Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    haru0551

    @haru0551

    土銀でたまにお話書いてます。
    応援絵文字ありがとうございます✨

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 14

    haru0551

    ☆quiet follow

    【密着土銀AFD限定SS】
    風邪をひいた土方くんのお話
    *W副長・付き合ってる二人
    *パスワードは会場のサークル説明文内に
     ↑解除しました
    *イベント内で読んでいただいて、ありがとうございました☺️

    #土銀
    bank
    #密着土銀AFD

    鬼宿日「入るぞ――って、おいおい、何やってんのお前」
     
     障子を開けると、土方が机に向かい筆を走らせている。その光景はまあ、いつもの見慣れたものなのだが、土方の額には青いジェルの熱冷まし用シートが貼られている。重そうな瞼に少し潤んだ瞳でこちらを見上げた。
     
    「坂田…」
    「まだ熱があんだろーが。大人しく寝とけって」
     
     持っていた丸盆を畳の上に置くと、坂田は土方の手から筆を取り上げる。不満げな顔をする土方の背中をこずくように押しながら布団へと追いやった。
     
    「おい、まだ途中…」
    「はいはい。どーせ明日になったら、やり直しだから」
     
     机上に広げられた報告書の文字は乱れ、墨汁が点々とあちこちに模様を描いている。この有り様では、報告自体も成立しているかどうか怪しい。坂田はあきれ果てて嘆息した。
     
    「まーたぶっ倒れて、みっともねェ姿をあいつらに晒す気かよ」
     
     土方が、ぐっと唇をへの字に曲げる。入りなさいよと、掛け布団を持ち上げると土方は渋々といった様子で布団に横になった。
     
    「お、いい子いい子」
     
     坂田は土方の肩まで布団をかけると、布団の上からポンポンと肩口を軽く叩く。土方が苦々しげに「やめろ」と唸るが、その顔は満更でもなさそうだ。坂田はハイハイと空返事で盆を近くに寄せた。
     
     過激派の攘夷浪士と武器の密売組織との間で闇取引があるとの情報が入り、数週間にわたって土方率いる数名が24時間体制でその動きを監視していた。その甲斐あって取引場所と日時が特定できたため、取引は未然に防ぐことができた。ところが、その日は悪いことに小雨が降っていた。
     
     監視の中、土方が受け持っていたもう1つの案件も急に動きだし、数日間働き詰めだった。土方といえど、さすがに疲弊した身体で雨に打たれたのはまずかったらしい。隊士らに犠牲が出ることなく検挙し終えると、土方はその場で熱を出してぶっ倒れた。それが3日前のことだ。
     
     結局、土方は丸2日、高熱にうなされながら眠り続けた。今朝方やっと目を覚ましたところだ。医者の見立ては睡眠不足とただの風邪で、――まあいわゆる過労だ。
     
     だからさっさと休めっつたのに…。
     苦々しく思いながら、土方のおでこに掌をのせる。変えていないのか、熱冷まし用のシートはパリパリに乾いている。昨夜ほどではないが、額はまだ少し熱い。布団の横に置いてある箱から、新しいシートを取り出して貼り替えた。
     
