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    masimasi_ikura

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    masimasi_ikura

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    影と火花開催ありがとうございます!

    釘崎野薔薇の結婚「わたし、結婚するから式出ろよ」

     高専で出会ってからの年数が両の手の指を超える直前、定期的に開く同期会で釘﨑が突然開口一番に告げた。中ジョッキを持って乾杯しようとした姿勢のまま口をあんぐり開けたまま、俺達は混乱したまま祝福を述べたのだった。
     あれから数ヶ月、立派なホテルの海の見える教会的な庭で釘﨑は真っ白でフワフワで長いドレスを身にまとって新郎の腕をとって進んでいる。人婚式? とか言うやつらしく神父さんはいない。会場に来ている大事な人達に誓うというのは、神も仏もないような仕事をしてる呪術師らしい考えなのかもしれない。
     あの釘﨑が選んだのはおっとりとして平々凡々を描いたような男だった。何度か顔を合わせたが異性の友達である俺達に負の感情持っていたとしても向けず、「彼女と同じですごい人達なのだと尊敬してます」と穏やかに告げてくるそういうところが釘﨑にとってグッと来たのだろうとなんとなく理解した。だからと言ってただ気弱で優しいでけでもなく、釘﨑の発言に雑に返したりノったりツッコんだり諭したり。打てば響くやりとりを繰り広げる二人はとにかく馬が合うというか、居心地が良いのだろうともなんとなく思った。

    「釘﨑も結婚かぁ」
    「猛者だな」
    「わかる」

     まあわかっててもあの狂犬時代の釘﨑を知ってる俺らとしては相手の感覚がすごいなと感心してしまうし、こんに丸くなった――あくまでメンタルの話だ――釘﨑にも少しだけでビビるのは大目に見てほしい。それでも、それでもこんなににこやかに笑って心底幸せそうな彼女を見られるのはどんなに幸いなことなのか。今までの思い出が頭を駆け巡りなんだか目が潤んできた。
     司会の一言により誓いを立て、皆の前でキスをする二人は本当に幸せを形にしたようでどうしたって感動した。これからも今日と同じくらい、それ以上に幸せになって欲しいと願わずにはいられない。

    「それではこれよりブーケトスを行いますので花嫁様の御友人の皆様は前においでください」

     披露宴の定番のブーケトスが始まるようで真希先輩や京都校の面々、他にもどっかで繋がったかしらん同世代の女友達たちが前に出た。色とりどりの彼女らもこの場を楽しんで釘﨑達を祝福してるのだとわかって、やはりどうしようもなく嬉しくなる。大事な友達がたくさん愛されてるのを見たら誰だってそうなるだろ。
     恒例のブーケトスを受け取ったのは俺らの知らない釘崎の友達のようで、一緒に来た他の友人とキャッキャッと盛り上がっていて賑やかでほほえましかった。

    「いたどりー! 前出ろー!!!」

     そのとき突然、可愛らしかった花嫁さんが突然釘﨑に戻った。いや釘﨑なのは釘崎なんだけども! 戸惑ってる俺を尻目に真希先輩が俺を引っ張る。「呼び出されたら出ねえとな」といたずらっ子の顔で笑うそれを見ればこれは嵌められたな? と嫌でも気がついた。

    「受け取りやがれ!!」

     東北のマー君とは私のことよ! かつての釘崎の言葉が蘇る。野球選手もかくやのピッチングで投げられたブロッコリーのブーケを剛速球で受け止めてしまった俺はどうしようと恋人の顔を見つめる。

    「幸せになるの、次はお前らの番なんだから!」

     言ってないのにバレてる。やっぱり釘崎には叶わないと俺達は笑うしかなかったしそんな俺らを見て釘﨑は走って普段なら絶対しないのにラリアットのように抱きついてきたので幸せのハイテンションってすげえなって驚いた。
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    masimasi_ikura

    DONE影と火花開催ありがとうございます!
    釘崎野薔薇の結婚「わたし、結婚するから式出ろよ」

     高専で出会ってからの年数が両の手の指を超える直前、定期的に開く同期会で釘﨑が突然開口一番に告げた。中ジョッキを持って乾杯しようとした姿勢のまま口をあんぐり開けたまま、俺達は混乱したまま祝福を述べたのだった。
     あれから数ヶ月、立派なホテルの海の見える教会的な庭で釘﨑は真っ白でフワフワで長いドレスを身にまとって新郎の腕をとって進んでいる。人婚式? とか言うやつらしく神父さんはいない。会場に来ている大事な人達に誓うというのは、神も仏もないような仕事をしてる呪術師らしい考えなのかもしれない。
     あの釘﨑が選んだのはおっとりとして平々凡々を描いたような男だった。何度か顔を合わせたが異性の友達である俺達に負の感情持っていたとしても向けず、「彼女と同じですごい人達なのだと尊敬してます」と穏やかに告げてくるそういうところが釘﨑にとってグッと来たのだろうとなんとなく理解した。だからと言ってただ気弱で優しいでけでもなく、釘﨑の発言に雑に返したりノったりツッコんだり諭したり。打てば響くやりとりを繰り広げる二人はとにかく馬が合うというか、居心地が良いのだろうともなんとなく思った。
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    masimasi_ikura

    DONE🎊影と火花開催おめでとうございます🎊

    虎杖くんがペット飼いたいなと悩んで伏黒くんに相談するお話です
    ※未来if成人設定
    ※捏造後輩の気配が強い
    ※事変などない
    ※心の広い方向け
    俺がペット どうやら俺は生き急いでるらしい。
     この前一緒に任務に行った後輩――俺の任務ではなく、俺からの推薦が欲しいから任務に同行して自分を見極めて欲しいと頼んできた可愛いやつである――が心配してきたのだ。「えーそう?」と笑いながら受け流せば、その場にいた補助監督にも割と真面目に頷かれる。

     確かにその日、核を正確に破壊して祓呪に成功した後輩を見守っていた。が、にこやかに駆け寄ってきた彼の背に突如影が覆い被さる。どうやら先程の呪霊はもう一つ核を隠し持っていたようでしぶとく一命を留めたようだ。仕留め損ねたそれはゆらりと再び立ち上がり、最後の悪足掻きの一撃を浴びせようと禍々しい爪を振り上げる。それを目にしてしまえば頭で考えるよりも体が反応していた。即座に地を踏みしめ駆け抜け、突然のアクシデントに狼狽える後輩を押しのけ回避させる。左の眼球に迫る大きな鋭い爪を寸でのところで躱せば、一筋、頬にちりと走る熱さ。気にも留めず眼前の標的を注視し続ければ、俺が避けたことで大きく空振った腕により体勢を崩した胴に核を一つ見つける。急所を晒したがら空きの腹を目掛けて黒閃を狙い撃ち、隠し持っていた核をぶち抜いて今度こそ祓呪を完遂させた。
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