合宿あたりのお布団を交換したい宵越君のもしも話「場所、交換してもらうからな」
風呂から戻り、割り振られた部屋へと入る。
6組の布団が引かれた室内でそれぞれ前日と同じ布団を目指す中、宵越は突然畦道に人差し指を向けてそう主張した。
飲み物を買ってくると言って途中で分かれた井浦と王城はこの場には居らず、宵越以外の3人は畳を踏みしめる足をぴたりと止めて、意味もわからないまま振り向く。
発端は今朝のことだ。
今彼らの前にあるのと同じように3行2列に並べられた布団、その内の窓側に眠っていたはずの伊達が、トイレに行った帰りにつまずいて宵越の上にのし掛かった。
そしてそのまま二度寝を決め、更に宵越の頭側に寝ていた水澄が、元来の寝相の悪さから彼の首に締め技をかけた。
2年生2人に永眠させられかけたと、これから寝るぞというタイミングで思い出した宵越は合宿二日目となる本日、絶対に通路側は嫌だと眠る場所の変更を申し出たのだ。
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