休日結婚「今世紀最大の一大事だ!」
グスマン少将が新聞紙を片手に仮眠室へ怒鳴り込んできた。
叩き起こされたフェルナーは瞼を手で押さえつけながら「皇帝がまた崩御されたのか?」と呻いた。
「卿が何某かの不敬罪に問われないのは軍務省最大の謎だ」
「確かに転向時に罪に問われなかったのだから帝国は小官を尊重して下さっているな。で、何が一大事なのだ?」
フェルナーのペースに乗せられていたグスマン少将ははっとした様子で、新聞を大きく開き、この写真を見ろとフェルナーに迫る。
そこには見慣れた半白の頭髪の人物が人込みに紛れて歩いている様子が写されている。視線を少し上にすれば『オーベルシュタイン元軍務尚書、生存か!?』の大見出しである。
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