敵に捕まった。
まぁ、そこは構わない、いや構わなくはないんだけど。
いつもの上司の無茶振りで、いつもの台詞でニュータイプハラスメントされて、いつもの「この任務、君にしか頼めないので」と笑顔で資料を渡されたら、断れるわけがないじゃないか。
だって僕はこの人に認めて欲しいし、なんならいつだって褒めて欲しいっていつだって思っているんだから。
まぁ、その結果がこのザマである。
情報は奪って本艦に送信済み、あとは離脱するだけ、というタイミングでブービートラップを踏んで捕まってしまったのだ。
ほとほと僕は運がない。
後ろ手に椅子で縛られて1時間ちょっとだろうか、時計のないこの部屋じゃ自身の体内時計に頼るしかないが多分そのくらい。
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