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    yuuki1yuuki

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    yuuki1yuuki

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    かなり前に書いてた酔わせて襲う♀️🍃さんの話

    #ひめさね
    #女体化
    feminization

    🍡ちゃんが疑ったら良い感じになった話「では、蜜璃出掛けてくる」
    「うん、いってらっしゃい!」

    ここ二月で小芭内さんが三回も泊まりで出掛けている。
    最初は何も気にしていなかった。でも、前回の泊まりの時に小芭内さんからフワリと薫ったのは確かに小芭内さんがあまり好まない甘い薫りだった。

    それからずっと悩んでる。
    小芭内さんだし、浮気とかではないと思う。だけど、女性と泊まりって仕事でもないのに何で?理由がさっぱり分からない。
    私は今は彼を抱き締めることも出来ないから飽きられちゃったんだろうか?

    「かか!」
    「はいはい、どうしたの?」
    「しのぶちゃん来たよ!」
    「ありがとう。ここに案内してくれる?」
    「うん!」

    長女は最近とってもしっかりしてきて、下の珊瑚の事も見ててくれるし、私が手が無いから、そのお手伝いをしたいと色々してくれる。

    「甘露寺さん、お久し振りです。お加減はいかがですか?」
    「しのぶちゃん!しのぶちゃぁぁぁん!」
    「はいはい、どうしたんですか?」

    しのぶちゃんは鬼に半分以上吸収されてしまったから、左側の身体が上手く動かないから、普段ならこんな風に体当たりなんてしないんだけど、頭がぐるぐるしちゃってついしてしまったが、しのぶちゃんは私を受け止めて、床にペタンと座って私の背中を撫でてくれた。

    「こんなに取り乱すなんてどうしたんですか?私で良ければお話聞きますよ?」

    やさしいしのぶちゃんに私はつい小芭内さんの事を話しちゃったら、しのぶちゃんはとっても怒ってくれて、元柱の人達を全員集合をかけちゃった。

    大急ぎで駆けつけてくれた師匠は小芭内さんが居ないことに声をかけてくれたが、しのぶちゃんに黙らされていた。
    ついでに冨岡さんも一睨みで黙らされていて、本当なら私が小芭内さんに一言尋ねれば良かっただけなのに、とても大事になってしまって泣きそうになってしまう。
    悲鳴嶼さんも宇髄さんも息を乱して駆けつけてくれて、本当に本当に申し訳なくてわんわん泣いてしまった。

    不死川さんの失踪以来度々集まってはいたが、まさかの小芭内さんの浮気調査に呼び出されるなんて皆困惑してしまうと思ったが、皆本当に怒ってしまい、各々の鴉が小芭内さんを探しに飛び、皆が小芭内さんに怒りを向けつつ私を慰めてくれた。

    「しっかし、伊黒がなぁ」
    「うむ、ベタ惚れなのに浮気とはなぁ」
    「小芭内はその様な事はしないだろう!何か理由がある筈だ!」
    「そう思うんですけど、他の理由が思い付かなくって…」

    不安でわんわん泣くと無一郎君が頭を撫でてくれる。

    「とりあえずさ、見付けて問いただそうよ。ねっ」
    「ハッキリしたら、こっちも安心する」

    こうして、小芭内さん浮気調査隊が結成されてしまい、翌日から他のみんなの鴉が帰ってきた小芭内さんを毎日偵察してくれる事になった。

    まぁ、翌日帰ってきた小芭内さんからはこの間と同じ甘い薫りが漂っており、一緒に居てくれた宇髄さんも怪しいと太鼓判を押してくれたわ。
    嬉しくないけど。
    でも、普段の小芭内さんは昔と一緒でいつも優しくて暖かい瞳で私を見守ってくれて、私が出来ないから率先して家事をしてくれる。
    何も変わらないとっても素敵な旦那様のままだ。

    しかも、常に私や子供たちと居てくれて、彼が一人っきりになる時なんて、厠にいく時位しかないことに気が付いた。

    じゃあ何で?そして相手は誰?
    次の休みも小芭内さんはまた泊まりに行かないといけないと言われて、私は分かったと言いながらも絶対に相手をハッキリさせようとこっそり皆と連絡を取った。

    小芭内さんを見送った後、あまり傷がなく、目立たない冨岡さんと無一郎君が後をつけてくれて、他の目立つ面子がその後ろを追跡する。

    小芭内さんは列車で一時間ほどの小さな駅で降りて、迷うこと無く杖をつきつつ歩いていく。

    「こんな所にお知り合いがいるのかしら?」
    「いや、伊黒の管轄からも離れているしな…」

    皆でこっそりと眺めていると、小芭内さんに男の子が駆け寄り抱きついている。
    しかもずいぶんと仲が良さそうだ。
    くりっくりの大きな猫目に立派な眉の子供、うちの子よりも大きい。

    その子に手を引かれて山の麓の小さなお家へ入っていく。嘘でしょ?
    まさか隠し子?

    「ありゃ、めいじゃねぇか」
    「宇髄知り合いか?」
    「あー、ちょい前にここに仕入れに来ててな、家に奉公に来いって誘った子供だ。父親は一緒には暮らしてねぇって話してたはず」

    今にも倒れそうな私を怒りに燃えた顔でしのぶちゃんが支えてくれて、師匠と冨岡さんがその家にずんずんと歩を進める。

    どうしよう、見たくないわ。
    小芭内さんが他の女性と一緒に居るところなんて…
    やっぱり健康で五体満足の人が良いって言われたら私、立ち直れないもの!
    やっぱり止めようって言えば良かった!
    慌てて二人を追うけど、引き留めるよりも早く二人が家の引戸の玄関が壊れる程の勢いで扉を開ける。

