4/14 E3-H0 !『全国の紳士淑女の鷲メイトの皆様、ごきげんよう。夕刊フィガロのお時間だ。
既に祝杯を挙げたレディもいらっしゃることと思う!本日のナイターは、見事に我らが鷲が勝利した!投手は先発田中マー君を筆頭に完封リレー、打ってはマー君とバッテリーを組むヤスダ捕手が鮮やかな3ランHRで勝負を決めた!
試合後のお立ち台ではにかみ合う二人の様子に、テレビの前で萌え散らかした鷲メイトも多かっただろうね。とても微笑ましいやり取りだった…』
『俺も見ていてニヤニヤしちまったぜ、兄貴!ベンチの選手たちの笑顔も眩しかったなああ、ここ数試合はマジでお通夜状態だったもんなァ…グスッ。
もちろんこれで連敗もストップしたが、これは単なる連敗ストップではないんだぜ!
金曜日に!勝てたんだ!!』
『その通り!
我らが鷲はとにかく金曜日に弱かった!
金曜の試合は負けも負けまくり、ここまで19連敗を喫していたのだ。魔の金曜日、ブラックフライデーなどと言われていたが…最後に金曜日に勝利したのは一昨年だと言うから、ネタにしても笑えない。万一今日も負けていたら金曜日に20連敗だったのだね…。恐ろしい話だ』
『でもよ、そんな景気の悪いジンクスもこれでおさらばだぜ!こっからは金曜日だけと言わずガンガン勝ち星稼いでいくのみよ!』
『フフ…。どうやら昨夜の彼女との出会いが幸運をもたらしてくれた様だな。私にとっても……』
『おいおい、番組抜け出してナンパしてたってのかよ〜!とんでもねえスポーツ記者だぜ!兄貴らしいけどな!わははははは!』
「……で、ナンパされたのがお前で、その時の土産がコレってわけか…」
「ナンパなんて、そんなんじゃないわ。声を掛けたのは私の方だったし、少しの時間立ち話をしただけよ。
でも…この回転のこぎりを頂いてしまったのは申し訳ないわよね。今度番組宛に何かお礼をしなくちゃ」
「いやいいって、あんまり深入りするもんじゃねえ。連中も球場に出入りしてるんだろうし、またそのうちバッタリ会う事もあるだろうさ。そしたら俺からキッチリ代金払っとくから、必ず俺を呼べよ。良いな?」
「わかった……。」
「……勝ったってのに元気ねえな。やっぱりフミヤが二軍に落とされたからか?」
「ええ…。本当にね、フミヤは二軍ではもうすることが無い、彼に必要なのは一軍での経験だけってずっと言われているの。今年は開幕一軍に入れたし、このまま定着できるんじゃないかと思っていた矢先に登録抹消されてしまって……」
「あんまり暗く考えるなよ。奴の実力が評判通りなら、また来月半ばにでも戻ってくるさ。
俺の贔屓だって悲惨なもんだぜ、キャプテンなんてガラじゃねえだろうに開幕から四番張らされて案の定不振だもんなー。今日だって第一打席でヒットは出たけど、それっきりさ」
「ヒデトはそのうち必ず調子戻すから…。シマウチだって…」
「おお。そーだろ?だからさ、お前の贔屓だって必ずまた活躍する場は来るって構えときゃ良いんだ。
ほら、ヤスダのホームラン動画見ようぜ。フランコとのカメラパフォーマンスもバッチリのやつ」
「えっ!見たい、見せて!……
ああ、何回見ても素敵!みんな笑ってる…やっぱり勝ち試合は最高ね…!」
負け試合でも気丈にポジ探しをするティナも健気だけれど、やっぱり勝ち試合で心から幸せそうにしているティナの笑顔が一番だよな。
セッツァーはティナの頭を撫でながら、眩しい笑顔を見守った!