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    Hakuaisan(GWT)

    @Hakuaisan

    二次創作てんこ盛り野郎

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    Hakuaisan(GWT)

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    「ハロウィンだー!」

    とある日の午後、俺と麻人とリビングでくつろぎながら最近借りてきたホラー映画を見ていた。麻人の様子が気になり見てみると、特に怖がっている様子もなく大人しく見ていた。それどころか暁人が高校生くらいに着ていたと思われるジャージを着てソファに寝そべりながらポテチを食べている。
    「カウチポテト・・・」
    「なにポテト?」
    「こっちの話だ」
    絶叫シーンが流れるが顔色一つ変えずに、それどころかつまらなさそうな雰囲気を醸し出している。
    「変えるか?」
    「・・・いい」
    そう言いながら空になったポテチの袋を押し付ける。俺は受け取ると袋を縦に折り畳んでそれを結んで丸める。
    「KK~!」
    「なんだよ!?」
    いきなり暁人が部屋に入って来るものだから父子共に驚いた。麻人も扉の音でビクッと肩を震わせる。
    「あら?映画鑑賞」
    「麻人の気には召さなかったがな」
    「こっちは麻人の気に入りそうなものを作ったけどね」
    そう言って出してきたのは麻人が日曜日によく見ているアニメのキャラクターに似せた衣装だった。
    「もうそろそろハロウィンだし」
    「プリキララだ~!」
    麻人は目を輝かせてその衣装を見る。白を基調とし、所々アクセントに黒が入っている。
    「少し地味じゃねぇか?」
    「フフフッ」
    「何だよ」
    不適な笑みを見せる暁人。何か隠されているのか。
    「この衣装はね!」
    「・・・」
    「その時になったら教えるから」
    「あがっ!」
    身構えていた俺は暁人の返答にずっこけた。
    ****
    「うちの子可愛かろ?」
    「かわいー?」
    作った衣装を麻人に着せた暁人はそれを俺に見せてきた。
    「あ、うん・・・」
    「うっすいなオメェ」
    「・・・チッ」
    可愛いかどうか聞かれてもわからん麻人お前は舌打ちをするな。しかし見てみると結晶のような装飾がありそれは灰色に輝いている。
    「やっぱり地味だな」
    「KK、その言葉撤回してよ。これからなんだから、麻人」
    「・・・」
    麻人は俺がエーテルを出すときの真似をすると、風のエーテルが手に纏われる。すると結晶が緑色に輝き、衣装の黒が緑色に変わる。
    「どうよ、エーテルで色が変わる仕組み」
    麻人はエーテルを火属性に変えると、緑が赤に変わる。
    「てか麻人って適合者なのか?」
    「まあ僕の血とKKの血が入ってるし、前にこっそりDNA検査したら血縁関係ちゃんとあったし」
    「マジか、てか俺からいつ取った?」
    「寝てる時、あの時起きそうだったからぶっ叩いて気絶させたし」
    「あれお前か」
    俺達が話している一方で麻人はエーテルを水属性に変えて、色を青にした。
    「あとワイヤーも出せるし」
    暁人の言葉で麻人の指からワイヤーが出され、俺に巻き付ける。
    「実戦してみる?」
    「命が惜しいから勘弁、それより麻里に見せたか?」
    「まだだけど?」
    「おじさんは?」
    「見せに行くよ」
    「いきたいいきたい!」
    「その前に凛子さんのところね~」
    「この時間ならアジトにいるだろうな」
    両腕を上げた麻人の腕を掴んでそのまま運ぶように移動した。
    ****
    「もうハロウィンか」
    「ハロウィンなんて家でカボチャの煮付けでも食べていればいいのに」
    「それは冬至だと思う」
    《ハロウィンとは───》
    麻里の発言にツッコミを入れ、エドがボイスレコーダーを回し、絵梨佳がカレンダーを見てそんな日かと感じていると、不意にチャイムが鳴った。
    「はーい」
    出てみるとそこには可愛らしい服を着た麻人がいた。
    「あら可愛い」
    「でしょー?」
    「麻人、会えるからってはしゃぎ過ぎ」
    向こうから暁人とKKもやって来る。暁人は女体になっているが。
    「あ、お兄ちゃん」
    「麻里!」
    「おっぱいちょん切っていい?」
    「よくない!!」
    「てか麻人が可愛くなってる!!」
    暁人に対して胸の大きさで嫉妬心を丸出しにしたかと思いきや、麻人の姿を見て心奪われる麻里を見て少し心配になった。
    「この後絵梨佳ちゃんのお父さんのところに行くけど一緒に来る?」
    「私はいいや、絵梨佳と麻里は行く?」
    「行くに決まってる!」
    「俺は?」
    「パパ?」
    「・・・行くよ」
    ホント、KKは麻人に弱いんだから
    ****
    「おじさーん!」
    「久しぶりだな、元気にしていたのか?」
    「うん!げんきしてた!」
    「可愛い子だな」
    「お前は本当に元気だな、お前の面も元気そうだな」
    「それはどういう意味かね?」
    扉を開けると麻人が可愛いらしい姿でいた。ついでに暁人とKKもやって来た。それに娘が友達の麻里を連れてきている。
    「お父さん久しぶり」
    「絵梨佳、元気にしていたか?」
    「うん、いつも通りだよ。それより今日麻人がアジトに来たからお父さんのところに一緒に行こうってなって!麻人くん、ここに来るまでに教えた魔法の言葉覚えてる?」
    魔法の言葉?ああ、今日はハロウィンか。
    「えーっと・・・えーっと?・・・うーん、えっと・・・」
    思い出せずに
    「えーっと・・・おかしいっぱい!」
    「本当はトリック・オア・トリートって言って欲しかったけど」
    「「可愛いので良しとしよう」」
    麻里と絵梨佳が同じ顔をしている様子に若干困惑した。
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    recommended works