    私は見たくなかったのに、玄関で小芭内さんを迎え入れた黒髪の女性と先程の子供と同じくらいの子供、そして呆然と此方を向いている小芭内さんをハッキリ見てしまった。

    「小芭内!君が浮気なんてする筈ないと信じていたのにがっかりだ!」
    「女を囲っていたのか…」

    あわあわと慌てる小芭内さんに私は涙が溢れて止まらなくって、そのままペタンと座り込んでまたわんわん泣いてしまう。
    最近の私は泣いてばかりだわ。恥ずかしい。

    「ちっ、違う!断じて浮気では」
    「どう違うと言うのだ!!」

    師匠の声と小芭内さんの声に必死に目を開けると、お家の中から女性が慌てて此方に駆けてくる。

    「あっ!あげないからぁ!小芭内さんは、わた!私の旦那様何だからぁ!!!!返してよぉ」
    「誤解しねぇで!アイツは俺がバレたくねぇって言ったから俺の事言わなかっただけだからぁ」

    駆け寄って肩を抱いてくれた女性の声に涙がピタリと止まる。

    「…不死川さん?」
    「おぅ、マジでゴメン。俺が最近体調崩してんの爽籟が伊黒に告口したみてぇで様子を見に来てくれてたんだぁ」

    女性の顔をしっかりと見れば長い前髪と化粧で隠しきれない顔の傷が確認できて、でも、不死川さんの髪の毛ってとっても綺麗な白髪だったし???
    そう思ってたのが分かったのか、不死川さんは黒い髪をぐっと引っ張ると、あの頃よりも少し髪が伸びているが、あの頃と同じ白い髪がぴょんぴょんと跳ねている。

    「アイツ、本当に浮気とか全然してなくて、俺の子の世話をしに来てくれてたんだ。不安だったよな?本当に悪かった!申し訳ねぇ」
    「母ちゃん?おいちゃんもどうしたの?あっ!天元さんだ!こんにちわー」

    家の中から先程の小芭内さんと歩いてた子供が出てきて宇髄さんに飛び付いていく。

    「えっ?何?めいって不死川の子だったの?」
    「??」
    「めいの名字は?」
    「しなずがわめいだよぉ」
    「何俺って不死川直前まで来てたのかよぉ!!!」
    「とりあえず、身体冷やしちゃなんねぇからぁ、家に上がれ」

    全員が招かれたが、家は粗末なボロ屋でめいくんが皆が入った後にガタガタと扉を閉めようとするも、先程の衝撃でひしゃげてしまっており、困ったような顔をした。

    「めい、良いからこっちおいで、そこは後で母ちゃんがやっとくからぁ」
    「はぁい」
    「ゆき、座布団持ってきて、母ちゃんはお茶いれるから」
    「はぁい」

    入口すぐの厨で不死川さんがお湯を沸かし、子供たちが座布団を出したり、膝掛けを出したりと忙しい。

    「母ちゃん、ざぶとんたりない」
    「あー男は母ちゃんの敷布団にでも座らせとけぇ」
    「分かったぁ」

    柱だった人間が住むとは思えない古びた小さな家に元気な子供。
    ここにずっと住んでいたんだろうか?風屋敷の広間よりも小さなお家
    奥の部屋から運ばれてきた敷布団もペラっペラ。
    「では、蜜璃出掛けてくる」
    「うん、いってらっしゃい!」

    ここ二月で小芭内さんが三回も泊まりで出掛けている。
    最初は何も気にしていなかった。でも、前回の泊まりの時に小芭内さんからフワリと薫ったのは確かに小芭内さんがあまり好まない甘い薫りだった。

    それからずっと悩んでる。
    小芭内さんだし、浮気とかではないと思う。だけど、女性と泊まりって仕事でもないのに何で?理由がさっぱり分からない。
    私は今は彼を抱き締めることも出来ないから飽きられちゃったんだろうか?

    「かか!」
    「はいはい、どうしたの?」
    「しのぶちゃん来たよ!」
    「ありがとう。ここに案内してくれる?」
    「うん!」

    長女は最近とってもしっかりしてきて、下の珊瑚の事も見ててくれるし、私が手が無いから、そのお手伝いをしたいと色々してくれる。

    「甘露寺さん、お久し振りです。お加減はいかがですか?」
    「しのぶちゃん!しのぶちゃぁぁぁん!」
    「はいはい、どうしたんですか?」

    しのぶちゃんは鬼に半分以上吸収されてしまったから、左側の身体が上手く動かないから、普段ならこんな風に体当たりなんてしないんだけど、頭がぐるぐるしちゃってついしてしまったが、しのぶちゃんは私を受け止めて、床にペタンと座って私の背中を撫でてくれた。

    「こんなに取り乱すなんてどうしたんですか?私で良ければお話聞きますよ?」

    やさしいしのぶちゃんに私はつい小芭内さんの事を話しちゃったら、しのぶちゃんはとっても怒ってくれて、元柱の人達を全員集合をかけちゃった。

    大急ぎで駆けつけてくれた師匠は小芭内さんが居ないことに声をかけてくれたが、しのぶちゃんに黙らされていた。
    ついでに冨岡さんも一睨みで黙らされていて、本当なら私が小芭内さんに一言尋ねれば良かっただけなのに、とても大事になってしまって泣きそうになってしまう。
    悲鳴嶼さんも宇髄さんも息を乱して駆けつけてくれて、本当に本当に申し訳なくてわんわん泣いてしまった。

    不死川さんの失踪以来度々集まってはいたが、まさかの小芭内さんの浮気調査に呼び出されるなんて皆困惑してしまうと思ったが、皆本当に怒ってしまい、各々の鴉が小芭内さんを探しに飛び、皆が小芭内さんに怒りを向けつつ私を慰めてくれた。

    「しっかし、伊黒がなぁ」
    「うむ、ベタ惚れなのに浮気とはなぁ」
    「小芭内はその様な事はしないだろう!何か理由がある筈だ!」
    「そう思うんですけど、他の理由が思い付かなくって…」

