ダメンズメーカー無個性に戻ってから、かっちゃんはやたらと僕の世話を焼くようになった。
今まで僕が教科書を落としても、躓いて鞄の中身をぶちまけても「どんくせ」って馬鹿にして手伝ってくれた事なんてなかったのに。
今では消しゴム一つでも、拾ってくれる。
転びそうになったら支えてくれるし、帰ろうと思って雨が降り出しても傘のない僕を無言で自分の傘に招き入れてくれた。
最初は何があったのかと驚いた。
明日は槍が降るのでは?台風か?と心配したが、次の日も天気は良好だったし、ヴィランが大暴れして街を破壊なんて事もなく平穏だった。
よく笑いかけるようになって、距離が近い。スキンシップだって増えて、あきらかに幼馴染の距離感ではなくなった。
そうなってくると僕も意識する。
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