    「こうなる前に、相談しろよ」
     
     坂田が眉を潜めると、土方は仏頂面で黙り込んだ。
     
    「お前だって…、暇じゃなかっただろーが」
     
     確かにここ数日、別件でバタついていたから、土方が応援を頼まなかったのも理解できないわけではない。けれども、遠慮して倒れるくらいなら、頼ってほしかった。
     
    「お前が休んだせいで、こっちは目一杯忙しーんだよ。こんなことなら、潜り込んででも休ませりゃよかった」
     
     数日前、そうしようかと思わなくもなかったが、さすがに土方が嫌がるかと思い踏みとどまった。案の定「あ”?」と土方が不機嫌そうに唸り声をあげる。
     
    「んな余計なことしやがったら…」
    「はいはい。そんな熱で浮わついた目で睨まれても、怖くもなんともないですぅ」
     
     坂田は土方のおでこを指で強めに弾いた。ビシッと勢いのある音が部屋に響く。
     
    「ッツ! 何しやがる」
    「そんな醜態晒すぐらいなら、次からはさっさと応援を頼めよ、ったく」
     
     じゃねェと次は遠慮なしに、てめえの陣地ん中、土足で入るからな!と念を押すと、土方は口を閉じて視線を逸らした。さすがに自己管理不足だったのは自覚しているらしい。すまねえとくぐもった声であやまられ、坂田もそれ以上は何も言えず、溜息をつくだけに留めた。

     現場は他の幹部らでカバーできるが、早急の書類や報告書の類いは、もう一人の副長である坂田にすべて回ってきた。お陰で二日間、ほぼ部屋に缶詰め状態だ。
     こいつがいない昨日今日だけで、いったいどれだけの書類に目を通したことか。1日でこの量だとすると普段いったいどんだけ捌いてやがる?
     同じ副長という立場だが、まだ数年の自分と結成当時から真選組を仕切っている土方では経験も違えば、能力の向き不向きもある。腕っぷしでは力になれるが、正直オツムの方では、到底助けてやれる気がしない。
     山崎に言って、もっと簡略化してもらわねェと、まーた倒れでもされては、たまったもんじゃない。そんなことをあれこれと考えていると、土方が呼んでいるのに気付くのが遅れた。
     
    「――…い、オイッ、坂田ッ!」
    「あ、悪ィ、どうした?」
    「水とってくれ」
     
     少し顔を歪めながら咽に手をあてる土方に、すぐに冠水瓶からコップに水を注ぎ渡した。指に力が入らないのか土方がコップを落としそうになり、慌てて手を貸す。すまねえと笑う土方に、思わずふいっと顔を逸らした。

     土方とは右葉曲折あり、付き合っている。俺の方がずっと片想いだったのだが、あることがきっかけで両想いとなり、晴れて恋人同士となって3ヶ月ほど過ぎた。長すぎた片思いはおもいのほか、自分の中で拗れていて、未だにこの関係に慣れない。土方は素直というか、満更でもなさそうで時々甘い態度をとってくる。そんなとき、どうしていいか分からず思わず突っぱねてしまい、険悪な空気になることもしょっちゅうだ。それを見た他の隊士らがやっぱり副長ら仲が悪ィなと囁く声が聞こえてくるから、それはそれで隠れ蓑になっていいのかもしれないが、土方は不満そうだった。
     
     大事な恋人のことだ、もちろん目を覚ましたと報告を受けたら、顔も知らない役人に渡す七面倒な書類を読むどころではない。部屋の前を薬や皿をのせた盆を手にした鉄之助が通ったのをみかけた途端、我を忘れて飛び出していた。
     それなのに、こいつときたら起きて早々、机に向かっているとは。ったく、こっちがどんだけ心配したと思ってんだ。あとで山崎や鉄之助にどんな目で見られるかと思うと気が重い。
     まあ、そんなことよりも、こいつに復活してもらう方が先か……。
     
    「粥食べれるか? 薬あっから、少し腹に入れねーと」
     
     坂田の声に土方が顔を上げた途端、唇から水が零れ落ち顎を伝う。土方が手の甲で拭うと、熱で潤みぼんやりとした瞳を向けた。
     少しやつれた頬は少し赤い。まだ熱があるのか、時折、はっと辛そうに熱い息を吐く。寝巻きの合わせが少しはだけ、土方の鍛え抜かれた胸元がのぞき見え、坂田の心臓がドキッと跳ねた。