    不安でわんわん泣くと無一郎君が頭を撫でてくれる。

    「とりあえずさ、見付けて問いただそうよ。ねっ」
    「ハッキリしたら、こっちも安心する」

    こうして、小芭内さん浮気調査隊が結成されてしまい、翌日から他のみんなの鴉が帰ってきた小芭内さんを毎日偵察してくれる事になった。

    まぁ、翌日帰ってきた小芭内さんからはこの間と同じ甘い薫りが漂っており、一緒に居てくれた宇髄さんも怪しいと太鼓判を押してくれたわ。
    嬉しくないけど。
    でも、普段の小芭内さんは昔と一緒でいつも優しくて暖かい瞳で私を見守ってくれて、私が出来ないから率先して家事をしてくれる。
    何も変わらないとっても素敵な旦那様のままだ。

    しかも、常に私や子供たちと居てくれて、彼が一人っきりになる時なんて、厠にいく時位しかないことに気が付いた。

    じゃあ何で?そして相手は誰?
    次の休みも小芭内さんはまた泊まりに行かないといけないと言われて、私は分かったと言いながらも絶対に相手をハッキリさせようとこっそり皆と連絡を取った。

    小芭内さんを見送った後、あまり傷がなく、目立たない冨岡さんと無一郎君が後をつけてくれて、他の目立つ面子がその後ろを追跡する。

    小芭内さんは列車で一時間ほどの小さな駅で降りて、迷うこと無く杖をつきつつ歩いていく。

    「こんな所にお知り合いがいるのかしら?」
    「いや、伊黒の管轄からも離れているしな…」

    皆でこっそりと眺めていると、小芭内さんに男の子が駆け寄り抱きついている。
    しかもずいぶんと仲が良さそうだ。
    くりっくりの大きな猫目に立派な眉の子供、うちの子よりも大きい。

    その子に手を引かれて山の麓の小さなお家へ入っていく。嘘でしょ?
    まさか隠し子?

    「ありゃ、めいじゃねぇか」
    「宇髄知り合いか?」
    「あー、ちょい前にここに仕入れに来ててな、家に奉公に来いって誘った子供だ。父親は一緒には暮らしてねぇって話してたはず」

    今にも倒れそうな私を怒りに燃えた顔でしのぶちゃんが支えてくれて、師匠と冨岡さんがその家にずんずんと歩を進める。

    どうしよう、見たくないわ。
    小芭内さんが他の女性と一緒に居るところなんて…
    やっぱり健康で五体満足の人が良いって言われたら私、立ち直れないもの!
    やっぱり止めようって言えば良かった!
    慌てて二人を追うけど、引き留めるよりも早く二人が家の引戸の玄関が壊れる程の勢いで扉を開ける。

    私は見たくなかったのに、玄関で小芭内さんを迎え入れた黒髪の女性と先程の子供と同じくらいの子供、そして呆然と此方を向いている小芭内さんをハッキリ見てしまった。

    「小芭内!君が浮気なんてする筈ないと信じていたのにがっかりだ!」
    「女を囲っていたのか…」

    あわあわと慌てる小芭内さんに私は涙が溢れて止まらなくって、そのままペタンと座り込んでまたわんわん泣いてしまう。
    最近の私は泣いてばかりだわ。恥ずかしい。

    「ちっ、違う!断じて浮気では」
    「どう違うと言うのだ!!」

    師匠の声と小芭内さんの声に必死に目を開けると、お家の中から女性が慌てて此方に駆けてくる。

    「あっ!あげないからぁ!小芭内さんは、わた!私の旦那様何だからぁ!!!!返してよぉ」
    「誤解しねぇで!アイツは俺がバレたくねぇって言ったから俺の事言わなかっただけだからぁ」

    駆け寄って肩を抱いてくれた女性の声に涙がピタリと止まる。

    「…不死川さん?」
    「おぅ、マジでゴメン。俺が最近体調崩してんの爽籟が伊黒に告口したみてぇで様子を見に来てくれてたんだぁ」

    女性の顔をしっかりと見れば長い前髪と化粧で隠しきれない顔の傷が確認できて、でも、不死川さんの髪の毛ってとっても綺麗な白髪だったし???
    そう思ってたのが分かったのか、不死川さんは黒い髪をぐっと引っ張ると、あの頃よりも少し髪が伸びているが、あの頃と同じ白い髪がぴょんぴょんと跳ねている。

    「アイツ、本当に浮気とか全然してなくて、俺の子の世話をしに来てくれてたんだ。不安だったよな?本当に悪かった!申し訳ねぇ」
    「母ちゃん?おいちゃんもどうしたの?あっ!天元さんだ!こんにちわー」

    家の中から先程の小芭内さんと歩いてた子供が出てきて宇髄さんに飛び付いていく。

    「えっ?何?めいって不死川の子だったの?」
    「??」
    「めいの名字は?」
    「しなずがわめいだよぉ」
    「何俺って不死川直前まで来てたのかよぉ!!!」
    「とりあえず、身体冷やしちゃなんねぇからぁ、家に上がれ」

    全員が招かれたが、家は粗末なボロ屋でめいくんが皆が入った後にガタガタと扉を閉めようとするも、先程の衝撃でひしゃげてしまっており、困ったような顔をした。

    「めい、良いからこっちおいで、そこは後で母ちゃんがやっとくからぁ」
    「はぁい」
    「ゆき、座布団持ってきて、母ちゃんはお茶いれるから」
    「はぁい」

    入口すぐの厨で不死川さんがお湯を沸かし、子供たちが座布団を出したり、膝掛けを出したりと忙しい。

    「母ちゃん、ざぶとんたりない」
    「あー男は母ちゃんの敷布団にでも座らせとけぇ」
    「分かったぁ」

    柱だった人間が住むとは思えない古びた小さな家に元気な子供。
    ここにずっと住んでいたんだろうか?風屋敷の広間よりも小さなお家
    奥の部屋から運ばれてきた敷布団もペラっペラ。


