    「少し早く帰って来たんだよ」
    「…何でです?」
    「だって君が、あんまり今日の予定を何度も聞くから……気になるだろう?」

    ついまめに確認していたのが、仇になったらしい。
    だってサプライズの予定だったから……。

    「いい匂いがするね」

    身長差からか彼の吐息が耳にかかる。
    それがくすぐったくて、でも何だか熱くて。

    「バレンタインのチョコレートを作ってるんですよ」
    「君が手作りなんて初めてじゃないか?」
    「だからこっそり作ろうと思ったのに……」
    「そう言ってくれたら心配しなかったんだよ」
    「それでは明智さんをびっくりさせられませんから」

    心配って何だろう、と思いつつも、もうバレてしまったサプライズに少し肩を落とす。
    でもまぁ、喜んでくれるのは一緒なのでいいか、と、とろりとしたチョコレートを型へと流し込んだ。

    「これ、味見はしたのかい?」
    「あっ、忘れてました!」

    と言っても、材料はチョコレートと生クリームと洋酒くらいしか入ってない。
    配合は動画のものと逸脱してはいないはずなので、それほど変な味はしないはずなのだが。

    スプーンを、と身長じろぐが、彼に腰を抱えられたままでは動けないくて。
    抗議しようと口を開く前に、にゅっと出て来た彼の指先がチョコレートの海をすくった。

    「さあ、どうぞ」

    とろりとした艶のあるチョコレート。
    鼻腔をくすぐる甘い香りが、目の前に差し出され、私は迷う事なくその指先を食んだ。

    甘い。
    ただの市販のチョコレートだったはずなのに、ウイスキーの香りが相性が良く華やいで感じる。
    唇で大まかにこそげ取り、残りを舌で丹念に指先を舐める。
    引かれる甘さは、チョコだったのか指先なのか分からなくなるほどに、それに熱中してしまって。
    唾液に塗れた指先が離れた時、惜しいと思ってしまうほどに。

    「気に入る味だったかい」
    「はい……美味しいです…」
    「それは良かった」

    彼はにこりと笑う。
    ただの味見なのに、内側で燻っているものがあるなんて知られたら、彼はどう思うだろう。
    まだ出来上がってもいないのに、もう投げ出してもいいかと思えるほどに熱がこもってしまうなんて。

    ぎこちない動作でラップをかけ、冷蔵庫へとしまう。
    次の作業は……

    動画を見返そうと思った矢先、その身体は再び彼に捕らえられる。
    エプロンの隙間から腰を抱かれ、逃げられなくなった体に無理やり唇を奪われた。

    酸素がなくなるほどの、口付け。

    「………ふ………っ…ん………ぁ……っ」

    溢れるような声が口の端から逃げていく。
    押し返そうなんて思わず、むしろその両手は彼の服を掴んでいた。

    銀の糸が互いの唇を結ぶ。

    忘れていた呼吸を繰り返しながら、頬を包み込む大きな手に擦り寄った。

    「我慢出来なかったんだ」
    「……何をですか?」

    「君があまりに美味しそうだったからね」

    スッと細まった瞳は、交わる時に見せる欲を含んだもので。

    「食べていいかな?」
    「でも……まずはシャワーに…」
    「こんな甘い良い匂い、落としたらもったいないよ」

    抱き留められた体は熱く、彼が首筋に鼻を寄せるたびに、ゾクゾクとした感情が湧き上がる。

    あ……でもまだチョコレートが完成してない…。

    言葉にするのは容易いのに、それすらも飲み込んで彼に身体を預ける。


    チョコレートは昔は媚薬に使われていた。


    ならば思う。
    今溺れても良いんじゃないかと。


    指を絡めあい、唇を重ね合い、肌を繋げる。

    それままるで、熱で溶けて混ざり合うチョコレートのように。


    きっとその味は溺れるくらいに甘いのだろう


    終わり





    パクッと一口。

    「ん、なかなか美味しいよ」

    丁寧に丸められたチョコレートには、ナッツやピスタチオがまぶされていて香ばしい香りが口に広がる。
    微かに入れた洋酒がアクセントになっていて、甘すぎず大人の味付けになっていた。
    そしてこれを愛する恋人が手づから作り出してくれた事に、喜びが溢れる。
    この入っている箱すら愛しい。
    出来ればこのまま永久保存版にしたいのだが、流石に味が落ちてしまうし、食べれなくなった時に彼が悲しむのは困る。
    早く人類の技術が進んで欲しいものだ。