    「いや、今はあんま食欲がねえ。そこに、置いといてくれ」
     
     こいつに抱かれたのは、いつだったっけ?
     ふと、この場にふさわしくない不埒なことが頭を過ぎる。お互い忙しく、寝屋を共にしてから優に2週間は経っている。いつもよりやつれた土方に、なぜか欲情してしまった。男同士の愛し方で、坂田は“受け”、いわゆる女役の方だ。急に腹の奥が疼き、思わずモゾッと太腿を動かす。
     イヤイヤイヤ、何考えてんだ俺。こいつは病人なんだから、余計なこと考えてる場合じゃねェだろォ! 
     坂田はどうにか平静を保ち、誤魔化すように笑って粥を手に持った。『静まれ俺っ!こいつは病人!こいつは病人――っ!』と頭の中で何度も呪文のように唱える。

    「いや、そこは食欲なくてもさぁ、少しでも腹にいれとかねえと。薬も飲まねーとだし」
    「そうだな……、じゃあ、お前が食わせてくれるなら、食う」
    「はぁあ!?」
     
     人の気も知らず、土方が甘えるように坂田の腕に頭をすり寄せてきた。上目遣いで「ダメか?」と聞いてくる。ここまで甘える土方は初めてだ。坂田の心臓にトスンと何かが刺さる。
     土方からたまに“可愛い”と言われるが、本気で眼科に行った方がいいと思うし、実際口に出しては、その度に土方は嫌な顔をされる。けれども、今なら少しだけ土方の気持ちが分かるような気がする。素直に甘えてくる土方はとても可愛くて、何というか――こう、なんでもしてやりたくなっちまう。面の良さが2割マシでよく見えるものだから、そんなの断れるわけがない。

    「し、しょうがねェな、今日だけだからな」

     照れを隠すために、顔を顰めて言うと、土方が嬉しそうに口を開けるものだから、心臓がキュウッと締めつけられる。
     こ、仔犬みてぇ……♡
     気恥ずかしいが、やはり甘えられるのは嬉しい。緩みそうになる口元を引き締めながら、粥をのせたレンゲを土方の口の中へ入れた。土方がゆっくりと嚥下し、「うめえ…」と微笑むのを目にした途端、坂田の心臓が再びキュウウ――ッと締めつけられる。
     やべえ、動悸が止まらねェ……。
     坂田は興奮を必死に隠しながら、何度かレンゲを土方の口に運ぶ。気が疎かになっていたからか、手元が狂い粥が口から溢れ出た。
    「あ、悪ィ」慌てて濡れた手拭いを掴み、拭おうとした坂田の手が強ばった。溢れた粥が土方の唇を伝い、受け止めようとした手の平まで汚していた。それは、まるで――…エ、エ・ロ・イッ!!! AV女優も真っ青な土方の姿に、銀時の頭のてっぺんまで一気に血が駆け昇った。
     
    「おいっ」
     一瞬呆けていたらしく、土方の声に坂田はハッと正気に返った。
     土方はいつの間にか、手拭いを奪いとり、溢れた粥をさっさと拭き取っている。渋い顔で使用済みの手拭いを差し出してきた。
     
    「わ、悪ィ悪ィ、ぼーっとしてたわ。そろそろ、薬飲んで寝ちまった方がいいよなぁ」
     
     こ、これは、気付かれないうちに早く退散しねえと……マズイかも。
     少し早口で捲し立て、手拭いを受け取ろうとした坂田の手を、土方が一瞬の隙に捉えた。
     
    「えっ、ちょっ、何っ?」

     土方は無言でぐっと腕を引くと、顔を耳の横に寄せて囁いた。
     
    「なに、一人で盛ってやがる」
     
     バ、バレてた――ッ!!
     そろそろと横目で土方の方を見ると、口許に薄く笑いを浮かべながら、目の奥に欲を湛えた雄の顔が、こちらをじっと見つめている。射るような漆黒の瞳と目が合った途端、坂田の腰から背中にかけて、ゾクゾクッと震えが走った。
     さっきまでの可愛い土方が消えてしまったことに、坂田は少し残念な気もしたが、いつもの土方に高揚している自分を自覚する。
     これはヤバいかもと覚悟した。

