じわりと熱が上がった気がして、ライク・ツーは額の上に乗せていた生ぬるいタオルを横にずらした。そんなことをした所で熱が下がるわけでも不快感が治まるわけでもないのだが、とにかくサイドボードに手を伸ばすことすら億劫に感じられる。
「人の体はこれだから……」
しかめっ面をしながら、ライク・ツーは思わず悪態をついてしまった。改めて得た人の体。喜ばしくもあるが、多少頑丈ではあれど他の人間同様病気にかかってしまう可能性があることは少し面倒くさく思ってしまう。それでも、銃としての役目を終えたまま錆びるよりはマシか。どうにか苛立つ自分に言い聞かせていれば、ノックのひとつもせずに扉が開かれる。
「本当に風邪だったのか」
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