桃娘的なパロディ復員しても、周囲に馴染めず、一人戦争を引きずったままの東堂。
戦争で顔に大きな怪我を追い、まともな職にも着けず、生来の好戦的な性格のために、やがてはヤクザに雇われる用心棒となる。
そして、ヤクザの親分に紹介されるまま怪しげな屋敷の用心棒として働くことになった。
詳しくは聞いていないが、屋敷では人には言えないことが行なわれているらしい。屋敷の離れにいるのは特別な血を持った人間だそうだ。その血は甘く、不老長寿の効果があるという。その稀血を求め、素性を隠した客が夜な夜な屋敷を訪れる。眉唾の妙薬で商売をしているわけでないことは直ぐに分かった。色めいた声が聞こえたこともあった。中では常識では考えらないことが起こっている。
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