    「みなさんどぉぞぉ」
    「わりぃなぁ、湯呑みも足りねぇから男どもは茶碗やらでわりぃけど」

    私としのぶちゃんと無一郎君と小芭内さんの前には湯呑みが置かれ、他のみんなの前にはお茶碗やら汁茶碗やらに入れたお茶が置かれる。

    「とりあえず、玄関の様子見てくっからぁ、ちょっと待っててくれぇ」
    「あー、俺も行くわ、男手もあった方がいいだろ?」
    「片腕しかねぇじゃねぇか、いらねぇよ」
    「ならば俺が手伝おう!」
    「お前はここで伊黒に誤解して攻めたこと謝っとけ」
    「よもや!!!」

    不死川さんが玄関に向かうと沈黙が場を支配して、襖の向こうでガタガタと不死川さんが玄関扉と格闘する音がする。

    「ねぇねぇ、天元さんは母ちゃんのなんなのぉ?」
    「元同僚、あー一緒にお仕事してたんだ」
    「どうりょうかぁ、母ちゃんなんのしごとしてたの?」
    「悪者退治?」
    「そっかぁ!母ちゃんすごいねぇ!あっそうだ、おねえさんとおいちゃんはどういうかんけい?」

    めい君に訪ねられてどうしようかと思ったが、小芭内さんが隣に来て私を抱き寄せてくれる。

    「蜜璃は俺の妻だ」
    「おいちゃんのおくさんかぁ!ほんとうにすごい美人だねぇ。おくさんが美人すぎてほかの人に目がいかないって言ってたもんねぇ」
    「そうだろう」
    「うん!母ちゃんのどーりょーも美人さんとおとこまえさんしかいなくてビックリしたぁ」

    めい君はニコニコと嬉しそうにみんなの顔を見回してもう一人の男の子とねーっと笑いあっている。

    「めい君、お父さんは何処にいるんだ?」
    「おっきいおいちゃん、うちには父ちゃんは居ないよぉ。ねっ」
    「うん、家は母ちゃんだけだよぉ。」
    「えっと、君は?」
    「おれねぇ、ゆきって言うの。めいのお兄ちゃん。ここにはねぇ、母ちゃんとめいとおれとそーらいだけなの」
    「そうか…大変だったのだな」

    悲鳴嶼さんがまた泣きながら二人の頭を撫でるのを見ててあらっと思う。二人の髪型が悲鳴嶼さんと同じで後ろ頭を刈り上げてるせいかしら?
    あらら?

    「どうしたんですか?甘露寺さん」
    「しのぶちゃん、髪型のせいかしら、悲鳴嶼さんと親子みたいだなって思っちゃって」

    私の言葉に皆が子供と悲鳴嶼さんを見比べた

    「あら?本当ですね。フフッ親子みたいですね」
    「っていうかさ、めい君の眉毛そっくりじゃない?目はかなり不死川さん寄り…あれ?」

    皆がじっくりと子供と悲鳴嶼さんを見比べるとめい君の眉毛と口元は悲鳴嶼さんに本当に似てる。目元と鼻は不死川さんかしら?
    それにゆき君の黒目が無かったら目が悲鳴嶼さんに似てるんじゃないかしら?髪質もよく似てるし。スッとした鼻筋も悲鳴嶼さんに似てる??
    あら?あらら?

    チラッと小芭内さんを見ると真っ青で額に手を当てている。

    「無理だわあれ、全然直らねぇ板打ち付けるしかねぇわ…あっ?どうしたぁ?」
    「不死川さん、あの、お子さん達がその、悲鳴嶼さんに似てるなって話になっちゃってて」
    「あー、とりあえず山の旅館に移動しねぇ?ここ狭ぇし。めい、ゆき、女将の所に行こっかぁ」
    「えー!行くぅ」
    「ほんまぁ、行くぅ」
    「ほんまやよ、抱っこするぅ?」
    「いややぁ、母ちゃん体調悪いやろ?ちゃんと歩く」
    「めいもぉ」
    「そかぁ、ええ子らやねぇ、母ちゃん嬉しいわぁ。おら行くぞぉ」

    笑いながら子供の額に軽く口付ける姿が私達の知ってる不死川さんではなくて、本当にお母さんになったんだなぁと感じる。

    「母ちゃん、無理してない?」
    「してへんよ。ちょっと風邪引いただけやからねぇ」
    「でも長いやん」
    「だって寒いやろ?長いんやのうて、何回も風邪ひいとるんよぉ」
    「母ちゃんダメじゃん」
    「せやねぇ、母ちゃんもビックリやわぁ」

    ふわふわと優しく微笑みながら子供の頬を撫でる姿はとてもとても優しくて、暖かい。

    「めいねぇ、天元さんといくぅ!おててつないでいい?」
    「おうよ!ほら天元兄さんが抱っこしてやろう!派手に楽しめ!」
    「わぁ!ありがとう」
    「ゆきはおっきいおいちゃんといっしょに行きたい」
    「私か?構わんが、足が悪いのでなぁ、抱っこはしてやれんし、手も繋いであげれないが」
    「いい、服ひっぱっていい?」
    「それなら構わんぞ、おいで」
    「宇髄、悲鳴嶼さん、迷惑かけてすいません、二人とも良かったなぁ」

    うんと二人が大きな二人にまとわりついてるのはとっても可愛いし見ていてキュンキュンしてしまう。

    旅館までの間、不死川さんは私に手を貸してくれて、師匠は悲鳴嶼さんに手を貸してあげていて、冨岡さんはしのぶちゃんを支えつつ、傍目から見るととってもいちゃついててほっこりしてしまう。
    小芭内さんは私の隣で杖をつき、少し息が荒くて、こっそり無一郎君がいつでも支えられるように隣についてくれている。

    道が開けると立派な武家屋敷っぽい建物にポカンと口を開けて見上げてしまう。

    「あら、実ちゃんどうしたの?」
    「女将さん、ごめんなさい、知り合いが訪ねてきたんだが、家狭くて、一番大部屋と隣の部屋お借りできますか。宿泊料金は払うんで」
    「あらあら、じゃあちょっと割り引いちゃうわ。お部屋へどうぞ。あら、お兄さんまた来てくださったの?御贔屓に」
    「おぅ!是非」

    部屋に通されると、これまた立派!とっても綺麗なお屋敷だわ!
    中も綺麗だし、景色も綺麗、温泉もあるんですって!素敵だわ、綺麗だわ!キュンキュンしちゃう!

