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    10ゲージのポイポイ

    @honey_bee_19se

    書けないものとか色々ポイポイ

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    POIPOI 89

    pkmn剣盾ダンマサ。
    書ききれなかった物を供養。

    我慢しないで彼はいつだってみんなのお手本みたいな人で、いつだってみんなの英雄だ。
    そんなガラルの英雄を、僕はその頂から降ろしてしまった。
    それでも彼は嬉しそうに笑い、僕の手を取りガラルの未来は明るいと、目をキラキラさせて言い放った。
    きっと、僕はずっと彼には敵わないだろう。

    憧れが変化していく様に気付いたのはいつだったか。
    あの時、倒れる事なんて無いだろうと思っていた彼が倒れた時だっただろうか。
    見ることなんて無いだろうと思っていた彼の弱った姿に衝撃を受けたのと同時に、守りたいと強く思った。
    誰よりも強い彼を、誰よりも近くで、何者にも傷つけられないように守りたいと思った。
    そんな事を彼に言ったら、きっと『自分の身ぐらい自分で守れるぜ!』とか言われそうだけど。
    それでも彼の体も心も、傷付くのはもう見たく無いと思ったんだ。

    バトルタワーに立った彼は明るく朗らかなチャンピオンの姿とは異なり、ベルベットの燕尾服に身を包み、凛としそれでいて妖艶で、正しく大人だった。
    パフォーマンスも醸し出す雰囲気もガラリと変わって、僕は平常心を保つのに必死だった。
    バトルが始まってしまえば、そんな気持ちもどこへやら。ただ只管に彼とのバトルを楽しむだけになっていた。
    バトルを終えた彼は悔しそうに、けれども嬉しそうに笑った。
    彼の笑顔が好きだ。
    彼の射抜くような瞳が好きだ。
    負けても決して揺るがない彼が、大好きだ。
    バトルをしている時の彼は、冒険に出るようなワクワクした子供のようで。
    いつも宝石のような瞳は、宝物を見つけた時のように輝いて、太陽のようにギラついて熱いんだ。
    彼の内側を見たようで、僕はそれが大好きだった。
    もちろん、いつもの穏やかな彼も好きだけれども。

    「もしかして僕はダンデさんに我慢させてるんじゃないかって」

    彼は大人だからと笑うけれど、大人だって傷付く事を子供だって知っている。
    僕は頼りない子供かもしれないけれど、大人の力になりたいんだ。

    「僕が子供だから、あんなに優しいのかなって…」
    「あまりにも紳士的だ、って?」
    「クソ野郎よりいいんじゃねーですか?」
    「極端だな、ネズ」

    バトルが終わった控え室。
    ポロリと溢れてしまった一言を拾ったキバナさんとネズさんが、相談に乗ってくれると告げた言葉とは裏腹に至極楽しそうに寄ってきたのを見て、大人とは?と思ったのは秘密だ。

    「ああ、マサルは激しくされたいんでしたっけ?」
    「もー!ネズ!虐めてやんなって!」
    「すみませんね。性分で」

    クツクツと笑うネズさんの言葉に顔が熱くなる。
    そういう意味で言ったのではないけれど。

    「ダンデさんが、我慢をしているのならしないで欲しい」

    きっと、今までたくさんの事を我慢してきてるだろうから。
    今でもきっと、我慢しているだろうから。

    「傷付いているなら、その傷を癒してあげたい。怪我してるのを隠さないで欲しい」

    確かに僕はまだまだ子供で。
    頼りないかもしれないけれど、頼って欲しいし、頼られたい。

    「ダンデさんの全部、守りたいし受け入れたい」

    そう思うのは、僕の我儘だろうか。

    「それをそのまま言えばいいんじゃねーですか」
    「ダンデがオマエに優しくしたいのも、我慢したいのも解るぜ」

    やれやれと言った様子でネズさんが言う。
    むくれる僕に、キバナさんが少し苦笑いした。

    「ダンデはオマエに嫌われたくねーんですよ」
    「大人ってのは、意外と不器用でなぁ。あれこれ考えて素直になれねぇもんなんだよ」

    好きな人の事となるなら、子供も大人も関係ない。
    誰だって臆病になって、嫌われたくなくて…そうか、大人だって怖かったんだ。




    力尽きたので、以下セリフだけ。

    「我慢しないでください」
    「僕は、まだ子供かもしれませんけど」
    「頼りないかもしれませんけど」
    「ダンデさんの、全部受け入れたいんです」

    「今更、無理だと言っても聞かないからな」
    「マサル…好きだ」
    「僕も、ダンデさんが大好きです」

    「その、身体は大丈夫か?」
    「……ダメです」
    「なっ!?」
    「ダンデさんがキスしてくれないとダメです」
    「っ……キミは…本当に」
    「こうかはばつぐんだぜ」

    「あまり可愛いことを言ってくれるな」
    「迷惑ですか?」
    「違う。我慢が効かなくなる」

    「あの時、傷付かなかったと言えば嘘になるな」
    「色々と、考えたが…どうにも彼の思いは解らなかった」
    「あれ程長く一緒にいたのに、知らない人のようだった」
    「けれど彼はガラルを愛していた。それだけは解る」
    「ただ…やり方が間違っていたんだがな」

    「僕は欲張りなんです」
    「それがどれ程汚れたものでも、醜いと言うものでも」
    「ダンデさんの全部、欲しいんです」
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