罪の終わり、贖いの果て(5)『ノウェ。マナは僕が。あなたはエンシェント・ドラゴンを!』
飛んできたセエレの思念に、ノウェはレグナを駆りエンシェント・ドラゴンへ突進した。
罠かもしれないとは考えた。だが、今のノウェに他に縋るものはなかった。
『悠久の果てに神の尖兵と成り果てた先達よ、今その呪縛から解放しようぞ!!』
レグナが吠え、蒼炎が古竜の鱗を抉った。ノウェの光刃が追撃し、その下の肉を削ぐ。
古竜があぎとを開き、角と一体化した頭部がノウェたちを見た。
「レグナッ!!」
返礼のブレスが空を灼いた。聖なる竜の異名に相応しい真白い炎が、直撃を避けレグナとノウェがそれぞれ二重に障壁を張ってなお、肌を炙り視界を眩ませる。
長期戦は不利。下手に避ければ地上のセエレ神官長らゴーレム群も焼き払われる。魔力で治癒力を活性化させながら、ノウェはレグナと魔力を一体化させた。
2846