    「ほら、二人は源三さんと遊んでおいで」
    「「はーい!」」

    子供が姿を消すと、不死川さんが襖を背にして凄く綺麗に正座をした。

    「んで、伊黒の浮気は全くの勘違いってのは分かって貰えたかぁ?」
    「うむ!」
    「だが、お前とずっと繋がっていたのか?」
    「あー、まぁ、俺が出産の時に難産でなぁ、死にかけたんだぁ…そん時に爽籟がな、皆に内緒にしてくれるように俺が土下座で頼んだから、伊黒ぉ、長い間言えなくてしんどかったよな、悪かったぁ」
    「全くだ。」

    プリプリ怒って見せるのが仕草だけなのは私も周りも気付いてはいるが、不死川さんは申し訳なさそうに小芭内さんに謝っている。

    「それで、何で失踪したんだ?」
    「あ?まぁちょっと、その、恋人もいねぇのにややこが出来たからなぁ…ほら、あの頃って柱は人として見本になるように頑張ってたのに、ちょっと、なぁ」

    目が面白いほどに泳ぎ、窓の外から聞こえる子供たちの楽しそうな声に耳を傾ける。
    あの子達が出来たから私達の前から姿を消したの?

    「つーか、お前、相手誰だよ?」
    「いや、まぁ、勘弁してくれぇ」

    宇髄さんの言葉に不死川さんは本当に困った顔で、此処じゃなかったら言えるのかしら?
    子供二人の顔を思い浮かべるとニコニコと笑う愛らしい姿を思い出す。
    本当に愛らしい二人。それに、母になった今なら分かる。子供のためならば何でも出来るのだ。だから、不死川さんが仲間と子供を比べて子供をとる気持ち。

    「子の親は悲鳴嶼さんではなかったのか?」

    言葉を発した冨岡さんに全員の視線が集まり、視線の先で冨岡さんは視線を受けて、どうしたとでも言いたげにこてんと首を傾げる。

    「いやいや、そんなにはっきり言っちゃう?」
    「そっくりだろう?」

    二人の顔を思い浮かべるが、ニコニコと笑う姿が出てくる。でも、こう、皆が言わないでいたことをキッパリ言っちゃうのが冨岡さんらしさよね!可愛いわ!!

    「上の子は眉と髪質と口元が不死川で、目元と鼻筋が悲鳴嶼さん、下の子は逆に眉、髪質、口が悲鳴嶼さんで目元と鼻筋が不死川に良く似ている。どちらも髪型が悲鳴嶼さんと同じだからすぐ気付いた」
    「不死川が旦那の事を無茶苦茶好きなのは知ってたけどさぁ。旦那って不死川とそんな関係じゃねぇじゃん。そんな関係だったら旦那がもっと探すだろうしなぁ」

    私は知らなかったわ!不死川さんが悲鳴嶼さんを好きだったなんて!知ってたらもっと応援したのに!
    しかし、視線の先の不死川さんは真っ青だし、悲鳴嶼さんは本当に分からないように首を傾げている
    私達はどうして良いか分からなくて二人を交互に見やるが小芭内さんだけは顔を真っ青にして額を押さえている

    「不死川が私を?えっ??」
    「大変申し訳ございませんでしたぁぁ!」
    「どうしたよ!頭上げろって!」
    「不死川!」

    凄い勢いの土下座に周りが固まり皆が頭を上げさせようとするが、不死川さんはしっかりと悲鳴嶼さんに向けて倒した身体を起こそうとはしなかった

    「悲鳴嶼さん、その、あの、甘露寺の懐妊と冨岡と胡蝶の婚約祝いで皆で飲んだ時に…その、寝てる悲鳴嶼さんの寝込みをその…今までも悲鳴嶼さん酔ったらその間の事覚えてなかったからってやっちゃあいけねぇ事だって分かってたんですけど、我慢できなくって、本当に申し訳ありません」

    鬼殺隊最強を酔い潰して襲ったって事!?
    えっ!凄いわ!ビックリした!足を悪くしてたっていっても、今でも凄く力強いのに!?
    そんなに悲鳴嶼さんを好きだったのね!襲われた悲鳴嶼さんは可哀想だけど、キュンキュンしちゃうわ!
    二人を見比べると不死川さんは真っ青で、悲鳴嶼さんは知らなかったとは言え真っ赤っかになってて可愛いわ!

    「最初は、その、本当に足に薬塗ろうと思っただけだったんですけど、申し訳ありません」
    「やはり、私の子供なのか?」
    「その、異性とそういった行為をしたのはその時だけなので、多分……それに、悲鳴嶼さん、見合いしたって聞いてます。俺と子供の事は綺麗さっぱり忘れてもらえませんか?」

    顔を上げた不死川さんは、羞恥で目は潤んでいたが、それでも何かを決めた顔をしていた。

    「ただ、子供たちには俺しか居ないんです。だから、申し訳無いんですが、襲った罪を償えなくて…だから、せめてこれを」

    本当に申し訳なさそうに懐から出されたのは通帳で、個人で通帳なんてビックリしたわ!

    「子供を育てるための金を別で貯めてるんでそんなに多くないんで申し訳ないですが。少ないってんならこれからも働いた金を送金させてもらいますんで、俺の事は無かったことにしてくださいませんか?それにあの頃も好いた方がいらっしゃったんですよね?」
    「好きな人がいらっしゃったんですか!きゃあ!素敵!!あっ!ごめんなさい」

    知らなかったわ!!悲鳴嶼さんにも好い人がいらっしゃったなんて!
    応援するのに!言ってくださったら良かったのに~~~!!

