7/6 E6-Bs1!9度目の正直!「ただいま!ああ、素敵な試合だった!」
「待て待て、靴脱ぐ前に荷物までちゃんと拭けよ。タオル出すから」
「ありがとう。セッツァー、お風呂すぐ入る?」
「いや…取り敢えずビールだ、じきにスポーツ番組の時間だろ。先に入って来いよ」
「じゃあ私も後にする!アイス頂くわね」
「はいよ。
しかしショウジは大した奴だよな…とても大学出たばっかのルーキーとは思えない受け答えだったぜ」
「本当なら、とっくに3勝くらいは出来てた筈よね…。でも以前の登板試合で解説さんが言ってた通り、こういう投手は一度勝てばぽんぽん勝ち星が続くからって。苦労のハードル超えた分、これから益々頼もしくなってくれるんじゃないかしら」
「ハヤカワと並んで左右のエースになってくれりゃ万々歳だな。
打つ方もここ数試合は二十代の連中が打ちまくってるよな?俺はムラバヤシがここまでやるとは思ってもみなかったぞ!」
「ええ、本当に…。守備固めや代打で出されて三球三振していたあのムラバヤシ内野手が……ほんとうに、きっかけ一つでこんなに飛躍できるのね…!グスッ」
「泣いてんのかよお前……それウーロン茶だよな?酔ってねえよな?」
「泣きたくもなるわ!思えばオゴウ外野手…いいえ、おごちゃんが大泣きしたあのサヨナラ勝利の日以来、あの年代の選手たちの気迫が変わった様に見えるわ。こぶちゃんだってユキヤ内野手だって本当に頼もしい。
鷲にはロートルしかいない、育成下手で将来性がないなんて散々言われてきたけど、彼らは間違いなく次世代の鷲のレギュラーよ。ああ、ここにフミヤくんがいてくれたら……!」
「お、おお…フミヤも二軍で無双してるからな、う一声だと思うぜ。チーム内の競争激化はいい事だよな」
「うん……。あっ!夕刊フィガロ始まった!」
「…なあ、ティナ」
「ふふ、エドガーもマッシュも楽しそう。昨日はお通夜みたいな顔してたから」
「明日の試合も勝てて、このカードに勝ち越せたら……」
「……なあに?セッツァー」
「……。いや。何でもねえよ。
…あーあ、今回は高校球児専用バリカンだと?本当あいつら作る商品は当たり外れの差がすげえよな。もっと俺にも役立つモン出せって、エドガーに伝えといてくれよな」
野球の勝敗で賭け事をするのは無粋が過ぎるとセッツァーは思った!
一体何を賭けるつもりだったのか……。彼らのシーズンも、まだまだ中盤です!