     
     ***

    「ニコチンマヨのやつ、すっかり元気になったアル」
    「良かったじゃない。みんな『鬼宿日』だ~とか言ってたけど、心配してたからね」
    「休んだ分、気合い入ってうざいアル」
    「ハハ、今日の朝礼は気合い入ってたよね、誰かさんと違って」
    「誰かさんは『鬼宿日』にノコノコ鬼の家に遊びに行って、喰われたアル」
    「……ぐわれでねーよ」
     
     布団の中でおとなしく目を瞑っていた坂田は、とうとう我慢ができず声を発した。マスク越しの声は掠れてガラガラだ。

    「お前ら、うるせーんだよ。コホッ、熱出して、ぐるしんでる銀さんが目に入らないんですか?」

     新八と神楽は朝礼が終わったその足で、坂田の部屋へとやってきた。神楽にいたっては、寝ている坂田を枕にしてゴロンと畳に寝そべっていて、まるで物扱いだ。

    「本人を目の前にして陰口叩ぎやがっで。っつーか、どけよ、神楽。重いんだよ、頭が割れそうに痛いんだよ~」
     
     掠れた声で訴えながら、坂田はマスク越しにゴホゴホッと咳き込んだ。
     隣で薬の用意をする新八が、これ見よがしに溜息をついた。

    「まったく。サボりに行った挙句、風邪をもらってくるなんて。いい笑い草ですよ」
    「ゴホッ、るせえなぁ……ゴホゴホッ、サボりじゃねーよ。見舞いだ、見舞い。土方が感染するぐらいなんだから、ゴホッ、強力な菌に決まってんだろーが」
    「そんな所に乗り込むからアル」
    「…………ゴホッ」
    「でも確かに、あの人が風邪引くなんて、珍しいですもんね」
    「誰が、風邪ひかねえって」
     
     突然、襖が開いて噂の当人が顔を出したものだから、新八が「うわっ」と声を上げた。
     
    「ひ、土方副長!!」
    「お前ら、とっくに始業時間は過ぎてるぞ。さっさと巡回行ってこい」
    「お前のせいで、ぎん……」
    「わぁアアア、神楽ちゃんっ! 今は上司なんだからっ! す、すみません。すぐに行ってきますっ!」
     
     土方に向かって鼻息を荒くする神楽の袖を引っ張るようにして、新八は部屋を出ていった。土方が「廊下を走るなっ」と縁側へ声を上げ障子を閉める。はあっと軽く息を吐くと、坂田の布団の側に腰を下ろした。
     
    「ったく、見舞いに来ただけで感染るなんて、弱すぎんだろ」
     
     苦々しくそう言うと、土方が坂田の額のタオルを取り上げ、洗面器の水に浸してキツく絞って再び額にのせ直す。額に沿うように、きゅっと手の平で軽く圧をかけられ、ひんやりとした感触が熱の身には心地よい。いつもの半分しか開いていない瞼の隙間から、紅色の瞳がノロノロと土方へと向けられる。
     
    「……は?」
    「ちょっと、近寄っただけじゃねーか」

     土方が視線を逸らし、気まずそうにぼそりと言葉を溢す。
     ああ、そうか。こいつは気を失っていたから知らねーのか……。
     
     あのままいったら、R18指定のアダルト展開――のはずだったのに、残念ながらそんな美味しい流れにはならなかった。土方の顔が近付いてきたと思ったら、そのままズシリと肩に沈んだ。思わず背中に手を回すと、土方の身体は焼石のように熱い。驚いて顔を確認すると、熱がぶり返したのか土方は白目を向いていた。