    「好いた?いや、居ないぞ?」
    「えっ?」
    「ちょっと興味あんだけど、実弥ちゃんは何でそう思ったんだ?」
    「あっ、いや、その……呼んでたから…」

    宇髄さんの言葉に顔を真っ赤にしてポソポソと言葉にした不死川さんに鈍い人を除いて悲鳴嶼さんがどのタイミングで呟いたのか分かり、私までつい赤くなってしまった。

    「ちなみにお相手の名前は?」

    宇髄さんの言葉に不死川さんは不機嫌そうな顔をして少し唇を尖らせた


    「さゆきって…柔らかくて可愛いって寝ぼけながら言ってたから」
    「さゆきって!アイツかよ!?」
    「何年か前に京橋に嫁いだあの隠か!!」

    師範の言葉に少し意外そうな顔をした不死川さんが師範と悲鳴嶼さんとをキョロキョロと見比べている。

    「さゆき?さゆき…あぁ、あの娘か」
    「えっ?」
    「えっ?旦那?覚えてなかったのかよ」
    「良く世話をしてくれるとは思っていたが…不死川が私を好いていたというのは本当か?」
    「いやいやいや、アレ気付いてなかったんですか旦那?普通に旦那を挟んでバチバチだったじゃないですか」
    「そうか?」

    私も知らなかったから、そうでもなかったと思うんだけど、師範たちまであーって言ってるから、戦いが終わってからの事かしら?私も小芭内さんも外にあんまり出なくなっちゃったから…
    あっ!でもしのぶちゃんもピンと来ない顔してるから、そうでもないのかも?

    「すみません…」

    真っ青を通り越して真っ白な表情で少し震える不死川さんが昔と違って弱々しくて何だか可哀想になっちゃうわ

    「悲鳴嶼さん、そろそろ休ませてやってもらえませんか。コイツは数ヶ月前から体調が優れなくて」
    「いや、伊黒ォ大丈夫だから」
    「お前、顔が真っ白なのを気付いているか?無理をしたらめいとゆきが気にするんだ、少し休め」
    「でも…」
    「ほんの二月前にそう言ってぶっ倒れたのは何処の誰だ」

    流石小芭内さんだわ!私達話に夢中でつい忘れちゃってたもの!
    ばれて顔色が悪いのかと思ってたけど、それ以前だったのね、申し訳ないわ

    不死川さんが、悔しそうに口をぎゅうっと閉じると、小芭内さんが隣の部屋へ行ってしまった。

    「不死川は今は恋人は居ないのか?君も良い年だろうに」
    「いざとなったら村長んとこの妾になれとは言われてっけど、まぁ、金に困ってねぇし、子供を妾の子にするつもりはねぇからぁ」
    「妾!絶対駄目よ!愛人さんってことでしょ!」
    「あー、村長の嫁が此処の女将なんだが、村長は昔俺が助けた人間で、女将は俺が鬼殺隊に入る前に匿ってくれてた人なんだぁ。だから愛人じゃなくて、俺の事恩人で嫁の妹みたいに見てくれてんだぁ。ありがてぇよ本当に」

    ニコッと笑う顔は心から嬉しいわけではないけれど、子供のためならそれも考えていないわけではないんだろうなぁと私でも思えるような笑顔だった。

    「子供達も村長、源三さんに懐いてるしなぁ、どうしても俺だけで育てていけねぇ様になって子供達が望むなら妾にでもなるさぁ」
    「不死川さんはそれで良いの?」
    「俺はもともと傷物だしなぁ、まともな結婚なんて望んじゃいねぇさ、お前は良い旦那捕まえたんだから大事にしろよぉ?」

    不死川さんは小芭内さんの話をする時に凄く優しく笑う。最初は私は不死川さんが小芭内さんを好きなんだと思ってた。小芭内さんも不死川さんが相手だと楽しそうに笑っていたから両想いなのだと思ってた。
    でも結婚してから小芭内さんに聞いた。
    小芭内さんと不死川さんにとって、互いが一番気の許せる友人なんだと言っていた。本人には言わないがお姉さんみたいに妹みたいに思っているらしい。不死川さんもそうなのかもしれない。

    「体調、大丈夫なんですか?」
    「おー、ちっと身体が弱ってて、崩しやすくてなぁ。お前も大変なんだろ?」

    しのぶちゃんの頬を優しく撫でる不死川さん、素敵だわ!女の子なのにカッコいいんだもの!キュンキュンしちゃうわ!!

    「少し、隣で診察しましょうか?」
    「そこまでじゃねぇと思うんだがなぁ」

    結局小芭内さんが戻ってきたら、しのぶちゃんと二人で隣の部屋へ入っていってしまって、今度は色々知っているっぽい小芭内さんが囲まれている。

    「内緒は酷いじゃないか」
    「お前だって不死川から土下座されたら言えまいよ」
    「というか、元気かだけでも教えてくれよ!家の嫁も心配してたんだぞ!」

    もみくちゃにされる小芭内さんも可愛らしいわ!キュンキュンしちゃう!素敵だわ!
    みんな久々に本当に楽しそうだわ!可愛い!素敵だわ!キュンキュンしちゃう!!

    「それに、その、友人が恩人を酔った勢いで襲いましたと言われてどう説明しろと言うのだね!」

    その言葉に皆があーっと言う顔をする。
    それは、私も説明できないわ…
    冨岡さんだけコテンと首を傾げているわ!分からないのね!そんなところも可愛いわぁ

    「旦那、どうすんです?突然子持ちになっちゃいましたねぇ」
    「南無阿弥陀仏…」
    「悲鳴嶼さんも結婚していないのだから、不死川と結婚してはどうだろう!!!」

    悲鳴嶼さんが真っ赤になっておろおろしてるわ!可愛いわぁ!素敵だわ!

