片想い『可愛い顔をしているけど、雷神龍も倒して古龍も倒してるなんて、とても手に負えない』
なんて、何度言われた事だろう。
辛いと思わなかったと言ったら嘘になる。
強がりを言って、平気だと笑ってみせたりもした。
一人になった時に涙を流したこともあった。
それでも、いつだって隣に貴方が居た。
きっと、誰にも私の本当の辛さなんて分からないだろう。
それでも、寄り添ってくれる里の人や、分かろうとしてくれる教官が、私を奮い立たせてくれた。
例え、それが、家族のような愛情だとしても。
ずっと貴方だけを見つめて来た。
貴方が振り向いてくれなくても。
貴方の背だけを追いかけて来た。
報われない想いだと知っていても。
いつまでも待っている。
この想いが実る日を。
貴方が振り向いてくれる日を。
貴方に知ってほしい。
どれだけの想いを貴方に向けているのか。
それでも、この想いをひた隠しにして。
貴方を見つめていられるのなら。
私は今日も、何でもない顔をして笑う。