    32honeymoon

    MENUジューンブライド小説、後編。
    初夜後から式を挙げるまでの話になります。
    直接的な描写はありませんが、凛子と恵梨佳、エドとデイルが恋仲のように書かれる部分があります。また、デイルの性格(セリフ)にある程度の捏造がありますのでその辺注意。
    雨が連れてきたはじまり<後編>新たなる決意、そして始まり【第四夜◇◆◇ 重(かさね)】

    「ん・・・・・」
    優しい重みで暁人は目を覚ました。身じろぎしてほんの少しだけ重いまぶたをひらけば、目の前に裸のまま自分を抱きしめて眠るKKの姿がある。
    途端に昨日のことを思い出して、暁人は思わずもう一度ぎゅっと眼を閉じた。

    (・・・・あんなの反則だろ・・・!)

    昨晩ーいや正確にはつい先刻まで。散々啼かされて喘がされて、身体の奥の奥まで何度も穿たれて。
    思い出せばそれだけで、また身体が反応してしまう。待って待って待ち焦がれて、やっと得たものは、愛されているという実感そのもので、そして何よりも。

    (・・・こんなに、気持ちいいなんて)

    ほう、と思わず吐息が漏れる。本当なら昨日はまずは「お試し」であって、またこれから少しづつ何度も身体を重ねて気持ち良くなって行ければいい、なんて思っていたし、そうKKにも言われていたから安心していたのに。
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    na2me84

    DOODLE #毎月25日はK暁デー
    参加させていただきました。お題は『匂い』
    厭世的で嫌煙家の暁人くんのお話。
    sensory adaptation 雨の夜が明け家族とも一夜の相棒とも別れて、僕は日常に戻ってきた。妹を取り戻すことは出来なかったから、今までと全く同じという訳にはいかないだろうけれど、とにかく僕は一人生き残ったわけだ。それに意味があるかはまだ分からない。それでも、とりあえず僕がやらなければいけない事がまだ残っている。向こうで両親と共に旅立つのを見送った妹の現世での抜け殻に病院で対面し、身体も両親の元へと送り出した。その日は青空にふわりと薄い雲が浮かぶ、良く晴れた日だった。この世のしがらみを全て捨てて軽くなった妹は、きっと両親と共に穏やかに笑っているだろう。そうであって欲しい。

     追われるように過ごした日々が終わってふと気が付くと、これからどう生きていけばいいのかすら何も考えつかなくて、自分が空っぽになったように感じた。ほとんど物の無い空虚な部屋を見回して、置きっぱなしになっていたパスケースに目が止まる。すっかり忘れていた。あの夜の相棒の形見、最期に託された家族への伝言。これを片付けなくては。彼とは出会いから最悪で途中も色々あったが、最終的にはその関係は悪くなかったと思う。結局のところ、僕にとっても彼にとっても失うものばかりで、得るものの少ない結果だったとしても。
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