    「俺は、悲鳴嶼さんが好きではないならやめて欲しい。不死川が可哀想だ」
    「俺もそう思う。アイツは本当に貴方を好いている。だが冨岡と同意見と言うのは癪だがな」

    嫌そうな顔の小芭内さんに心外って顔で小芭内さんを見つめる冨岡さん素敵だわ!可愛いわ!

    「とりあえずさぁ、悲鳴嶼さん、不死川さんと話してみたら?僕らが居たら話しづらいでしょ?隣から胡蝶…しのぶさんが戻ってきたら悲鳴嶼さん行ってきなよ」
    「そうですよ!悲鳴嶼さん!ちゃんと不死川さんとお話ししてきてください!じゃないと不死川さんまた私たちとの間に深い溝作っちゃいますよ!」
    「分かった。どういう結論になっても構わぬな」

    皆がこっくりと頷いて、しのぶちゃんが戻ってきたら、悲鳴嶼さんが席を立つ。
    私達は少しでも楽な気持ちで二人が話を出来るようにと席を立って子供二人も連れて露天風呂へ行くことになった。

    「うまく行くと良いね、小芭内さん」
    「そうだな。右が女性用、左は混浴か、入口まで支えようか?」
    「うん、お願いします……あのね、小芭内さん、不死川さんを見てたらずっと一緒に居たくなっちゃったんだけど、お風呂やめてお散歩しない?それか、私も混浴行っちゃダメかしら?」
    「なら、散歩にしよう。君の肌をアイツらとは言え晒したくはないから」

    二人で寄り添って歩き出そうとすると、宇髄さんが小芭内さんの肩にのしっと体重をかけてくる。

    「甘露寺入らねぇでも混浴来れば?胡蝶も混浴で足湯するみてぇだぜ?一人で男に囲まれるのも可哀想だし一緒に行こうぜ」
    「しのぶちゃん!混浴行くの!?」
    「えぇ、普段この方々検診にいらっしゃらないので、目視だけでもチェックしておこうかと」

    そっ、そういうものなのかしら????
    でも一人にするのはあれよね…
    一緒に行くしかないわ!
    小芭内さんの方を向くと苦笑いをした姿に理解してくれるのが凄く嬉しくなる。

    まぁ、その時間の事を言うのであれば、色々凄くて、そのキュンキュンするとかそんな次元じゃなかったのと、しのぶちゃんが凄かったとだけ言っておくわ。
    あと、宇髄さんがゆきくんとめいくんに凄く懐かれたってことだけ伝えておくわ。
    本当に凄かったの!

    真っ赤になりながら皆で部屋に戻ると、隣からまだ何か話をしているみたいだったから、もう少し外でとは思ったんだけど、宇髄さんが普通に部屋に入って騒ぎだしちゃって、声も聞こえなくなった。
    これも気遣いなのかしら?
    夕食の少し前に二人がこちらの部屋に戻ってきて、不死川さんに気付いた子供二人がわっと駆け寄って足にしがみついている。
    顔色も少し良くなってるし良かったわ!

    「ゆき、めい、あんなぁ。母ちゃんこのお兄さんの、その、お、お嫁さんになろうかと思うんだけどぉ、良いかぁ?」
    「私が君達のお父さんになるのだが、構わんだろうか?」
    「「ええよぉ!父ちゃん!」」

    二人ともぱっと顔を明るくさせて嬉しそうに悲鳴嶼さんの足元にわっと寄って行く。可愛いわ!素敵だわ!結局一緒になるなら最初っから一緒にいれば良かったのに!!!

    「派手にめでてぇ!女将!この宿で一番良い飯を運んでくれ!虹丸!御館様にご報告してこい!ド派手に婚約だ!」
    「爽籟、お前も大至急不死川玄弥に知らせてやれ。お前の姉が夫を連れて明日戻るってな」
    「頼マレタ!実弥!!行ッテクルゥ!」
    「やめろ!恥じぃからぁ!」

    慌てて引き留めようとした不死川さんの掌をすいっと避けて爽籟と虹丸は空に凄い速度で飛んでいってしまった!仕事熱心だわ可愛い!!

    「んで、旦那、もちろん俺に祝言の取り仕切りは任せてもらえるんですよね?」
    「いや、祝言は挙げたくないと言われていてな」
    「その、もう子もいるしぃ顔中傷だらけの女を嫁に貰わされるなんて悲鳴嶼さんが可哀想だろぉ」
    「えぇ~ぼく母ちゃんのしろむく見たい」
    「めいもぉ~母ちゃん美人だって女将も言ってたよぉ?」
    「女将も源三さんも俺に恩があるから俺が普通の人の十倍くらい美人に見えるんだぁ、お前らも洗脳されてんだからぁ、ちゃんと見とけぇおいちゃんの奥さんとかあそこの蝶々の髪飾りの女の人とかが一般的な美人さんだぞぉ」
    「えぇ、母ちゃん負けてないじゃん三人ともお目めクリクリで睫なんて母ちゃんの方が長くて赤みがかった白い髪の毛もキラキラしてて綺麗だよぉ」
    「もぉ~女将と源三さんが洗脳すっからぁ」

    困り顔の不死川さんはいつもより力無くて本当に別人みたいなのに凄く、可愛い。
    悲鳴嶼さんはそんな子供二人と不死川さんのやり取りを見てニコニコしている。

    「失礼します、実ちゃん何かあったの?お祝い料理って何が良いの?」
    「あっ姉さん!いや、あの、俺ぇ、その、この人と一緒になろうと決めたんだぁ、そしたらコイツらがぁ」

    その言葉を聞いた途端に女将が勢い良く立ち上がって不死川さんに飛び付いた!驚いたわ!私達今は普通の人よりも力も弱いし、動きも遅い。
    流石に宇髄さんと悲鳴嶼さんは普通の人よりも力は強いが持久力が全然無い。
    元柱されど今は一般以下なのだ。

    「実ちゃんが結婚!?本当!でも良いの!?アンタ、片想いしてた悲鳴嶼さんはどうするの?あの人よりカッコいい人なんて存在しないから興味ないって私らが持ってきた見合いも全部蹴ったのに!確かに男前だけど、どう見てもあっちの白髪の旦那や青目の旦那や派手髪の旦那の方が男前よ?」

    不死川さんの肩を掴んでがっくんがっくん揺さぶってるけど、その言葉に私達の視線が悲鳴嶼さんに集まる。ビックリするくらい真っ赤だわ!

