またやってしまった。
頭痛に耐えながら、エリジウムは思う。
仮想の鳥の鳴き声で目を覚まし、ある種の、危険なほどの爽快感と共に、腕の痺れを感じた。後者は分かる。誰かを抱きかかえていたからだ。片方の腕は相手の首に、もう片方の腕は腰にまとわりついていた。やや低めの体温と馴染みのある匂いのおかげで、下を向かなくてもブラザーを認識することができた。
恐らく1時間や2時間だけでは済まない、おおよそ兄弟とはしないこの体勢を維持していたことも。
半分は血行不良、もう半分は相手がどうやらズボンを履いていなかったことに、体が固まる。
「目覚めたか」
死んだふりをしても全く効かず、ソーンズは「離せ、そろそろシャワーを浴びたい」と続けた。
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