4/20 Bs3-E1「すげえなあ……。昨日のヒットはヒカルのホームランで一本のみ。あとはみーんな凡打×27。四球も無し、塁に出る事すら無し。ほぼノーノーじゃねえか………。そりゃティナも回転のこぎり片手に大学行くわけだぜ」
「マジか。良いのかよ、ここで呑気に新聞広げてモーニングしてて」
「あー、平気平気。まあ俺が焦ったって仕方ねえからな。苦労すんのは現場の選手さんたちだし。俺らファンは、見守るだけってことさ」
「いや…そうじゃなくて」
「どんなに悲惨な成績でもさ、やっぱり毎日野球があるのは良いもんだぜ。サッカーもそうだろ?シーズンオフほどつまらねえ日々はないってね。
……おっ!こっち来た。相変わらず可愛いなァ、お前んとこのミシディアうさぎも」
「チームの事じゃねえよ!ティナだよ、ティナ!回ノコ片手に大学行っただと?まずいだろそれは!」
「おー…確かに。学生運動みてえだな…。
まァ今の段階で何の連絡もないって事は、特に騒ぎを起こしたりなんかしてないって事だろ。せいぜい大学の敷地内の植え込みを手入れしてやってるくらいかな」
「………。なら良いけどさ。なあ、念の為連絡入れてみろよ」
「連絡はしてるんだよ、昨夜も今朝も。でも帰って来るのはカッパのスタンプだけなんだぜ。放っとくしかねえなって」
「はは…。ま…スタンプだけでも返せるのは無事の証ってことか。
あーー、こっちも明日は試合だ!ここも昼間から騒がしくなりそうだ」
「サッカーファンも熱量がすげえからな。明日はお互いのチームが勝って、ここで祝勝会したいもんだよ」
サッカーファンのセッツァーと野球ファンのセッツァーは、カウンターを挟んでニヤリと笑った!