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    coitealight

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    coitealight

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    アニメを前に情緒不安定なため何か書きたかった……。
    ハンジさんがオディハに向かう船内で書いた手紙の妄想です。

    Forget me not私は今、君のそばにいる。
    オディハに向かう船の中だ。
    君の傷口の経過を見て順調なことを確認した。それから君の我慢強さにも感心したところだ。君の包帯を取り替えて、私たちは今後について話し合った。
    地鳴らしを止める手立て。私の予想が当たりますようにと願う。

    そこに君がたどり着けますように。君がエルヴィンとの約束を果たせますように。その時に私がその場所にいられるかどうかなんてわからないから。ひょっとすれば私の順番は、すぐそこなのかもしれないから。
    それともこんな予感はすべて杞憂で、笑って私はこの紙切れを君に見つかる前に取り上げるかもしれないけれど。


    リヴァイ。
    君がまた眠っている間に、私はこうしてペンを執った。何だか無性に君に手紙を書きたい気分なんだ。何かちょっとかっこいいだろ?
    ベッドに横たわる君の顔を見る。すやすやと小さな寝息をたてている君。子供みたいな顔で眠っているから私は少し笑っちゃうよ。君のトレードマークの眉間の皺はどこにいっちゃったんだろうね。


    ねぇ、リヴァイ。
    私は今でもふと思い出すんだ。君が兵団にやって来て、立体起動で飛ぶ姿を初めて見た時の日のこと。膨れっ面の君が鳥みたいに自由に飛び回る姿を。自由の翼が生えてるみたいだって思った日のことを。鮮烈だった。

    あれからもう随分経ってしまった。
    仲間たちを失った私たちは二人だけになってしまって、率いる側の大人になってしまった。うまくできない私が、何とかここまで来れたのは君がいてくれたからだと認めざるを得ないよ。エルヴィンが、君をそばに置いていた気持ちがこの四年間で心底理解できた気がする。エルヴィンに会えたら言ってやらなくちゃって思ってるんだ。リヴァイがそばにいてくれると心強かっただろ?ってね。

    私と森から出てくれてありがとう。あの時、私を私でいさせてくれて、ありがとう。
    だけどほんの少し心残りだよ。君と暮らすのは悪くなさそうだからさ。


    あぁ、何だか外が騒がしいな。またすぐ行かなくちゃ。
    えーと、リヴァイ、これは例え話だから、冗談半分で聞いてほしいんだけど。
    もし。もしも。
    すべてが終わったときに、君が生きていて、私がいなかったらの話だ。

    君には幸せになってほしいんだ。たとえば美味しいものを食べたり、美しい景色を見たり、誰かと笑ったり。そういうことをしてほしいんだ。
    幸せになることにためらったりしないでほしい。
    君は回りにいる人に大事にされて、愛される資格も才能もあるんだから。私が保証するからさ。


    君を愛してくれるひとが現れて、子供ができて、君が小うるさいおじいちゃんになっちゃうところも、エルヴィンやモブリットやみんなを誘って、どこかから見ててあげる。その頃の君は白髪になって、ひょっとしたら禿げちゃってるかもしれなくて、お腹だって今みたいにバキバキじゃないかもしれない。でもどんなに君が老けてしまったとしても、長生きしたリヴァイはきっとかっこいいと思うよ。
    私たちのことなんて、忘れちゃって構わない。君が幸せになれるならそれでいい。




    ……いやでも待って。やっぱりそれは嘘だな、ちょっとくらい思い出してほしいかもしれない。


    ねぇ、リヴァイ。私のことを思い出してくれるかい? 年に一度とかそんなんでもいいよ。
    君と暮らすことをちょっと夢見た馬鹿な女のことを。君がそばにいてくれてずっと救われて続けていた情けない女のことを。

    あぁ嫌だなあ、こんな惨めなことを書きたかったんじゃないんだ。ちょっとセンチメンタルな気持ちになっちゃっただけなんだ。許してくれ。




    とにかく。
    リヴァイ。君は幸せになるんだ。
    しっかり覚えておいてくれ。
    これは調査兵団団長命令だからね。

    肩書きなんてなくたっていい。
    君はそのままで素晴らしいんだから。



    追伸
    私が無事生きていれば、君のズボンのポケットからこの手紙を速やかに回収する予定だよ。何てったって私はハンジ・ゾエだからさ。最後まで諦めてたまるか。


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    coitealight

    DONEこなものさんと吸血ンジさんの話?をしていたのを文章化しました。吸血ンジさん×夢女。リヴァハン前提。夢女視点。
    サンクチュアリ線路沿いの夜道にヒールの音が響く。
    仕事帰りの私の左手のコンビニ袋の中には、週末に食べようと買ったコンビニのピスタチオプリンとムラサキイモタルトが入っていて、歩くヒールのカツカツとした音がコンビニ袋のカサカサとした音と混じりあっている。
    それから右手にはライトをつけたスマホ。誰もいない、うらぶれた道で帰路を急ぐ。申し訳程度に明かりを灯す街灯には、名前も知らないろくでもない虫たちがいつものように群れている。


    今日は金曜だというのに気分は下がったままだ。
    私には昔からおかしな、前世の、としか言えない記憶があって、それはとても鮮明で妄想とは呼べない代物だ。誰にも言ったことはない。
    記憶の中には誰よりも鮮やかな人が存在している。憧れだと思い込もうとしたけど、私は結局はその人のことが好きだった。どんなときも、どんなことがあっても、光が差す明るい方に向かおうとする姿。発光するものに引き込まれて、近づきたいと思う気持ちは自然なもので、私は、街灯に群らがる虫に同情する。どこにでもいる冴えない兵士のひとりだった私は、その気持ちも、もちろん誰にも言ったことはなかった。
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