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    mumei_11_

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    mumei_11_

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    書こうと思ってたものとずれが生じたので供養させてください😭
    めちゃくちゃ中途半端で終わります...

    #アルカヴェ
    haikaveh

    「じゃあ、僕は出かけるからな。」

    カーヴェは、行先も告げぬまま何食わぬ顔をして家主であるアルハイゼンに背を向け家の扉を閉じ鍵を閉めた。そして周りを警戒しながら、目立たぬ様に夕日に照らされたスメールシティを早足で進んだ。ひとつの家の扉を戸惑うこと無く開け素早く隙間に身を滑り込ませる。

    「アルハイゼンに悟られなかっただろうな。」

    部屋の奥から、ペタペタと足音を立てながら一人の男がでてくる。カーヴェはその男に視線を向け息を整える。

    「あ、あぁ...ちょ、ちょっと待ってくれ、緊張して息が、」

    ハァハァと荒い呼吸を落ち着かせているカーヴェに男は容赦なく言葉を続けた。

    「...カーヴェ、今からそんなに疲れていては身が持たないんじゃないか?」

    男がはぁとため息をこぼした時、ドタドタと部屋の中に足音がもうひとつ響き出す。

    「ちょっと!君たちの会話傍から聞いてると怪しいからやめてよ!!!!!」

    それは、エプロンを着けたままキッチンから飛び出してきたティナリであった。
    何を隠そう、ここは大マハマトラであるセノが所有する部屋の一つであり、先程からカーヴェと怪しげやり取りをしていた男もセノ本人である。
    咎められたカーヴェとセノは、一体どこら辺が...といったように眉間に皺を寄せキョトンとしていた。

    「俺はただ、カーヴェがアルハイゼンに知られたくないと言っていたから心配しただけだ。」

    そう、カーヴェは最近アルハイゼンに絶対に知られたくない悩みの種がある。それは、最近たちこめ出した彼についての噂についてである。

    「はいはい、ほらカーヴェも座って。
    もう料理もできてるし、話しやすい様に僕からプレゼント。」

    そう言ってティナリから渡されたのは、綺麗なグラスに並々注がれたカーヴェの大好きな魔法の飲み物であった。
    「少しづつだからね」という優しい彼の言葉にウンウンと頷きながら目を輝かせる。
    そうして、三者三様座席につき「乾杯」を合図に宴は幕を開ける。

    食事を味わい、歓談に心を弾ませ、アルコールで頬も赤らんできた頃、セノはとうとう今日集まった理由である本題を切り出した。

    「それで?俺たちに話したいこととは?」

    カーヴェは楽しげな表情から一転、眉間に皺を寄せ大きな目に鋭さが増す。ドンッとグラスをテーブルに乱暴に置いたと思えばふんっと鼻で笑う。

    「二人はアルハイゼンの新しい噂を聞いたか?」

    カーヴェの言葉に、二人は何を言いたいか何となく察した。
    草神様を救った英雄の一人として、アルハイゼンの評価はこのスメールシティでは急上昇であった。
    若い女学生がきゃあきゃあと騒いでいたなと、セノはグラスに残っていたアルコールをぐいっと飲み干した。

    「アルハイゼンが実は心優しい男ってやつ?」

    ティナリはそう言いながらも、「そんな噂を鵜呑みにするのは教令院初心者だよ。」と続けた。
    カーヴェもその言葉には同感なのか声を上げて笑う。セノはその姿にアルハイゼンが居たら青筋を立ててカーヴェを黙らせていただろうなと、ここにはいない男の心中を察した。

    「まぁ、その噂が噂で終われば僕も頭を悩ませることは無かったんだが...どうやら本当のことらしいんだ。」

    心底つまらないといった顔を浮かべ、カーヴェは椅子の背もたれに寄りかかった。
    急にしおらしくなった態度に困惑しつつもティナリは「どういう事?」と疑問を口にした。

    「どうもなにも、随分と懇意にしてる相手がいるらしいんだ。僕も...噂を耳にしただけだったら本人を前に笑い飛ばしてやるところなんだが…。」

    「それに...なんで今更、みんな...」

    カーヴェは、まだ大量に入っている持参した酒瓶を思い切り煽った。
    背もたれに体を預け、白い喉仏を晒しながら酒を煽るカーヴェは扇情的で同性ながらに少しだけ二人の心臓をドキリとさせた。ティナリとセノは少しだけその姿に見とれていたがハッとしてカーヴェの手から酒瓶を奪った。

    「ちょちょちょ、飲み過ぎだよ!?」

    ティナリはカーヴェの手が届かないように、酒瓶を高く持ち上げる。

    「ティナリの言う通りだ、カーヴェ少し落ち着け...。」
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    小嶋0260

    DONE恋人になったある日、パーティーの為にカーヴェが白スーツを着てるのを目撃したアルハイゼンが、内心見とれてたからつい手が出ちゃった話。
    とくに左右を意識してないけど、便宜上アルカヴェで。

    スーツ描き下ろしありがとうございます。
    陽の色に染まる白 今日も定時帰宅をキメて自宅の扉を開けると、

    「あ。アルハイゼン、おかえり」

     リビングの陽射しを背に受ける黒シャツ姿のカーヴェが立っていた。そこまで強くない逆光の下、袖にカフスを留めているようでキラッと光って主張している。

    「ただいま。出掛けるのか?」
    「あぁ。スポンサー様主催のパーティーなんだが、国外の来賓が多いようだから顧客探しに行こうと思ってね。――帰りは遅くなるだろうから先に寝ていてくれ。夕飯はきちんと食べるんだぞ」
    「俺が寝ていたら君は家へ入れないと思うがそれはいいのか?」
    「ちゃんと鍵は持っていくさ! あれは、どこかの誰かが僕の鍵を持っていたせいなんだからな」

     いつもの風スライムのようにふくれっ面になりつつ、慣れた手つきでネクタイを結び、ベスト、ジャケットと順に着ていく。普段は見慣れない姿だが、当人はこういう公の場に何回も出ているからか、支度は慣れたものだ。
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