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    1:本当にあった怖い名無し︰2005/06/27(月)23:59:14.31 ID:Ajs23g

    先月あったことを書き込む。もう既に終わった話だから一気に落とす。
    俺は先月、祖母の家に行っていた。祖母の家と言っても、祖母は既に死んでおり、無人の家である。
    なんでこんな所に行くことになったのかだが、親に突然祖母の家に泊まって欲しいと言われたんだ。理由を聞いても答えてくれなかった。怪しいし、最初は行く気は無かったが、俺が欲しいゲーミングPCを買ってくれるという話を持ち出されてその話に乗ることにした。

    俺は1人でつい最近買ったバイクに乗って祖母の家に向かった。道中、雪が降っていたが、積もるほどでは無かったので特に障害もなく行けた。
    祖母の家は田舎にあり遠かった。1人で雑に走っていると、祖母の家が見えてきた。
    ザ・古民家みたいな家だった。実は、俺は祖母の家に1度も行ったことがない。祖母が俺に会うことを拒んだんだ。それで結局会わないまま、ポックリ逝ってしまった。

    バイクを降り、親から貰った鍵で玄関を開ける。中に入ると、意外と綺麗だった。ハウスダストに敏感な俺でも全然くしゃみをしなかった。

    水道も電気も来ており、1日だけ泊まる話なので楽勝だった。それ自体は楽勝だった。
    家に入って探索していると、ある部屋に仏壇があった。その仏壇はなんと言うか、古臭かった。この家よりも古臭い感じがした。遺影とかは特になし。お供え物もなし。
    若干気味が悪かったのでその部屋からは1番遠い部屋で寝ることにした。持参のカップラーメンを食べて、いざ就寝。

    多分夜の3時辺り。不意に目が覚めたんだが、2度寝を決め込もうと夢現状態になっていた時、聞き覚えがある音が聞こえていた。

    『みーん、みんみんみんみー、』

    蝉の声だ。一気に目が覚めた。この季節に?そんな訳ない。自分の顔が眉間に皺を寄せていることが感覚で分かった。数秒聞いていたんだが、気づいた。声だ。蝉にも聞こえるが、これは誰かの声だ。
    しかも、家の中から聞こえてくる。

    スマホのライトを片手に、俺は勇気を出して確かめることにした。恐怖を感じながらも好奇心が勝ってた。
    部屋から出て、廊下に入る。その蝉のような声は、仏壇の部屋から聞こえてくるのが分かった。
    1歩1歩着実に、ゆっくり歩いた。今思えば6歩位で行けるのを15步ぐらい床を踏み締めたと思う。

    例の部屋の襖の前に着いた。相変わらず、みんみんと蝉もどきの声が聞こえてくる。
    部屋の襖を勢いよく開ける。そこには、何も居なかった。しかしすぐに分かった。蝉の声は、仏壇から聞こえてくる。不意に固唾を飲み込んだ。

    仏壇に近づく。耳をつんざく程うるさい声が聞こえてくる。
    仏壇の中からと思ったが違った。その蝉の声は、仏壇の裏から聞こえてきていた。この裏に、空間がある。
    心臓の動悸を深呼吸で落ち着かせて、仏壇を力を込めてズズズと引きずってどかした。名前は知らないが、俺の腰半分ぐらいの大きさの襖があった。襖から、蝉の声が漏れている。

    襖にゆっくりと手をかけ、開けようとする。
    次の瞬間に俺は踵を返して部屋から出た。寝ていた部屋に戻り荷物を取り、家を出る。そのままバイクに乗って俺は帰った。
    怖かった。あの襖を開けたらダメな気がした。
    バイクに乗ってる時、あの蝉の声の真似をした人間の声が耳を離れなかった。バイクの後ろにずっと座って耳元で言われてると思った。

    陽の出の時に家に着いた。親を叩き起こそうとしたら親は2人ともテーブルの椅子に座っていた。
    一瞬戸惑ったが、何をしているか聞くと、「寝る訳にはいかない」と言われた。もはや俺の脳はキャパシティオーバーしていた。無視して自分の部屋に戻り鍵を閉め寝た。
    起きたのは昼の13時。恐る恐るリビングに行くと親が普段通り暮らしていた。
    俺は思ったことを全部言った。知ってたのか、あれは何だ、昨日何をしていたか、全部聞いた。
    殆どの返答は「知らない」などのあやふやな返事だった。一つだけお母さんが答えてくれたのがある。蝉の声の事だった。
    「あそこはね、お母さん(祖母のこと)が亡くなって3年後ぐらいから1年中ある時間に蝉の声が聞こえるようになったの。お祓いもしようとしたけど祓えないし、それでしばらく放置してて、まだ居るかどうかを確認したかったからH(俺のこと)に行かしたの。」
    俺じゃなくても、自分で行けばいいじゃん、そう言うと、「私は行きたくない」と言われた。父も同じ回答だった。

    で、約束通りゲーミングPCは買ってもらった。けど、蝉の声を聞くとあの家の事を思い出してしまう。もしかしたら、奴が近くに来ているかもしれないと偶に思ったりもする。

    これが先月の話。質問があれば答えるよ。最後まで読んでくれてありがと。なんかおかしいけど
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