そばにいるよ「普通に考えて俺が先に死ぬと思う。だって14も年が上だろ? 人生80年として、俺が80で死んだらお前は66か……若いのか、まあ若いか。それにしても66のモブは貫禄がありそうだな」
「僕も想像がつかないです。80歳の師匠も。師匠はピンピンしていそうだ」
「いやまあ、年はどうでも良い。話を戻す。俺がお前より先に死ぬとする。その後しばらく現世に留まろうかと思っている」
「……?」
「ほらあれだ、お前なら霊見えるだろ?」
「悪霊になるつもりですか?」
「悪霊にはならねえよ。そうしたらお前に除霊されちゃうだろ」
「師匠は除霊しないです。……いや、悪い事していたらどうかな……除霊しちゃうかも」
「だろ? だから霊は霊でもお前の守護霊になってみるのも楽しそうだなと思って。毎朝枕元に立って、お前の肩ぐらいに浮かんで、これまで守ってもらった分お前を守ってやるよ。すぐに成仏すんのつまんねーだろ」
「でも師匠、物理攻撃しかできないから幽霊になって戦えるのかな。塩もう撒けませんよ」
「失礼だな。霊になれば何か出来るようになるだろ。ほら、エクボみたく憑依したりさ。……まあ、なってみないとこればっかりは分からんがな」
「エクボは悪霊ですよ……まあ良いか。老後の楽しみが増えました。ありがとうございます」
「……それはちょっと間違えたら俺が死ぬのが楽しみっぽく聞こえるな」
「師匠、騒がしいからポルターガイストとか得意そう。ふふ」
「後は……そうだな。お盆でお前に会いに行くのもいい。格好良い緑の馬用意しとけよ。それっぽく来てやるよ。マッハで」
「あは。それじゃあ成仏しちゃってますね。分かりました。一番いいキュウリで格好良いやつ、用意しておきますね」