    「ちょっ!姉さん!馬鹿!馬鹿!!」
    「アンタ!が馬鹿よ!引き摺りながら結婚なんてしてみなさいよ!アンタ絶対比べて結婚自体がダメになるわよ!子供の事も考えてしっかり選びなさい!」
    「だからぁ!この人が悲鳴嶼さんなの!!何ばらしてんのぉ!馬鹿ぁ!」
    「父ちゃんあの悲鳴嶼さんだったのかぁ、じゃあ母ちゃんが父ちゃんのことすごく好きなんだねぇ」

    ゆきくんがニコニコと笑うといっしょに笑っていためいくんがぱっと顔を上げて宇髄さんの腕を引く

    「天元さん、めいとゆき、夜はいっしょにいても良い?」
    「お?家族仲良くしてる方が良いんじゃねぇの?」
    「母ちゃんが大好きな父ちゃんといっしょにいる時間もたせてあげたいの。だめ?」
    「そういうことなら家に夜は泊まるか!息子達と遊んでくれるか?」
    「うん!ありがと~ございます」

    にこぉっと可愛らしいわ!お母さんに気をつかっちゃうのね!可愛いわ!素敵だわ!キュンキュンしちゃう!
    でも多分一緒に居てあげた方が悲鳴嶼さんは喜ぶと思うわ!

    「お昼は母ちゃん達のところにいるけど、夜は天元さんのとこに行くぅ。俺ね、おとうとほしいの」
    「なるほど、それじゃあ夜は二人っきりにしてやらねぇとなぁ!!いってぇ!」

    けらげらと笑う宇髄さんにしのぶちゃんの指示で冨岡さんが宇髄さんの額を弾く

    「教育的指導」

    何だかんだで不死川さんが失踪してから、こんな風に皆が楽しそうなのって滅多にないから私も嬉しくなっちゃうわ!

    「ねぇ、悲鳴嶼さん、不死川さんと何で結婚するの?好きなの?」
    「そりゃあ、好いてはいる。そうでなくては婚姻関係になろうとは思わんだろう?」

    違うのよ!もっと詳しく知りたいのよ!
    好いてはいるでしょうよ!だって仲良しだったもの!!それが結婚ってなるくらいだから何か話しあいがあったんてしょ!?

    「母ちゃん!おとうといつできる?」
    「さぁなぁ、神様が決めるこった、早く欲しいんならお祈りに行かんとねぇ」
    「ならいつ行くのぉ」
    「せやねぇ、しばらくは無理やから、時間が出来たら母ちゃんと行こかぁ」

    子供の頬を撫でる姿は立派なお母さんだ。
    胸がホワッと暖かくなるが、ふと見ると同じ様に悲鳴嶼さんも私と同じ様に不死川さんを見つめている。
    本当に愛おしそうに見てるし、不死川さんの事、好きだったのかしら?

    「不死川さん!ちゃんと休んでくださいって私先程伝えましたよね!!」
    「んな事言ったって…俺ぁ休んでんのが苦手なんだがぁ」
    「今治して、長生きしないとダメです!」

    しのぶちゃんがずいっと不死川さんに迫れば、不死川さんがたじたじになって、子供達は不思議そうに二人を見比べている。

    すっと隣の悲鳴嶼さんが二人の間に立って宥めると、しのぶちゃんも不死川さんも少し落ち着いたようで、大人しく不死川さんは悲鳴嶼さんによって隣室へ連れていかれてしまった。

    「ねぇねぇ、おねえさん、母ちゃんねとかないとだめなの?」
    「うーん、どうかしら、貴方たちのお母さんの普段の生活教えてくださいませんか?」

    二人の前に腰を降ろそうとしたしのぶちゃんの所に冨岡さんが駆け寄ってそっと身体を支えてあげている。素敵だわときめいちゃう!

    「母ちゃん?えっとね」
    「ゆきたちがおきるときにはお仕事からかえってくるよ。」
    「そう!あさ母ちゃんがかえってきて、ごはんたべて、母ちゃんがおしごといくついでに、ぼくらもてらこやいくの」
    「そうらいがむかえにきてくれたら、二人でここにきておかみのおてつだいして、よるになるまえに母ちゃんとお家かえるの」
    「かえったら、母ちゃんとごはんたべて、たべおわったら、そうらいとおるすばんするの。母ちゃんはおしごといくの」

    しのぶちゃんが額に掌を当てて重い息を吐く

    「過労ですね。あの人いつ寝てるんですか…」
    「昼は何をしているんだ?」
    「えっとねぇ、ここでおしごとしてる。よるはよるだけやってるごはんやさんでおしごとしてる!」
    「柱だった頃よりも働いているんじゃないのか?」

    眉間にきゅっとシワを寄せた師匠が唸ると何か悪いことになっているのかと子供達が泣きそうな顔をする。

    「大丈夫ですよ。ちゃんと休めば良くなります」
    「「ほんまぁ?」」
    「心配なら、家の嫁も会いたがってたし、しばらくは家で預かって、強制的に休ませるわ」

    その宇髄さんの言葉に子供達はわっと歓声をあげて宇髄さんに飛び付いていく。
    可愛いわ素敵だわ!あぁ、早く玄弥君にも教えてあげたいわ!
    貴方おじちゃんになってたわよって。
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