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    Tyon。

    五悠を書いています。
    誰かに刺されば嬉しいです!

    @yon_472

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    Tyon。

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    五悠です。
    セ○レから始まるお話。

    セ○レだけど、好きになってしまった悠仁くん。
    ※伏黒くん出てきます。

    苦手な方はご注意ください。

    #五悠
    fiveYo
    #大学生パロ
    collegeStudentParody

    独占欲④『悠仁のご飯、毎日食べたい』

     先輩にそう言われた時は、そんなに美味しかったんだと嬉しくなった。ただ、まっすぐ見つめられた瞳にドキッとした。
     "美味しい"の表現の筈なのに、告白でもされたのかと思った。
     そんなことがあったものだから、先輩のことを意識してしまった。それなのに急に抱かれなくなったときは、放置プレイでもさせられているのか、飽きられたのかと不安になった。でも、それも今は元に戻っている。

     夜な夜なトイレで自慰をしていたことがバレてしまったあの日から、また先輩は抱いてくれるようになった。
     抱かれなかったあの期間は、先輩の気まぐれだったのだろうか。結局、自分もセフレの一人でしかないんだと自覚する。


     久しぶりの友人に会う日ため、電車に乗っていると、ある中吊りが目についた。それには「また抱きたくなる、セフレのマナー」とあったから、つい考えてしまった。

     セフレのマナーってなんだろう。
     先輩を独占しちゃダメ…とかかな。
     以前は、彼女ができようが、セフレが何人いようが気にならなかった。でも、最近その気持ちが変わってきた気がする。
     他の女の子の話を聞くと、少しモヤモヤするし、部屋に置いてある物で女性らしいものを見つけると、ザワザワする。
     きっと、彼と会う頻度が増えたから、独占欲が出てきてしまったんだろう。友達に対してもあることだ。この気持ちは、気のせいだと思い飲み込んだ。



     友人との待ち合わせ場所に着いて、スマホを開く。すぐ目に入ったのは【五条悟】からのトーク通知だった。

    【今日は恵と会うんだっけ?】

    そうだよ。映画見て、昼食べて解散かな

    【了解。夜は、俺んちね】

    オッケー

     先輩が気にっているトラのスタンプが送られてきて、今夜の予定も決まった。
     『このトラ、悠仁みたいで可愛いでしょ』なんて言っていたのを思い出して、口角が上がる。

    「虎杖、悪い待たせた」

     自分を呼ぶその声の方へ顔を向ける。

    「伏黒、久しぶり〜」
    「何、ニヤついてるんだ。怪しいぞ」
    「え?」

     伏黒にニヤついているのを見られてしまった。何でニヤついているかは、彼に分からなくても、先輩のこと考えていたからだと思うと、恥ずかしくなってしまう。
     それを誤魔化すように、「映画の時間だ!」と言って、伏黒の背中を映画館方向へ押した。


     映画を見終えて、昼も食べて、街中ぶらぶらして、一息ついたコーヒーショップ。たまたま、俺の元カノの話になった。

    「最近、彼女とはどうなんだ?前みたいに話、しなくなったよな」

     付き合い始めの頃、よく伏黒に彼女の話をしていたのを思い出す。初めてできた彼女だったし、嬉しくてつい伏黒に報告したんだった。

    「あー…別れたんだよね」
    「は?そうなのか?結構、仲良いみたいなこと言ってたよな」
    「まぁ、そうだったんだけど…ちょっとね…」

     別れてからそんなに経っていない筈だが、彼女との思い出があまり浮かばない。でも、たしか『喧嘩しないよ』みたいな話をしていた気がする。
     流石に別れた理由が性についてだったとは言いづらい。歯切れの悪い態度とると、伏黒は何かを察したかのように話題を変えてくれる。

    「あ、この間、釘崎と真希さんに会った。たまたま道端で会っただけだけど」
    「へぇ、釘崎も最近会ってねーな。2人元気だった?」
    「まぁ相変わらずだな。そういえば、この間、五条さんも見たぞ」
    「へぇ、どこで?」

     急に出された先輩の名前に、過度に反応しそうになる。先輩を見かけたと聞くと、いつどこで何をしていたのか、すごく気になる。

    「あー、ラブホ街を女の人と歩いてた。あの人のことだし、珍しい話じゃないと思うが」

     ラブホ街…その言葉が引っかかる。でも、それを伏黒に問い詰めるわけにはいかない。なるべく清平を装って返す。

    「…へぇ。てか、伏黒はなんでそこにいたの。まさか…伏黒も…」
    「ばかっ、ちげーよ!津美紀のバイト先への近道なんだよ」

     いやらし〜っと揶揄ってみるものの、うまく笑えない。その後も、先輩の話がずっと引っかかったままだった。
     伏黒に別れ際「俺、何かまずかったか?」と聞かれた。空笑いしか出てこなかった。察しのいい彼は、やっぱりまた何も聞いて来なかったけど、きっと先輩のことだと分かってしまったと思う。

     このまま先輩の家に行く気になれず、公園のブランコでゆらゆら揺れていた。
     先輩の家は眼と鼻の先。ここまで来たのだから、訪れて『ラブホ街で女の人といたのマジ?!』と問いただせばいいんだ。
     それでも、それが出来ないのは自分がセフレだからなんだ。いつの間にか先輩への独占欲が強くなっていたらしい。
     嫉妬…しているんだろうな。先輩が俺以外といるが嫌なんだ。ずっと一緒にいたからとか、仲が良いからとかじゃない。
     先輩のこと、好きなんだ。やっと気づいた。

    「セフレ、失格だな」

     ブランコから降り、先輩のマンションに背を向けた。
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