    「君も一つ食べるかい?」
    「私が明智さんに送ったものなのに?」
    「嬉しいことは共有すべきだろう」

    たくさん並んでいる中から、クラッシュアーモンドがついたものを取り出した。
    彼の手に乗せようと思った時、目を疑った。

    マックスウェルが口を開けて待っている!!

    手を差し出されると思っていたのに、こんな無防備な!!
    動揺を心にしながらも、彼の口元まで持っていくと、小さく開いた唇に触れさせた。
    柔らかい唇がチョコレートを食む。
    その姿が目に焼き付いた。

    「美味しい、です」

    その頬がほんのり紅潮していて。
    サングラス奥の瞳が少しだけ伏せられ、白い指先にすら紅が灯る。
    ただチョコレートを咀嚼しているだけなのに、何でこんなに性的に見えてしまうのか。

    それはこの3連休頑張り過ぎてしまったのだ。

    バレンタインまでの3連休、どこにも行く事なく二人で過ごした。
    土曜日にもともと私に予定が入っていたために、旅行などの計画も立てられず。
    しかし直前に急に予定していた仕事がなくなったため、お互いに一緒にいる事にしたのだ。

    そして初日に買い物に出てみれば、あたりはチョコレート一色で。
    試しに、と買ったチョコレートの入浴剤から石鹸、ボディクリーム。
    面白半分で買ったのに、それを活用して楽しみまくったというのがこの3連休だった。
    もちろん本物の食べれるチョコレートを使って塗ったり舐めたりその他もろもろ。

    もはや彼はその匂いにすら反応している状態なのだろう。

    チョコレートの匂いにまみれながら肌を重ね過ぎたせいで、パブロフの犬がごとくになっているのかもしれない。


    それはすごく良い。

    が、他の者には見せて欲しくない状態だ。
    ただでさえ彼を付け狙う奴が多いのに、狼の群れに弱り切った羊を放つなど恐ろしくて出来ない。
    まぁ、その羊を作ってしまったのは自分なのだが。

    「どうしたんだい?」

    知っているのにわざと聞く。
    ビクッとした彼は、何でもないと、首を振るが、その首すらほんのり紅い。

    心の中の獣がざわめく。
    美味しい獲物が目の前にあるぞと、舌舐めずりをしながら。


    「……ベッドに行くかい?」

    耳元で。

    チョコレートも甘いが、私が与えるのはもっと甘い誘い。

    一言君が肯定してくれれば、すぐにでもあげられる甘美な時間。


    彼は小さく頷いた。

    こんな可愛い迷える子羊は、私の手で丁寧に甘やかしてあげねば。


    にこりと笑った私はきっと牧師の顔を被った狼なのだろう。

    彼に気づかれる前に、髪の一房、指先に一片に至るまで食べ尽くしてしまいたい。


    チョコレートよりも甘い彼は、何よりのごちそうなのだから。


    終わり



    あまりに何度も予定を聞くから、浮気!?と心底心配した明智でした。
    チョコレートプレイが書きたかったのに未満で終わってしまった。

    現パロにすると、明智の性格が積極的過ぎて、もうマックスウェルが逃げられないww
    お互いに好きだから良いものの、ヤンデレ一歩手前なこじらせ明智なもんだから、危険指数が高すぎる問題。
    マックスウェルが徐々に明智色に染められていくのを、にやにやしながら眺める作業がしたいです。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    ☺☺❤❤💖💖🍫🍫🍫🍫
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works