     慌てて布団に寝かせ、薬を飲ませようと口移しをしたのが、どうもマズかったらしい。自室に戻ると夕方からだんだんと体がダルくなり、何だか悪寒までしてきやがったと思ったら、案の定、夜中に熱が出た。
     当の土方はというと、今朝は早朝から素振りに筋トレと、周囲も呆れるほどの回復ぶりだ。
     
    「コホッ……誰かさんと違って、俺の身体は繊細なんですぅ」
    「鍛え方がたらねーだけダロ?」
     
     土方がふっと鼻で笑い、カチンとくる。
     ああ、そうだったわ、てめえは無神経な筋肉バカだったわ。こっちはお前と違って、神経細やかでデリケートなんだよ、この野郎。
     別にいつもの軽口だと分かっているが、今くらいは少し遠慮して貰いたい。仮にも恋人なのだから。じわっと目頭が熱くなるのを感じて、寝返りをうちながら布団の中に潜り込む。あーっといけね、どうも熱が出ると弱気になっちまう……。
     
    「コホッ、もういいから、さっさと仕事してこいよ」
     
     書類と報告書は半分以上、手付かずのまま放置してある。山崎が途方にくれているはずだ。そいつらに忙殺されちまえ! と心の中で恨み節を漏らしていると、後ろで土方の動く気配がした。そっと何かが頭に触れたと思ったら、ぎこちなく頭の上を往復する。しばらく繰り返されるそれに、土方が頭を撫でているのだと気が付いて、坂田は息を呑んだ。
     
    「まあ、その……、早く治せよ」
     
     そう辿々しい言葉を残して、土方は部屋から出ていった。部屋の中が一気に静寂に包まれる。坂田はそっと片目を開けた。密閉された中で息を詰めていたからか、心臓の鼓動が速すぎるのか、酸欠気味でくらくらする。体温もさらに上がったようだ。
     そろそろと布団を下げると、冷えた空気が火照った頬に心地よかった。土方からの慣れない行為には、嬉しいと戸惑いが半々だ。ドキドキと早足で駆ける心臓を落ち着かせようと、坂田は小さく息を吐いた。

    「ったく、悪化させて、どーすんだよ……」

     それから土方が見舞いに来るたびに熱が上がり、いつもより治りが遅いですねと、新八らに心配される坂田だった。



     end

    ※鬼宿日とは、鬼が宿にこもって出てこないことから、物事を邪魔されない吉日のこと。ただし、婚礼・入籍はお嫁さんが鬼と鉢合わせすることから不向きな日とされてます。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    😭😍👏❤☺❤❤❤❤💴❤😍👏💘💘💘💒💒💒☺☺☺☺❤❤❤
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    haru0551

    PROGRESSオセロ続きです。
    理由があって、ヒジカタくんと鉄子が映画に行くことに…。
    苦手な方は回避してください。
    ※捏造世界での土銀八ですので、何でも許せる方のみお願いします💦
    オセロゲーム⑥ 土方の提案は、一度だけ二人で映画に行って鉄子の口から村田に『思っていたのと違った』と伝えて貰うというものだった。さすがにそこまでして違ったとなれば、村田もこれ以上の世話を焼いてはこないだろう。
    「正直、あんたが村田先輩を説得できるとは思えないからな」
     少々、辛辣かもしれないが、土方は正直な気持ちを口にした。鉄子も同じことを思っていたのか、少し考えている様子だったが、土方の提案に頷いた。
     ならばと詳しい打ち合わせをするためにラインを交換し、鉄子とはその日は別れた。
     次の日、村田に鉄子と映画に行ってみる事を伝えた。やはり妹のことが大事なのか、「そうかっ!」と村田は嬉しそうに叫んだ。土方は少し良心が痛むが、それよりも早くこの件を解決して、またいつもの心穏やかな日々を取り戻したいという気持ちの方が優位だった。土方は心の中ですまねえと頭を下げながら、「ただ、どうなるかは分からねぇ。それまでは他言無用でお願いしたい」と肝心なことを村田に約束させる。
    3143

    related works

    recommended works